行政

鈴木茂樹総務審議官に聞くーG20貿易・デジタル経済大臣会合で世界をリード

201911日】

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鈴木総務審議官

 平成の最後を飾る平成31年が幕を開けた。電波タイムズでは、新春にあたり、総務省のICT分野における研究開発政策などを鈴木茂樹総務審議官に聞いた。
 ―5Gの実用化に向けた施策についてお聞かせください。
 「5Gは今までに比べて超高速、多数接続、低遅延という新しい性質を持った、従来の性能を超えたものだ。なるべく早く5Gを普及させて、国民に恩恵を享受してもらう。2019年3月末あるいは4月には第1弾の移動体通信事業者へ周波数の割り当てを行いたい。それによって事業者がネットワークを整備して2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせたい。第2弾としては、全国移動体通信事業者だけではなく、地域の事業者、あるいは地域のユーザーたちが自分の思うように使えるよう、新しい地域向けの枠の検討に入ったところだ。全国版、地域版で早くに5Gが立ち上がり、日本中に普及することを期待している」。
 ―IoTのサービス創出支援についてお聞かせください。
 「身近なIoTということで、なるべく一般の方々がそのメリットを感じられるようなプロジェクトを進めていきたい。合計で48件の実証実験を行っている。防災やシェアリングエコノミーの分野で実証実験を行っており、特にシェアリングエコノミーの分野では民泊関連にIoTを使う。楽天が真っ先にサービスを使って全国施設に導入が進んでいる。この創出支援事業は今年度限りの予算の事業になっているが、ここで培った色々なノウハウを実際の普及に生かして進めていきたい」。
 ―次世代人工知能技術の研究開発についてお聞かせください。
 「AIには色々な応用分野がある。私どもが最も力を入れて取り組んできたのが多言語翻訳で、特に音声自動翻訳に注力してきた。だいぶ時間は掛かったが、ディープラーニングなどを取り入れて、この1年くらいで急速に性能が向上して実用レベルになった。『VoiceTra』の技術が数多く民間サービスに活用されるようになってきており、是非、外国人対応に携わる皆さんに使っていただきたい。鉄道、タクシー、病院、自治体などで専用アプリとして、端末に導入して実際に使い始めていただいている。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、最低10言語は実用化したい。対応言語数も増やす。インバウンドが今年も3,000万人を超える見込みで、2020年までに4,000万人が来ることを考えると、窓口、交通の乗り換え、デパートなどあらゆるところで翻訳機能が使えないと、スムーズな活動ができなくなるので、是非広めていきたい。一方、AIはアルゴリズムとデータセットだと思うが、コンシューマーのデータは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)がネットを通じて取っている。日本の強みは、産業データにあるので、製造業の各社機械、あるいは化学品、医薬品業界などが蓄積したデータを、AIを使って、新商品の開発や業務の効率化、生産性向上に生かす。また、医療や防災にAIと日本が持っているデータを使って、新しい産業として育てていく。AIの利用面で日本は世界をリードすることができる」。
(全文は1月1日号に掲載)

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