総務省はこのほど、わが国からの情報発信の強化に対応し、ラジオ国際放送のより効率的で効果的な実施のため、電波監理審議会からの答申を得て放送法施行規則など関係省令を改正することとした。10月1日から施行する。 近年、諸外国においては、対外情報発信力の強化のため、テレビ国際放送を拡充する動きが加速している。一方、ラジオ国際放送については、テレビ、インターネットなどの普及により、短波ラジオへの需要が低下した地域が存在していることから、その効率的な実施が求められている。 こうしたことから、メディア環境の変化に柔軟に対応し、資源の効率的な投入を図るため、今回、ラジオ国際放送に関する関係省令を改正し、放送の区分から「一般放送」、[地域放送]の区分を廃止することとしている。
テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)はこのほど、5年後のTELECのあるべき姿を描き、共通の目標へ向かって努力し、ICT社会実現に向けて社会に貢献していく指針とするため、TELEC5ヵ年ビジョンを策定した。 今後、5年間の事業は、「公益的事業」、「戦略的事業」、「基盤的事業」の3本柱とする。 公益的事業では、今年開始した公益的調査研究を充実強化し、1―2年後、研究助成額を5000万円まで拡大、学会活動とも連携を図る。また、技適業務などに対するコンサルティングは、ニーズが高く公益的な立場から重要な事業と認識して本格化し、誰でもICT技術の恩恵を享受できる機会を提供する。無線設備の試験法など自主調査研究は、これまで以上に推進し、新たな無線設備に対応した新試験システムを開発・整備し、これを公開し関係者の利用を促進していくこととしている。 戦略的事業では、事業規模の維持・拡大を図る観点から、社会から要請の強い新規事業を多面的なスキームで展開、あわせて国際性を重視、グローバルな事業展開も視野に入れる。具体的には、外国向け携帯電話の試験・適合性評価、受託によるビッグプロジェクトの推進、WiMAXなどのテストプラットフォームの開発・整備およびその公開などインターオペラビリティ関連プロジェクトの推進、業務請負などの拡大を図る。また、新規事業として、DSRCの相互接続試験、ユビキタス特区関連プロジェクトへの参画などに取り組むこととしている。 基盤的事業(技適・認証、較正、試験等)については、効率的かつ高度な技術で洗練されたサービスを目指す。このため、営業活動・PRの充実強化、事業収支を踏まえた事業の展開を図ることとしている。 5年後の事業収入は、平成17年度実績(13億円)の4億円増とする。従来の事業収入は13億円を維持、そのうえで受託調査研究は平成17年度実績(2億円)の2倍、外国向け携帯電話の試験は2億円規模の収入と見込んでいる。事業支出は、事業の活性化のため、平成17年度実績(13億円)の1・5倍(20億円)に拡大する。事業収入の4億円増に対応する支出増(4億円)のほか、公益的事業は1億円規模とし、戦略的事業には必要十分な投資(2億円規模)を行うこととしている。収入の不足分は、新規事業に充当するため引き当てた特定資産およびその運用益を持って当てることとしている。業務量は支出増と同じ1・5倍になるが、業務量の増は、アウトソーシングなどで吸収、職員数は増やさない。職員はもっぱら付加価値の高い業務を指向する。
国土交通省航空局は、アジア初の国際基準準拠の高精度航法『RNAV(広域航法)』を9月から本格導入することになった。飛行ルート設定時の物理的制約が大幅に緩和され、複々線化や短縮、就航率の向上が図られることになる。 RNAV運行方式は、近年の航空機が高機能なFMS(航法用機上コンピューター)を搭載すること等により高い航法能力を有していること利用した航法。VOR/DME等、地上施設の配置に左右されることなく柔軟な経路設定が可能な運行方式である。 大都市圏拠点空港等の整備の進捗と周辺諸国の経済発展によって、航空交通量は増加する一方となっている。今回、それに対応し、安全で効率的な運航を確保するため、航空機の高い航法能力を前提とする「航法精度を指定したRNAV」について、運航者との協議及び安全性の検証が完了したことから、これに必要な「航空保安無線施設にSBAS(静止衛星型衛星航法補強施設)を追加する」などの省令改正を行い、本格導入することにした。 航法精度を指定することによって、従来よりも経路の左右間隔を短縮して、航空路の複線化や複々線化等することで、空域容量の増大が図れる。また、地上施設に縛られない短縮ルートが設定可能になることに加え、地上施設や一系統の影響により多くの旋回が必要とされた発着経路での短縮の可能性があり、飛行時間の短縮やCO2削減の効果が期待できる。 平成22年度末までに羽田発着等の主要路線主要空港に整備するほか、24年度末までには主なローカル路線と空港監視レーダーが設置されていない空港(ノンレーダー空港)にも整備する。 ◎航法精度=航空機が経路に沿って飛行する際の航法の正確性を数値で示したもの。例えば、航法精度±5NM(9キロメートル)とは、ほとんど(95%)の飛行時間において経路中心線から5NM以内で飛行すること。
ITS(高度道路交通システム)を最大限活用して安全な道路交通社会を実現するため、とくに、インフラのない場所でも有効な手段とされる車車間通信技術の早急な確立が求められている。このため、総務省では今年度からお気電気工業に委託して、DSRC周波数帯(5・8GHz帯)や将来的にITS分野での利用が考えられているVHF/UHF帯の周波数の有効利用を図りつつ、多数の移動する車両が同時に高い信頼性でリアルタイム性の高い車車間通信を行う次世代のITSを実現するための通信技術の研究開発を進めている。100台程度の車両による車車間通信が可能となることを目指していく。
将来的に、ITS分野での利用が期待されるVHF/UHF帯において、多数の移動通信システムが存在する環境で車車間通信を行う場合の電波伝搬特性、およびそのモデル化を行う。この結果をもとに、他システムとの干渉を回避しながら、高速移動環境下における車両の状況予測も含めて、高い通信品質を確保しつつ、高速かつ適応的に伝送方式を変化させる通信プロトコルを開発していく。
また、従来のアドホックネットワーク方式による車車間通信を行う場合には、十分な周波数利用効率を確保することが困難と考えられているため、車車間通信を行う際に車群の概念を導入し、通信を車群内通信と車群間通信に階層化することで、車車間通信システム容量の増大を図る車群通信技術の開発を行うこととしている。合わせて、車群内通信、車群間通信にそれぞれ別の周波数、例えば、DSRC周波数帯とVHF/UHF帯を使用することを想定し、両周波数帯に対応可能なマルチバンド車車間通信システムの実現に向けた研究開発を行っていく。さらに、1対多の通信を行う場合に懸念される隠れ端末問題(通信端末が互いの状況を確認できず、送信したパケットが結果的に衝突すること)を効果的に回避するとともに、信頼性保証と周波数利用効率の向上を図る車車間通信用自律分散多重アクセス制御技術の開発を行うことにしている。
これらにより、通信可能な車両台数が100台程度存在する場合を想定し、数100バイトの情報を100ミリ秒程度の送信頻度で、パケット到達率が常に80%以上となるようにすることを目指していく。またこの条件に加えて、周波数利用効率が2bps/Hzとなることを同時に実現する通信システムの周波数割当技術などを確立して行くこととしている。車群通信技術では、システム容量についてはDSRC周波数帯1波を用いて、従来のアドホックネットワーク方式で車車間通信を行う場合に比べて、複数周波数を有効に利用することで通信品質の向上と4倍程度となるシステム容量の増大を実現するマルチバンドの車群通信技術により、通信範囲における100台程度の車両が迅速かつ確実な車車間通信を可能とすることを目指していく。さらに隠れ端末が多くなるとみられる建物が密集する市街地で、通信トラヒックの負荷が80%以上の高負荷時に各端末が互いに1対多の通信を一定間隔でできるようにすることとしている。
これらの研究開発は、平成21年度までの3年間で実施することにしている。
情報通信研究機構(NICT)はこのほど、日常生活支援ロボットの分野において、対話と行動を学習するロボットの知能化技術の開発に世界で初めて成功した。 日常生活支援ロボットの研究開発は、世界的にも日本がリードする状況にある。しかし、こうしたロボットの対話機能に関しては、設計者によって与えられた固定言語知識に基づく言語処理技術を採用しているため、ロボット自身が利用者ごとに異なる状況に応じた発話の意味を適切に理解することができず、現状では全く不十分な状況であった。 今回、NICTはあらかじめ言語知識を与えるのではなく、利用者の状況にあった対話と行動の言語能力を、ロボット自身が幼児の発達と同じように、音声と画像と動作によるコミュニケーションを通して学習する技術を開発した。従来の言語学習型ロボットは、名詞のみを用いた学習であったのに比べ、新たな技術として、行動の学習も可能とし、名詞に加えて動詞や文法も学習することができる。さらに、言語的知識、行動に関する非言語的知識、実世界知識などの種々の知識を、適応的に関連付ける方法も考案し、状況に応じて利用者の意図を適切に推定できるようになった。「いつものかばんを持ってきて」などの人間の発話に対してロボットが適切に行動したり、気が利いたタイミングで「雨が降りそうだから傘を持って出かけた方がいいですよ」などと教えてくれる機能の付加につながる重要な基礎技術を実現している。 これが実用化されれば、これまで障壁とされてきた、生活環境への言語処理適応問題が解決し、日常生活支援ロボットに不可欠な、利用者の生活空間や習慣に応じた自然で効果的なコミュニケーションが実現できるものと期待されている。さらに、音声対話インターフェース分野の新たな市場の創出も期待できることになる。NICTでは、今後、より日常的な生活に近い環境で、より大規模で実用的な知識の学習機能・性能の評価・検証に取組んでいくこととしている。
わが国で唯一のデジタルシネマの専門映画祭であるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007(第4回)が、7月14日〜22日の9日間、埼玉県川口市のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ 映像ホールをメイン会場に開催される。メインの長編・短編コンペティション部門では、国内外のデジタルで撮影・制作されたデジタルシネマ作品を昨年秋から募集し、去る3月16日に締め切った。 第1次選考を経たノミネート作品は、映画祭期間中、各審査員により審査され、最終日に各賞が授与される。その他、招待作品、特集プログラム、D-コンテンツマーケット、シンポジウムや市民イベントなど様々なプログラムが開催される。 全作品は、期間中、ソニー製のSXRD・4Kデジタルシネマプロジェクターで最高クラスの上映環境で上映される。また、各作品の上映後には、各国から訪れた作品ゲストと観客との交流の場も用意される。 東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた概要記者発表の会場には映画祭実行委員会会長の上田清司埼玉県知事、同副会長の岡村幸四郎川口市長、短編部門審査委員長で俳優の高島政伸らが出席、映画祭のピーアールに一役買った。 上田知事は「埼玉県から世界に通用するクリエーターの登場に期待したい。夢を届けたい」などとアピール。岡村市長は「キューポラのある街、川口が今や映像文化都市に変貌している。21世紀を代表する映画祭に育てていきたい」などと抱負を述べた。
握手する主催者代表・左から八木プロデューサー、岡村川口市長、上田埼玉県知事、高島政伸、瀧沢ディレクター
| 19年5月更新分 | 19年7月更新分 |