日本テレビは1日、地上デジタル放送の特徴のひとつ、データ放送でニュース・気象情報などを全国の系列ネット局に配信する「NNS・データ放送配信センター」の運用を開始した。 同センターは、東京キー局が系列ネット局のデータ放送を一括して制作し、全国に配信するもので、他系列も含めて初めての試みとなる。同局では来年末までに全国展開する地上デジタル放送の新しいサービスを推進する牽引車となるよう期待している。 開始に先立ち行われた運用開始式では、黒崎忠男取締役が「必要最小限の経費で他系列局に勝るデータ放送サービスを実施できたことに感謝するとともに、デジタル化に向けてともに発展していきたい」とあいさつした。 同局では、03年12月の地上デジタル放送開始以来、積極的にデータ放送サービスを推進、ニュース・気象情報・番組案内をはじめ、交通情報サービスの「日テレ駅探」などの新サービスを次々と展開してきた。 また、テレビ番組と連動したデータ放送の充実を目指してプロ野球・巨人ナイターの連動データ放送や正月の箱根駅伝中継での連動データ放送も実施している。 同センターは、これら同局のデータ放送を全国の系列各局でも速やかに実現するため、インフラの整備とコンテンツの効率供給を目的に1年の歳月をかけて検討、設立された。 同センターでは、データ放送を一括して制作・配信するが、ローカル情報に関しては、系列ネット局の端末で入力した情報をセンターでデータ放送言語に変換して送り返すという運用で、きめ細かいローカル・サービスを実施する。 センターの創設は、系列ネット局の大幅な経費節約を実現するとともに、地上デジタル放送の効率的な普及に一役買うものとして期待される。また、同センター創設を契機に整備される全国のデータ放送のインフラが、将来のデジタル放送のさまざまなビジネス・チャンスに新たな可能性を開くものと期待されている。
日本テレビが総力を挙げて送る夏の恒例番組「24時間テレビ28『愛は地球を救う』」の概要が発表された。 28回目の今回、メインパーソナリティーはアイドルグループSMAPの草g剛と香取慎吾が、総合司会は第3回から連続の徳光和夫と今回初登場の西尾由佳理同局アナウンサーがそれぞれ務める。 これらのメンバーを中心に、今年の統一テーマ「生きる」に沿ったチャリティー活動を展開する。 福祉活動に加え、昨年から取り組むエコロジー♀動では、2年連続で「富士山をきれいにするプロジェクト」を実施する。7月31日に1000人規模で富士山の不法投棄の一掃にあたる。現在、清掃候補地を選定する調査を学生ボランティアが中心となって行なっている。 同局はエコ活動を積極的に展開しており、6月には国連世界環境デーに合わせて「エコ・ウィークエンド」を開催、番組やイベントを通じてエコロジーを呼びかけるなど24時間テレビの活動のほかにもさまざまな地球環境保護支援を展開している。 また昨年来の取り組みでは、今回も新潟中越地震などの被災地支援を行なう。生活施設や道路などの復旧、ライフラインの修復に募金を役立てる。 そのほかチャリティーマラソン、スポーツ企画、チャリティードラマなど例年通り行なわれる予定。 放送は8月27日(土)午後6時半〜28日(日)午後8時54分までで、今年は放送日の28日が同局の開局記念日に当たっているため、24時間テレビと併せて何らかのイベントが開催されることが期待される。
15〜17日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「ケーブルテレビ2005」において、NHKグループは、「放送開始80周年」と「ケーブルテレビとともに歩みNHK」をアピールした展示を行った。一般来場者に80周年記念番組である「新シルクロード」や「世界遺産の旅」など、同局の魅力ある番組コンテンツを紹介する一方、ケーブルテレビ事業者には、デジタル化を支援するさまざまな技術をPR。訪れる来場者がたえることなく賑わっていた。 1月からの放送開始から、回を重ねるごとに人気が増している「新シルクロード」。そして人類が所持する貴重な財産を美しい映像で伝える「世界遺産の旅」は、今年のNHKの放送を彩るメインコンテンツだ。ブースでは、この2つの番組に加えて、人気の韓国ドラマや、BSで全48作を放送する「寅さん」シリーズを、パネルや映像で紹介した。 ブースのメインディスプレイでは、定期的に「寅さんクイズ」や「MLB(メジャーリーグ)クイズ」を実施。MCのトークが始まると、会場を歩いていた来場者が集まり、問題を聞き入る光景が見られた。中には出題者も舌を巻くほど詳しい人もいて、次々とクイズの賞品を手にしていた。 ケーブル事業者向けコーナーでは、NHKが開発した「TVML(テレビ番組記述言語)によるデジタル伝送」、「拡張ブースター」、「レベルチェッカー」を、初めて展示した。 「拡張ブースターへの事業者の関心が目立った」というのは、NHK営業局・視聴者技術センターの松田隆弘氏。地デジ伝送へ向けた集合住宅受信システムの広帯域化を、既存ブースターに付加するだけで可能とするもので安くて、簡単≠ネのがポイントだ。NHKでは昨年、大分県で導入実験を行い良好な結果を確認。今年になって共同で開発にあたったサン電子から製品化された。 「20世帯程度までの集合住宅向き。価格は5万円以下。取り付けも簡単で、もちろん双方向に対応している」(上新純孝サン電子技術部部長)。 またワープロ文章を打つだけで簡単に番組制作できるTVMLでは、「特にケーブル展用のデモコンテンツをつくりブースで紹介した」(松田氏)とのこと。リアルタイムの番組制作を強調するため、来場者が登場するTVML番組をその場で制作して見せて、ケーブルテレビでも簡単に活用できることをアピール。希望者にはTVMLのデータが入ったCD-Rを配布した。そしてこれからデジタル化する事業者には、ケーブルでの伝送方式も紹介した。
有限責任中間法人日本コミュニティ放送協会(JCBA、東京都港区)は都内ホテルで10日、第4回定時総会終了後に研修会を開催した。 研修会ではコミュニティ放送局、FMながおかと福井街角放送の事例報告が発表された。両局の可聴エリアは昨年、地震などの天災に見舞われており、地域密着が最大の特徴のコミュニティ放送の災害時に果たした役割が明らかになった。 FMながおかは昨年10月の新潟中越地震の際、発生翌日に総務省にFM局初の臨時災害放送局を申請、認可を受け周波数をアップさせたうえで外国語放送や文字多重放送など弱者に向けての放送を混じえた「個に徹した」災害放送を発信し続けた。 放送では要望があれば行方不明者の親族の携帯番号を伝え、安否情報を募る放送で伝言版のような役割から、避難所情報、休校情報、ライフライン情報などを流した。 一方で、災害放送ではCMを流せないため減収となるなどの経験から、災害放送と経営の両立が成り立つような制度の必要を訴えた。さらに同局の脇屋雄介専務は「たまたまFM長岡が災害放送で地域に役立ったが、ラジオ局が被災し、機能しなくなった場合の体制を用意しておかないといけない」と警鐘を鳴らした。 福井街角放送の鳴尾健社長は災害報道の際の心得を展開、「メールの情報は時間差で受信することがある。すでにかん水は収まっているという場合も想定し、必ず裏付けを取ってから放送するように社内に徹底している」とし、緊急時にかかわらず「悪意のない間違った情報ほど怖い」(鳴尾氏)ことをすべての報道関係者に向けて指摘した。 また、地域密着だからこそ「○○川の下流右岸に避難」ではなく「○○商店のある方に避難」などの工夫した表現で報道する必要があるとし、「コミチャンのパーソナリティは全国放送のパーソナリティより高い能力が必要」とパーソナリティの育成もコミチャンの発展にとって必要不可欠であることを説いた。 同局は福井豪雨の際、臨時放送局の申請はしなかったが、災害放送後、CMやイベントが減り収益が出ないなど経営が厳しい状況にあることを報告。このような状況に対し、「資金力で臨時放送局をできる局とできない局がある。(ラジオ局にとって)防災放送は2の次。経営がしっかりしていないといざという時に放送さえできない」としたうえで、同氏らが設立した「災害ラジオ応援基金」がそのような状況を補完する役割を果たす可能性があることを説いた。 両氏の事例報告では災害時の情報発信に、ラジオメディアが有効であることが明らかになった。実際に在京民放ラジオ8社が1月に発表した「災害とラジオに関する調査」では中越地震発生後、被災者が最初に情報を得たメディアはラジオだという回答が71・6%と最も多かった。
NHKでは、陸上競技中継をよりエキサイティングに視聴者に楽しんでもらうため、このほど、「バーチャルCG」「HV(ハイビジョン)ワイヤレス空中走行カメラ」を導入した。「バーチャルCG」では、放送画面上に、トラック競技の記録ラインや、フィールド競技の投てき落下地点が表示され、「HVワイヤレス空中走行カメラ」は、上方からの臨場感あふれるショットを実現させた。NHKは、2日〜5日にかけて総合・BShiで放送された「日本陸上選手権」(国立競技場)で両サービスを初めて導入。躍動感あふれる中継映像をお茶の間に届けた。 「バーチャルCG」は、トラック競技では100〜1000bまで幅広く対応。世界記録、日本記録、世界陸上A標準記録ラインが競技中のトラック内映像に挿入される。写真は5日の女子400bで丹野麻美選手が従来の日本記録を大幅に更新して連覇した時の映像。日本記録ラインが丹野選手の後方に表示されている。 フィールド競技では、室伏広治選手のハンマー投げで採用。放送画面上に投てき着地点、距離などが示された。着地点は制作画面上でマウスをクリックするだけでOK。距離表示は発表された公式データを手動で入力する。「今回はハンマー投げで使ったが、砲丸投げなど他の投てき競技でも技術的には同じ」(NHK広報局)という。 今回の「日本陸上選手権」中継では、上方からの俯瞰ショットもトラック競技などで登場。これには「HVワイヤレス空中走行カメラ」が活躍した。このカメラシステムは、走行・カメラ制御用無線機を内蔵した走行部分と、映像伝送用超小型HV無線機(NHK放送技術研究所が開発)を取り付けたハイビジョンカメラで構成され、最高時速20`bで走行することができる。カメラ操作と走行操作は1台のジョイスティック操作機で可能。 実際の放送では、国立競技場の電光掲示板からトラックをかすめるように2本のピアノ線(直径5_)が200bにわたって)引かれ、カメラは躍動感あふれる選手の疾走をお茶の間に届けた。 NHKでは、スポーツの醍醐味を身近に伝える放送技術の開発を、今後も続けていく方針だという。


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