(社)全日本シーエム放送連盟(ACC、東京都港区、坂田耕理事長)は電通銀座ビル(東京都中央区)で8日、同連盟が1日に発行した「CM制作プロセスマネジメント・ハンドブック」(500円)の説明会を行なった。 同書には、テレビCMの制作過程で広告主・広告会社(広告代理店)・制作会社の3者が果たす役割が示されており、本の内容に沿ってCM制作することでビジネスの透明化、作業の効率化が図れるとしている。 ACCは口頭での作業指示が慣習化しているCM制作工程を改善するため01年には「CM取引ルール」を提案したが、「取引の文書化に主眼を置いた理想的なものを指向しすぎた」(ACC)ため現場で浸透しなかった。 その反省を踏まえ、同書では作業工程の把握に主眼を置いた構成とした。ACC著作権委員長の小竹伸幸氏は「作業工程を理解することでその時々でやるべきことが明確になる」と語る。 同書にはCM制作の流れをオリエンテーションから納品までの6段階に分け、各段階での3者の役割や必要な権利処理などが明記されている。 また「改正下請法」に定められている書面発行の義務に対応できるように、どの段階でどのような書面の発行が必要か、デジタル化での素材のマルチユースを想定した手続きなども盛り込まれている。 同書のプロジェクトメンバー草川衛氏(電通)「(同書を通じて)3者が互いに納得できるビジネスのスタンダードを確立できればよい」とした上で「無駄のない作業工程を確立すればコストと労力をCMの質の向上に転換できる」と説いた。
NHKは19日、アストロデザインと共同でハイビジョンの民生用機器と放送用(プロ用)機器を接続するための変換装置を開発したと発表した。これによって、従来まで困難だった民生用機器で撮影されたハイビジョン映像素材の放送への転用が容易となり、視聴者が撮影した映像を番組で流したり、CATV事業者との番組交換への活用などへと用途が広がることとなった。 ハイビジョン民生用機器と放送用のプロ用機器とでは、デジタル信号のフォーマットや電気的条件などのインターフェースが大きく異なる。そのため、これまでは、民生用機器で撮影されたハイビジョン映像を放送に利用することは困難だった。 今回開発された変換装置は、民生用デジタルハイビジョンカメラなどの機器のIEEE1394信号と、プロ用機器のDVB‐ASI/SPI信号との相互変換を可能としている。このため、民生用カメラで撮影したハイビジョン映像やD‐VHS機器の収録映像を、放送局の伝送装置と組み合わせて素材伝送したり、放送用のMPEG2‐TS信号を、D‐VHSなどの民生用デジタルレコーダーにコピーすることができる。 また、これまでBS・地上デジタル放送でのデータ放送では、制作したコンテンツの確認のためには特別な受信機などが必要だった。しかし、開発した装置を使えば、民生用のデジタル受信機でのコンテンツの確認が可能となるため、コストの削減もできる。 この開発によって、視聴者から提供されたハインビジョン映像や、民生用機器を使用しているCATV事業者の映像を実際の放送に有効活用する道が広がることになった。 NHKでは今後も、民生用機器の放送への積極的な転用を見据え技術開発を行っていく方針だ。 IEEE1394 デジタルビデオカメラの外部出力(DV)端子に採用されているSCSI規格。@LINK、FireWireとも呼ばれる。 DVB‐ASI DVB(欧州のデジタル放送標準化団体)の標準映像インターフェースで、MPEG‐2TS信号を伝送する信号形式。
NHKアイテックはこのほど、ケーブルテレビ(CATV)自主放送チャンネル向けに、「緊急情報テロップ送出システム」を開発。現在、中国地方のCATV局で導入され、運用が始まっている。このシステムは、防災情報などの緊急情報テロップ(文字スーパー)を簡単かつ安価に制作して表示させるもので、少人数で運用できるのが特長。6月15〜17日にかけて東京ビッグサイトで開催された「ケーブルテレビ2005」にも出展(NHKグループブース)され、事業者の注目を集めた。 送出システムの基本システムは図に示した通り。ビデオテロッパーには、日本ビクター製の高画質ビデオテロッパー「ISIS」を使用。 応用システムでは、静止画情報の送出機能と、消防署からの火災情報リモートテロップ機能を追加。TCP/IP通信またはメールでテロップデータを転送し、サーバーで受け取ったデータはCATV画面に直接表示させることが可能だ。またWAV形式のサウンドデータを利用して効果音も出すことができるほか、定型文を事前登録して操作を簡素化させたり、Power Pointで作成したコンテンツを任意の時間に送出することもできる(「パワーポイント・コントローラー」)。 現在、「ひらたCATV」(島根県平田市)、「アイ・キャン」(山口県岩国市)が導入し、今月から運用開始。「テロップ入力操作が簡単でわかりやすい」「デジタルにもアナログにも対応しているのが便利」(「ひらたCATV」)。「導入コストが安い」「任意の音を合成できるので視聴者に対してインパクトがある」(「アイ・キャン」)などの評価を得ている。 開発担当者によると「『ISIS』は文字数の制限などがあり、文字列の処理が大変だった」という。さらに技術上の課題として、「メールでテロップを出す場合、予期せぬ文字が送られた場合の処理が課題。本文解析機能も必要だと感じる」「OSのセキュリティ機能によっては、ネットワークの接続断が発生するケースがあるのも問題」と話している。 そして今後については、「消防署向けに、スイッチを押すだけでテロップが出せる機能を付加したり、大規模防災メール配信システム、防災メール配信ユーザー管理システムの構築なども行いたい」としている。
小学校の授業で放送体験が出来る―。NHKは今年から、小学生を対象に、放送局の仕事をより理解してもらうために「出前授業」を実施している。授業では職員が各地の小学校を訪問して放送の仕組みをわかりやすく講義するほか、カメラなどのプロの機材に触れてもらい、子どもたちに絵も撮影してもらうというもの。今回の活動についてNHKでは、同局の社会奉仕活動や職業意識の形成を促進するキャリア教育の一環とし、小学生に放送局の仕事や公共放送の役割を正しく理解してもらうことを目指している。 NHKの橋本元一会長は定例会見で、「いかに視聴者の方々と結びつきを持つかという工夫の一つとして、放送技術局が中心となって出前授業を始めた。小学校5年生の社会科のカリキュラムに連動した活動で、(視聴者と触れ合うために)放送技術局の職員として何ができるかを考えてもらった」と話し、普段視聴者と触れ合う機会の少ない技術部門からの提案で始められたことを明らかにした。 最近では6月14日、16日に世田谷区経堂小学校、6月28,日に北区聖学院小学校、今月5日に新宿区立落合第六小学校で開催された。経堂小学校での出前授業では、技術職員3人が各クラスを訪問し、パソコン教材やビデオを使って放送局の仕事やテレビの映る仕組みを分りやすく説明。10分あまりのビデオやニュース映像で放送局で働く人たちの役割を紹介し、ニュースや番組ができる過程を学習してもらった。また生徒全員がカメラマン体験をした。 授業を受けた児童たちの反応は、「とっても楽しかった」「また来てほしい」から、「大人になったらNHKに入ってみたい」という意見まであり好評。一方、父兄や学校関係者からも、「分りやすい授業でこれからも続けてほしい」(授業参観に来ていた保護者)、「子どもたちに飽きさせないように工夫されていて、教員も見習うところがある」(校長先生)と評価された。 NHKでは今年度、50程度の開催を予定しているという。
| 05年6月更新分 | 05年8月更新分 |