放送(6月更新分)

パナソニック システムソリューションズ ジャパン 「CATVユニバーサルポータル」の受注開始

 パナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)とパナソニック AVCネットワークス社、イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)の3社は1日、CATV事業者向けサービスプラットフォーム「CATVユニバーサルポータル」についての記者発表会を開催した。PSSJではケーブルテレビネットワークを活用した新たなサービスプラットフォームの提供とアプリケーションの受注を6月より開始。ケーブルテレビ事業者やASP事業者などが加入者に便利に使用してもらえるポータルサービスを行っていく方針。また、発表会ではイッツコムがパナソニックの協力で行っているCATVユニバーサルポータルによる「パーソナルテレビポータルサービス」の実証実験の概要も説明した。

 CATVユニバーサルポータルは生活関連サービスや自治体などの広報情報・天気・交通情報などの公共的な情報をテレビに分かりやすく表現することを可能にし、CATVサービスの多チャンネル番組やVODなどの配信サービスのメタ情報を画面インターフェースで提供。特長は@軽快に動作するTVポータルプレーヤーをデジタルSTBに搭載Aケーブル局の加入者ごとにTVポータル画面をカスタマイズ可能BIPストリーミング動画にも対応など。対応機種はTZ―BDW900M/900F/900P、TZ―HDW600M/600F/600Pで、追加ソフトライセンスにより搭載が可能。今後も発売されるSTBにも順次対応していく。
 パナソニック システムソリューションズ ジャパンCATV営業グループグループマネージャーの平野泉氏は「ケーブルテレビならではの双方向でつながっている強みを生かしてどんなことができるか考えてきた。そこで、でてきたのが今日発表するユニバーサルポータル。高齢者から子どもまでテレビという情報の窓を通じて新たなライフスタイルの提供を可能にする。さらに、地域に根ざした生活情報もテレビを通してワンリモコンで簡単に便利に利用できる。ライフスタイルが多様化しているなか、提供する側と提供を受ける側をつなげるものは何かと考えた時にケーブルテレビを通していろいろなことが提供できる」と話した。
 パナソニックAVCネットワークス社CATVビジネスユニット企画グループグループマネージャーの川島一郎氏は「これまでもCATVでは事業者が様々な情報発信を試みてきた。例えば、自主放送のデータ放送、HTMLブラウザなどを使いSTBを通してテレビ画面に情報発信することを行ってきたが、起動時間がかかるとか、動作が遅いなどでユーザーも欲しい情報にたどりつけなかったという課題があった。ユニバーサルポータルはそういった課題を解決しテレビ画面を使って簡単にわかり易い情報発信ができる。いつでも誰でも使える新しい情報のプラットフォームを提供する目的で開発した」と話した。
 ポータル画面ではSTBの電源を入れた時に表示され、いつでもリモコンのメニューボタンから呼び出しアクセスすることができる。例えば、お勧め番組を表示する時は動画を使って番組紹介したり、静止画情報やチラシ情報を大画面テレビに提示していくこともできる。それを実現する技術として川島氏は「ユニバーサルポータルのプラットフォームはポータルサーバーとポータルプレーヤーのセンター側の2つの要素から構成されている。JAVAスクリプトファイルは各加入者向けに用意したポータル画面になる。そのポータル画面がCATVの双方向回線を利用してSTVのポータルプレーヤーにダウンロードされてポータルプレーヤーでこのスクリプトが実行されて画面を表示する仕組みになっている。ポータルプレーヤーはSTV上で軽快に動くなど操作性にこだわっているのが一つのポイント。もう一つはHV画質で画面を構成し画像を高速に表示できる。あわせて、3Dグラフィック機能が搭載されているので、多彩なユーザーインタフェースが作成できる」と話した。
 活用例としては@お勧め番組の紹介AテレビチラシB手軽なポータル構築CIP動画によるVODを紹介した。お勧め番組紹介ではポータル画面を使い双方向回線でユーザーの視聴履歴から嗜好情報を収集して適切な番組を選択して提供。それにより有料放送に触れる機会を増えてきて事業者の有料放送の視聴率アップにつなげる。テレビチラシではフルHDの画質で画面を表示。かつ、3Dアニメーションができるというポータルプレーヤーの操作性、テレビの大画面化に合わせることによって紙媒体をそのままテレビ画面に表示できる。手軽なポータル構築ではPCのホームページ上に用意しているサーバーや素材をテレビポータルに簡単にリンクして配信できる。さらに、ポータブルプレーヤーにIP動画ケーブル局に蓄えられている自主コンテンツライブラリーからお勧め映像をIP動画で配信する。ユーザーは見たい動画を見たい時にひっぱっていけるサービス、HVの画質をIPで配信できる点を挙げた。
 また、会見ではイッツ・コミュニケーションズ(イッツコム、横浜市、市来利之社長)が国内初でCATVユニバーサルポータルを活用したパーソナルテレビポータルサービスの実証実験を実施したと発表し概要を説明した。この実験はパナソニックのCATVユニバーサルポータルシステムを活用したユーザビリティ向上や次世代サービス検討を目的に実験モニター約30人による使用状況レポートをもとに世代や視聴習慣の異なるユーザーに多様化するサービスを最適に利用してもらうためのユーザーインターフェース、操作性、コンテンツ展開の検証を行ったもの。実験は2010年4月15日から6月4日まで。実験ではイッツコムのTvサービスの利用者に端末BDW900MにCATVユニバーサルポータルのソフトウェアをインストール実環境における使用感や動作状態を確認した。会見に出席したイッツ・コミュニケーションズの金井美恵執行役員は「放送のデジタル化に伴いお客様から見たい番組を見る時に選びずらいという声がある。ハードの問題であったり番組が増えたりでそれぞれの事情がある。そういう時にパナソニックからCATVユニバ―サルポータルの話をもらい検討していくうえでも協力しようということになった」と話した。


開発の経緯を説明するPSSJ CATV営業グループの平野泉氏


技術的な仕組みを説明するパナソニックAVCネットワークス社CATVビジネスユニットの川島一郎氏


ポータル画面


デモで説明するPSSJシステムプロダクツグループの野仲比呂志氏



パナソニックシステムネットワークス コンパクトで高画質なフルHD回転台一体型カメラ発売

   パナソニックシステムネットワークスは21日、東京・銀座のパナソニックシステムソリューションズジャパンでHD機器のラインアップ「50シリーズ」の内覧会を開催し放送局や制作会社らが来場し盛況だった。HDインテグレーテッドカメラ{AW―HE50S」、「AW―HE50H」は議場、企業(テレビ会議)、教育現場、ブライダルなどのHDコンテンツを取り扱う現場での利用を考えたコンパクトなフルHD回転台一体型カメラだ。新開発の1/3型フルHD MOS型撮像素子とデジタルシグナルプロセッサー(DSP)を採用。光学18倍のズームレンズに加え10倍のデジタルズームを搭載し、全体の様子から顔のアップまで離れた場所からも柔軟な撮影が可能となっている。
 また、新しい画質補正機能の搭載で暗い場所や照度差のある環境でも鮮明で美しい映像を撮影することができる。具体的には「DRS」「Hybrid NR」「美肌モード」の3つの新しい画質補正機能を搭載。DRS(ダイナミックレンジストレッチ機能)では各画素に対してガンマカーブとニーを自動的に最適化することで、白とびや黒つぶれ以外の画素に影響を与えずにダイナミックレンジを向上する。Hybrid Nr(ハイブリッドノイズリダクション機能)では2次元、3次元の2種類のノイズリダクションを併用することで、解像度を落とさずに残像を抑えたクリアな映像を表現する。美肌モードでは肌色を感知して人の肌をより美しく見せることができる。
 一方、リモートコントローラー「AW―RP50」はHUBを利用して最大100台のAW―HE50S/Hを制御できる。コンパクトライブスイッチャー「AW―HS50」は標準で入力5系統、出力3系統を備えて、マルチビューディスプレイ機能も標準装備しモニター1台のプログラム映像(PGM)、プレビュー映像(PVW)、入力映像信号などを4、5、6、9、10分割から選択し同時に表示できる。従来は複数台必要であったモニターが1台で対応できる。
 なお、「AW―HE50S」(SDIモデル/税込価格58万8000円)、「AW―HE50H」(HDMIモデル/36万5000円)」を6月から発売。7月にはリモートコントローラー「AW―RP50」(25万2000円)、コンパクトスイッチャー「AW―HS50}(47万2500円)とセットで50シリーズとして販売していく。「AW―HS50」は2010NABショーの「Event DV Magazine Winners Circle Award」においてベスト商品の1つに選ばれた。 


50シリーズとしてカメラ、コントローラー、スイッチャーをシステムで展示


「AWーHE50」


「AW―RP50」(左)と「AW―HS50」(右)




WOWOW 全仏オープンテニス3D生中継の公開実験に成功

 WOWOWは5月28日に全仏オープンテニス3D映像で生中継する公開実験をパナソニックの協力で東京・赤坂本社で実施した。実験内容はフランスから放送回線で送られてきた映像をWOWOWの放送センター(江東区辰巳)で受信してパナソニックのサーバーに伝送、それをさらに一般のインタ―ネット回線を使い3Dビエラで視聴するというもので見事に成功した。会場には日本初の試みなだけに関係者やプレスが多数集まり実験の成功を見守った。

 3D生中継は男子シングル2回戦のラファエル・ナダル(スペイン)対ホレイショ・ゼバロス(アルゼンチン)の試合をライブ伝送した3D映像を3Dメガネをかけて視聴。実験ではフランスから日本まで通常の専用回線を使い国内の回線センターに伝送。伝送時にサイドバイサイド形式でエンコードしヨーロッパのハイビジョンの規格が1秒間に50枚の映像(50i)のため日本方式の60iに画質を落とさないようにフレームレート変換を行なった。その後にパナソニックの専用の配信サーバーにVPN回線で送信後に一般のインターネット回線を使いストリーミング配信した。カメラはパナソニック製「AG―3DA1」を現地に持ち込み撮影したほか、リグ方式を撮影位置により使い分けた。
 また、実験成功後には現地で収録した1回線のダイジェスト3D映像もブルーレイにより公開された。この映像は5月29日から東京と大阪のパナソニックセンターで一般公開を開始。6月1日からはひかりTV、J:COM、パナソニックビエラ専用ネットワーク「テレビでネット」で無料VOD配信をはじめた。公開実験に今回の3D映像をVOD配信するキャリアも出席した。NTTぷららの伊藤康之コンテンツ戦略部長は「映像を今後きれいなハイビジョンTVでどう見せていくかを考えると3Dは新しくわかり易い見せ方だと思っている。ひかりTVの顧客の8割が有料で映像を観るのが初めてという顧客。今回の3D映像でさらにもっと沢山の顧客に観てもらいたい」と話した。J:COM理事放送・制作本部長兼オンデマンド推進部長の小早川浩氏は「3D作品のVODサービスを4月から行なっているが、今の所はVODの方がいいと思っている。18コンテンツでを提供し、そのうち無料は14コンテンツ。約1ヶ月で1万6000回のコンテンツの視聴があった。3Dでは顧客にアンケートを取り映画、アニメはもちろんスポーツへの期待が高かった。3Dでのスポーツが何より立体感や臨場感を味わえるはず」と話した。
 WOWOWの船越雄一取締役は今後の3Dへの取り組みについて「WOWOWは3Dプロジェクトを立ち上げている。様々な世界の情報から市場動向の調査やカメラ実験を行なったりして番組の企画を慎重に論議している。来年は10月からのフルハイビジョン3ch化までにどう展開していくか検討していく」と話した。  


公開実験に出席した(左から)NTTぷららの伊藤康之氏、WOWOW取締役の船越雄一取氏、杉山愛さん、J:COMの小早川浩氏、パナソニックAVCネットワークスの長岡正行氏


実験概要図 3D生中継のもよう



映像情報メディア学会が総会開催 NHK永井技師長を新会長に選出 榎並氏、西山氏に「丹羽高柳賞」

 社団法人映像情報メディア学会(東京都港区、谷本正幸会長)は5月28日、同学会のある機械振興会館において第56回通常総会を開催し、2009年度事業報告・決算報告および2010年度事業計画・収支予算等の審議を行った。
 このほか総会では、新役員の選任や各賞の贈呈式も行われ、新会長にNHKの永井研二専務理事・技師長を選出。また映像情報メディアに関する学術、技術または関連事業に対し特別の功労のあった個人に贈る「丹羽高柳賞」(功績賞)には、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の榎並和雅ユニバーサルメディア研究センター長、NHKメディアテクノロジーの西山博一社長が選出された。
 新会長に選出された永井氏は、「谷本前会長の大変な功績を受け継いで、新役員、会員とともに、この重職を務めていく所存だ。映像情報メディアは今後ますます面白くなってくる時代でもあるので、楽しみでもある」などと就任のあいさつを語った。
 各賞の贈呈式では、「丹羽高柳賞」「技術振興賞」「鈴木記念奨励賞」「藤尾フロンティア賞」「ハイビジョン・次世代テレビ技術賞」の選考経過報告と受賞者の発表と賞状・賞牌の贈呈および受賞者代表のあいさつが行われた。
 「丹羽高柳賞」に輝いた榎並氏は、「コンピュータの番組制作機器応用に関する先駆的な研究を立ち上げるとともに、長年にわたりスーパーハイビジョンをはじめとする次世代放送メディアの研究開発を推進した。また将来の情報通信技術の新たな構想である超臨場感コミュニケーションの研究開発を提唱し、映像と多感覚メディアとの統合的な研究を進めるとともに、新たな産学官連携の枠組みとしてフォーラムを立ち上げ牽引している。これらの活動はわが国の情報通信技術の新たな分野を切り拓くものであり、その功績は顕著である」と評価されての受賞となった。一方、同じく受賞した西山氏は、「番組制作や報道現場へのハイビジョン導入や地上デジタル放送の全国普及を推進し、放送サービスの高度化に大いに貢献するとともに、スーパーハイビジョンによる高臨場感放送の実現に向け、テレビの将来像として“テレセンス”を提唱するなど、放送メディアの発展に先導的役割を果した。平成20年度には、本会の会長として、学会活動を通した放送・メディアや技術の進展尽力したほか、会員増に向けた施策を展開するなど、本会の継続的な発展に多大な貢献をした」としての受賞となった。
 受賞者を代表してあいさつに立った榎並氏は、「映像情報分野では、現在、地デジ・IPTV・スーパーハイビジョン・3Dなどに関連して急激な技術進歩が始まっている。超臨場感コミュニケーション技術も、微力ながら、その一端を担っていると思っている。そうした気運の中で、映像情報メディア学会の果す役割は大きいと考えている。今回の受賞を糧として、さらなる学会の発展・貢献に力を尽くしていきたい」と受賞の言葉を述べた。  なお総会ではこの後、谷本前会長による講演「次世代映像情報メディア―自由視点テレビFTV―」も開催された。


新会長に選ばれたNHKの永井技師長


受賞の言葉を述べるNICTの榎並氏


「丹羽高柳賞」の賞状を授与される西山氏作



ナックイメージテクノロジー 新型デジタルカメラ「アレクサ」紹介セミナー開催

 ナックイメージテクノロジーは5月27日、28日にARRIが新たにリリースしたデジタルカメラシステム「ALEXA(アレクサ)」を紹介するセミナー「nac Open House Aoyama2010」を開催し盛況だった。同製品の販売およびレンタル業務は6月から開始した。
 アレクサはデジタル映像制作が求めるより高度な条件を満たし映画・CM・ドラマ制作、プロモーションビデオなど多様なデジタル映像制作に最適な35ミリフォーマットのデジタルカメラ。S×Sカードスロットが2つ装備し、記録部分はHD―SDIとRAWを出力。センサには新開発のスーパー35ミリフォーマットの単板CMOSセンサを採用し大きな画素サイズで、画素を明部と暗部用に分けた2つのA/Dコンバーターで処理することで高感度の低ノイズ、16ビットの高ダイナミックレンジを実現した。
 セミナーで「アレクサ」を紹介したARRIのクラウス社長は「画質に関しては一切の妥協はしていない。画質は高感度であったり、ダイナミックレンジは13ストップ以上の広い圧縮があげられる。アレクサの標準感度はEI800で、EI200〜800間はダイナミックレンジとノイズレベルが同等になる。また、ワークフローでも多様なオプションに対応し、多様な出力にも対応しているカメラである。画質やワークフローに加えて製品の品質にも注目してほしい。耐久性や耐熱性、防塵にも強い丈夫な一体型ボディを採用した」と話した。価格は納入時で約800万円。


セミナー会場に展示された「アレクサ」



約半数が現在でもBSアナログを受信 NHKの調査で判明

 NHKは6月の会長会見で、今年2月から3月にかけて行った「BSアナログ放送受信アンケート調査」について報告を行った。調査の結果、依然として約半分の世帯でBSアナログ放送を視聴していることが判明。NHKでは残り1年あまりに迫っている衛星放送の完全デジタル移行を円滑に進めるため、さまざまな対策を加速させていく方針だ。一方、あわせて発表した地上デジタル放送受信機普及台数は5月末で7558万台に到達。共聴も含めた世帯カバー率も98・8%に達している。

 NHKでは、今年2月下旬から3月中旬にかけて、BSアナログ放送を視聴していると思われる契約者に向けて、BSアナログ放送の終了の告知とともに、受信実態についてのアンケート用紙を送付した。対象となったのは、衛星契約者のうち、BSデジタル放送の受信確認メッセージ消去の連絡が来た世帯を除外した約496万世帯であった。これらの世帯の中から約124万件の返信があり、その50%にあたる約62万件が、現在でもBSアナログ放送を受信していることが判明した。この結果を受けてNHKでは、496万世帯のうち約半数の248万世帯がBSアナログ受信世帯と推計。これに「共聴施設などでBSアナログ放送を視聴している契約者の調査」で把握した45万世帯を加えた293万世帯が、現時点でのBSアナログ受信者であるとNHKでは見ている。NHKの福地茂雄会長は、この結果を踏まえながら「今回のアンケートでは、地上デジタル放送も含めた受信状況なども調査した。それらも分析しながら、BSデジタル放送への移行のお願いをするさまざまな施策に活かして行く」と話している。
 NHKでは、その施策の1つとして、小冊子「マンガでわかる!デジタル放送」の第7弾として「BSデジタル編」を同シリーズの追加として製作。NHK―BSの魅力や、「デジタルテレビならパラボラアンテナ1つでBSも視聴できる」ことなどをPRしていく考えだ。

(地デジの受信機普及は順調。世帯カバー率も98・8%に)

 NHKが3日に発表したデジタル放送の5月末時点での普及状況(独自調査による推定値)によると、地上デジタル放送受信機の累計普及台数は約7558万台(5月増加分約125万台)。これに地上デジタルチューナー内蔵PCの累計出荷台数約214万台(JEITA発表の4月末時点での累計)をあわせた累計普及数は約7772万台となった。地上デジタル放送受信機の内訳は、PDP、液晶テレビが累計約4851万台(同約185万台)、ブラウン管テレビが同約72万台、デジタルチューナー(チューナー内蔵型録画機含む)が累計約1758万台(同約46万台)であった。なおケーブルテレビ用STBは累計約877万台(同約14万台)となっている。
 一方、BSデジタル放送の累計普及数は、BSデジタル放送受信機の普及台数と、ケーブルテレビでアナログに変換された方式で視聴している世帯数を足して約7612万件に達している。5月末時点でのBSデジタル放送受信機の累計普及台数は約7486万台(5月増加分約169万台)。ケーブルテレビでアナログに変換された方式で視聴している世帯数は累計約126万世帯。BSデジタル放送受信機の内訳は、PDP、液晶テレビが累計約4745万台(同約117万台)、ブラウン管テレビが累計約186万台、デジタルチューナー(チューナー内蔵型録画機含む)が累計約1678万台(同約38万台)となっている。なおケーブルテレビ用STBは累計・単月とも地上デジタル放送と同数。
 5月下旬に総務省が発表した「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査」によると、今年3月時点での地デジの世帯普及率は約83・8%(約4190万世帯)に到達。これは当初の普及目標とされていた81・6%(約4080万世帯)を2・2%上回るものであった。
 一方、地デジ対応受信機の普及台数も、前記のように7558台に達しており、6月末の目標数だった7530万台に1ヵ月早く到達した。
 これについてNHKの永井研二専務理事・技師長は、「昨年9月末時点の調査では、世帯普及率が約69・5%(約3480万世帯)であったので、この半年で14・3%上昇したことになる」と話し、「エコポイント制度による受信機の好調な出荷を背景に、関係者が地域特有の課題に即した周知広報活動を推進した結果だろう」と分析。今後については、「今回の調査結果を心強いものと受け止めているが、新たな難視地区やビル陰等の受信障害対策共聴など、デジタル未対応世帯の解消に向けたさまざまな取り組みを継続して進めていくことが必要。総務省、自治体、デジサポなど関係者との連携のもと、完全デジタル化に向けて、一層、気を引き締めて推進していく」との決意を明らかにした。
 なおあわせてNHKでは、地上デジタル放送の送信側の整備状況も発表した。それによると、5月末時点で1456地区、約70%の中継局が開局。NHK共聴のデジタル化の進捗状況については約76%が完了し、中継局と共聴をあわせたカバー率は98・8%となった。NHKによると、今後も最終目標である世帯カバー率99・5%(地上系インフラによる最終的な目標値)を目指して、引き続き計画的にデジタル整備に努力を尽くしていく方針だという。



住宅関連業界等へのセミナーを重点的に テレビ受信向上委が事業計画発表

 社団法人テレビ受信向上委員会(半田力委員長)は7日、千代田区大手町の電子情報技術産業協会(JEITA)において第39回総会を開催した。総会では、平成21年度の事業報告、決算報告等が行われるとともに、平成22年度の事業計画案、予算案、役員・委員案が承認された。平成22年度の事業計画では、住宅関連業界やオーナーなども対象とした「デジタル放送受信セミナー」を今秋まで重点的に実施していくとともに、テレビにLANを接続しやすくする環境の整備など、完全デジタル化後の放送・通信連携サービスの調査・検討を行っていくとの方針が盛り込まれた。

 冒頭で挨拶を行った半田委員長(JEITA専務理事)は、「完全デジタル化までいよいよ残り1年あまりとなった。先頃NHKが発表した速報値によると、地デジ対応受信機の普及は累計で7500万台を突破し、計画を上回るペースで普及が進んでいるようだ。また総務省が先頃発表した世帯普及率も83・8%に達しており、これも目標値を上回っている。ただ気になるのは地方の辺地や、都市部のビル陰、集合住宅共施設の対応が遅れていること。今後はこうしたミクロの課題が一層クローズアップされてくることとなるだろう。 “アンテナから受信機まで”の安定的な受信を担うのが当委員会役割だが、“生活者の目線”でこの課題に対処していきたい。一方、放送事業者の方々には、番組を通じての問題の周知と、『デジタルになって本当に良かった』と視聴者が思える良質の番組の制作をお願いしたい。受信機普及は最後の数%が最も大変だと以前から指摘されているが、委員会としても各方面と連携を強め、最大限の努力を行う」と語った。
 平成22年度事業計画は、@望ましいデジタル放送受信システムの普及・周知Aデジタル放送受信技術者育成に向けた講習会やデジタル放送受信セミナーの実施B完全デジタル化後の放送受信システムの調査・検討C各地区連絡会活動の実施―の4点が骨子となっている。@では今年3月に開設した向上委員会のホームページの掲載情報をタイムリーに更新しながら、関係業界や受信者にさらなる情報提供とデジタル放送移行を促していくーなどの内容が盛り込まれている。またAでは、講習会・セミナーを、平成22年秋までを重点期間として実施する。各都道府県1会場以上の開催とし、セミナーについては住宅関連業界やオーナーなども対象とする―としている。またデジタル放送受信インフラの整備が遅れている集合住宅や障害対策共聴などのデジタル化を促すため、平成21年度に作成した工事会社・住宅業界・管理組合向け「デジタル放送受信マニュアル」を活用し、セミナーなどでの利用を図るーとする。Bでは、テレビにLANを接続しやすくする環境の整備、放送事業者が実施するVODの無料コンテンツの周知方法、そして多様なユーザがサービスを享受するためのユーザビリティ調査―について調査・検討を進めるとしている。そしてCでは、各地区特有の受信システムの検討、デジタル受信課題地域や良好な受信システムの構築などに係わる調査などについて、各地区の独自活動の提案に基づき活動を行う―とされている。
 新人事で代表幹事に選出されたJEITAの山本喜寛氏(ソニー)は、「2011年7月24日に向けて、当面の課題に加速した対応が求められている。リパック(チャンネル再編)も急がれるべきだろう。完全移行後も、新しい放送・通信連携サービスと地デジとの干渉問題も浮上してくるのではないか。今後は関係業界間で、きめ細かい精度での情報の共有がカギとなる。委員会の役割もより需要になってくことと思う」と語った。最後に副委員長の香川健二氏(全国電機商業組合連合会副会長)があいさつに立ち、「エコポイント制度が消費者に認知され、省エネ家電への意識がアップしているようだ。確かに薄型テレビ等の出荷台数は増えているが、販売店は厳しい低価格化競争に直面している。一方、街の電器店では、視聴者の方々へデジタル化改修のお願いを精力的に行っているが、一部の高齢の方々やマンションオーナーの方々の理解がなかなか得られずに苦労している。当委員会の講習会などにふるって参加していただくようにできればと思う」と語った。