9月21〜24日、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で行われた「A&Vフェスタ2005」(主催・日本オーディオ協会)。今回は、NHK、モバイル放送梶ADRP(デジタルラジオ推進協会)などが出展し、最先端の音響技術や、デジタル放送サービスなどを来場者に向けて紹介した。 期間中、アネックスホールで開催されたスペシャルセミナー「最前線の立体音響」では、NHK放送技術研究所の濱崎公男氏を招いて、同研究所が研究を進めている“高品質ライブ音場再現方式”が紹介された。これは「音楽をセグメントに分解して再生するという世界でも類を見ない試み」(濱崎氏)。収録には48本のマイクが使用され、会場では24本のスピーカーで「第九」などがリアルに再現された。クラシック専用ホールでの演奏をほうふつさせる高臨場感での再現は、立ち見(聴き?)も出たほど集まったクラシックファンたちをうならせた。 またNHKは、日本オーディオ協会との共同ブースで、「超広帯域マイクロホン」(三研マイクロホン鰍ニの共同開発)も展示。これは人間の可聴域を大幅に超える高い周波数成分を含む音響信号が聴覚に与える影響を研究するために開発されたもので、周波数100kHzまで高音質で楽音などを収音することができる。ブースでは説明員が来場者に実演しながら特長を紹介した。 昨年10月から本放送が始まったモバイル放送(モバHO!)ブースは、特にPRに力を入れていた。映像、音声、データ放送各チャンネルのラインアップを紹介する傍ら、現在発売中の最新鋭端末やノートパソコン用PCカードチューナーを展示。 また昨年に引き続き車載受信端末レシーバーを備え付けたデモ展示車も用意。高級カーオーディオと接続すれば、より高品質な音を楽しむこともできるようになり、実際に乗車して自分の耳で確認する来場者の姿が目立った。 現在モバイル放送は主要道路の95lで視聴可能。トンネルへのギャップフィラー(再送信装置)の設置も進められており、エリア拡大が急ピッチで行われている。パネルではこうした点も来場者にPR。さらにバス、航空機(来年から)への導入状況、漁業や防災への活用まで、細かく説明されていた。 一方、DRPブースでは試作端末による体感視聴に力を入れていた。現在、東京・大阪で試験放送中のデジタルラジオ放送は、CD並みの高音質と、文字、静止画、簡易動画によるデータ放送が最大の魅力。PCカード型、PDA型、そしてDRPの3タイプの試作機が展示され、来場者が自由に操作して放送を楽しめるようになっていた。さらに今回は、新たにデジタルオーディオプレーヤーに搭載した試作機も出品され、視聴も可能となっていた。 また昨年に続いて3セグメント放送「Digital Radio 98 The Voice」(TOKYO FM、ニッポン放送、JFNCが共同運営)が、デジタルラジオ初の5・1chサラウンド番組「トリオ・リベルタ・プレイズ・ピアソラ」の体感視聴コーナーを公開。臨場感あふれるタンゴの名曲のライブ収録に耳を傾けるファンの姿も目についた。
NHKは20日、視聴者の信頼回復と公共放送の使命遂行へ向けた改革・再生を示す「新生プラン」を発表した。プランは、「視聴者第一主義に立って“NHKだからできる”放送を追求する」「組織・業務の大幅な改革、スリム化を推進する」「受信料の公平負担に全力で取り組む」の3本が大きな柱となっている。NHKでは、この「新生プラン」をもとに、来年1月に、平成18年度〜20年度の経営ビジョンを公表する。 プランの発表にあたって橋本元一会長は会見を行い、「(NHKの再生には)奉仕の精神と公金意識の回復が重要」とし、“視聴者本位”の考えでプランを作成した旨を語った。 (視聴者第一主義) 緊急報道、福祉番組、地域密着型番組など公共放送ならではの番組を充実させるほか、視聴者が求める番組作りにも力を入れていく点を強調。またデジタル技術を活用した新しいサービスの提供もうたわれている。 (組織・業務の改革、スリム化) 部局の統廃合、管理部門の縮小をはじめ、全部門にわたって業務改革を推進し、経費削減を図ることを明記。そのため放送設備の整備計画や教育テレビ、BShiでの24時間放送が見直される。さらに3年間をかけて、全職員の10%にあたる1200人を削減。またこうした改革はNHKの関連団体でも歩調を合わせて実施される。 その一方、番組制作に競争原理を導入。外部の制作者と企画・制作を競い合うシステムとし、番組の質的向上と組織の活性化も促す。 (受信料の公平負担) 支払っている世帯の不平等感を是正するための施策を盛り込んでいる。単身赴任者や学生に向けた割引制度や、口座振替世帯などへの優遇措置が検討・実施されることになる。 逆に、未払い・未契約世帯に対しては、場合によっては、民事手続きによる支払い督促の活用も検討の対象とする―としている。 NHKでは、昨年の不正経理問題に端を発した一連の不祥事と、その後の対応の影響で受信料の 不払いが増加の一途を辿っている。今回発表された最新の数字によると、9月末時点での支払い拒否・保留件数は約130万件に達している。 橋本会長は、「『新生プラン』をもとに作られる経営計画には、3年間の受信料収入の見通しも踏まえた上で、“新生NHK”に向けた経営方針と具体的な計画を盛り込む」と今後の展望を示している。
tvk(テレビ神奈川)は、1日からデータ放送画面に詳細な地図を表示する「地図情報サービス」を開始した。「地図情報サービス」は、デジタルテレビ放送(地デジ)のデータ放送サービスの一環で、大日本印刷、ゼンリンデータコムと共同で展開する。当面は災害発生時の避難拠点の地図を県内の市区町村ごとに画面上に表示する。 地デジのデータ放送サービスでは、通常、電波で送信するカルーセル方式を利用しているが、このサービスではデータ量の大きい地図情報を扱うため、大容量の情報のやり取りが可能なインターネット経由の通信機能を利用する。デジタル放送受信機(テレビかチューナー)をインターネットに接続すれば利用できる。 インターネット経由でのデータ放送はNHKが「NHKデータオンライン」で既に実施しているが、民放局では先駆けとなる。 視聴者がリモコン操作で地図表示を要求すると、インターネット経由で地図サーバーに接続され、詳細地図が送り返されてくる。地図は縮尺の変更や中心点の移動が可能で、QRコード生成機能も搭載されている。 地図の表示後、下方に表記されている「携帯で見る」というボタンを押せばQRコードが表われる。QRコードを読み取れる携帯電話で読みアドレスを取得、そこにアクセスすれば画面に表示された地図と同じ地図を携帯電話に取り込んで持ち歩くことができる。 地図は緯度と経度からどのような地点≠表示することもできるため、今後は観光スポットやイベント会場の案内など、他のデータ放送サービスとの連携も視野に入れて充実を図っていく計画。 tvkのデータ放送は、神奈川県と県内全市町村が独自ページを使って情報発信する「わがまち情報」のほか、休日夜間の医療機関情報、観光スポットなど県民に役立つ情報発信を展開している。 避難拠点の地図情報は、地震や台風など災害に備え日ごろからの心構えを掲載している「いざという時」というカテゴリーに追加される。 同社では「この地図情報サービスで何かあったらどこへ避難すればいいか≠家族で確認するなど、日ごろの備えの一環として役立てて欲しい」としている。

日本テレビは19日、茨城県沖地震の発生に対し、同日、運用体制が整ったばかりの地上デジタル放送の新災害情報データ放送の運用を初めて実施した。地震発生後、約30分でデータ放送を災害対応モードに切り替え、午後9時21分―同11時32分まで放送した。 日テレは、これまでも災害に関するデータ放送を流していたが、一般ニュースのうちの1項目としての位置付けだったため、キメ細かい情報が提供できなかった。 今回実施したデータ放送は、災害情報に特化したデータ放送で、従来よりも詳細な文字情報が提供できる。 具体的には▽交通情報(路線毎の運行状況)▽災害状況(関東エリアの各都県ごとの被害状況)▽生活情報(電力・ガス・電話などライフラインの状況)――などの情報が提供される。これらの情報は、リアルタイムで更新され、仮に通常の放送で見逃してしまった場合でも、欲しい情報が検索できるようになっており、視聴者の混乱を招く恐れがないよう考慮されている。 そのほかにも、「防災メモ」として、災害時の心得や便利情報などを閲覧できるよう工夫されている。 このデータ放送は関東圏が対象だが、日テレは6月にデータ放送のうちニュース・気象情報などを全国の系列ネット局に配信する「NNS・データ放送配信センター」の運用を開始しており、同センターを通じて、全国に配信することへの期待も高まっているという。
| 05年8月更新分 | 05年10月更新分 |