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「震災対策技術展」横浜レポート

2022412日】

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地デジ放送を用いた水蒸気量観測装置を展示(NICT)

第26回「震災対策技術展」横浜/第13回「振動技術展」が2月3日(木)~4日(金)にパシフィコ横浜Dホール(横浜市西区みなとみらい1―1―1)にて開催された。同会場では最新の災害対策・感染症対策製品の展示をはじめ、同時開催されたセミナーでは、南海トラフ地震・首都直下地震等、地震対策をはじめ、静岡県熱海市の土砂災害の検証他、水害・台風対策、マンション防災、BCP策定支援、横浜市のSDGsの取り組み等、2日間で、63セッションのセミナーを開催した。
 同時開催は第2回「防災食品展」/災害アプリ体験コーナー/自治体ハザードマップ配布コーナー/防災グッズ展示コーナー/災害対策セミナー・出展者プレゼンテーション。
 年明けから、トンガの大規模な噴火による津波や、大分県や宮崎県で最大震度5強の地震が発生、また40年以内に「90%程度」発生が予測される南海トラフ巨大地震への対策を強化しなくてはいけない状況であり、その他、首都直下地震や日本海溝・千島海溝地震、宮城県沖地震等、リスクの高い地震の発生も迫っている状況だ。
  日々の備えを充実させ、来る巨大地震への「減災」を進めるためにも、また2年前から続く新型コロナウイルス感染症と自然災害との「複合災害」への対応を充実させるためにも、BCP対策の推進、防災備蓄の見直し等に役立つ展示会となった。
 なお、第9回「震災対策技術展」大阪は、6月15日(水)~16日(木)にマイドームおおさか(大阪市中央区本町橋2番5号)で開催される。
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、気象予測の精度向上に向けて地上デジタル放送波を利用した観測システムの展開状況、技術試験衛星9号機を用いた災害時通信の研究開発の状況、災害時に機能する分散型ネットワーク基盤や被災対応支援システムについての研究成果を紹介した。主な展示内容は▽気象災害の予報精度向上に向けて (地デジ放送波を用いた水蒸気量観測について、装置を含めた紹介)▽災害時に役立つ衛星通信システム (ETS―9を用いた災害時衛星通信の紹介)▽世界をレジリエントにするICT (防災チャットボットSOCDA、ダイハードネットワーク、映像IoT技術による耐災害システムの紹介) ▽NICT等研究紹介コーナー。
 NICTなどは、ゲリラ豪雨など局所的で激しい気象現象の防災・減災を目的に、地上デジタル放送波を用いた水蒸気量推定の手法を開発。この『地上デジタル放送波を利用した水蒸気量推定』を紹介した。地上デジタル放送波が水蒸気(気象レーダーで見える前の気体の水)中を伝搬するときのわずかな遅延量をピコ秒(1兆分の1秒)の高精度で測定する装置を開発し、水蒸気量を広範囲で効率的に観測可能になった。大気中の水蒸気は凝結して雲粒になり、大きく成長し雨粒になると、雨となって地上に落ちてくる。この水蒸気の分布を正確に知ることが天気予報の改善につながり、降る場所と時間の予測が困難なゲリラ豪雨の予測精度の向上が期待できる。
 ここでは日本アンテナがNICTと協力し、屋外用「地デジ放送を用いた水蒸気量観測』装置を開発。これまでのソフトウェア無線デバイスとPCによる信号処理をハードウェア化し、観測の安定性・信頼性が向上すると共にメンテナンスフリーにより効率性が大きく向上した。震災対策技術展ではこの屋外観測装置を展示した。地上デジタル放送波を利用した反射法による水蒸気量推定では、送信鉄塔からの直達波と同時に、反射体からの反射波を同時に受信することで、送信局・観測地点の受信装置での発生する位相雑音をキャンセルし、高精度(ピコ秒オーダー)で伝搬遅延を測定する。展示では、上側に反射波用のアンテナ、下側に直達波用のアンテナを用いる場合の屋外観測装置の設置例を展示した。ポールの中心部には地デジ放送を用いた水蒸気観測装置が付けられている。この装置では同時に4chの地上デジタル放送波の受信が可能だ。同じ方向のアンテナの信号を分配し受信することも、異なる方向を指向した複数のアンテナの信号を受信することも可能だ。
 『防災チャットボットSOCDA(ソクダ)を用いた災害時の被災者対応支援システム』の目的は、AIを備えたソクダが人間の代わりに大勢の被災者と自動的にLINEで対話をし、被災情報収集・分析や避難支援を行う。期待される効果は、避難所の状況や一人ひとりの健康状態などを把握。さらに適切な避難行動を支援する。
 『レジリエント自然環境計測プロジェクト 映像IoT技術による高品質映像伝送』は、どんな通信環境においても高品質な映像をリアルタイムで定常的に送ることができれば、鳥の目(高所に)、魚の目(可搬で任意の所に)、虫の目(数多くの定点に)の視点で、自然環境のモニタリングや地域の見守りが可能になる。これを実現するための映像IoTの技術、並びにAI連携のインテリジェント映像について紹介した。カメラの目線に合わせて鳥の目カメラ(高所カメラ)、魚の目カメラ(可動カメラ)、虫の目カメラ(定点カメラ)の役割を紹介した。鳥の目カメラは高解像度カメラによる高所からの俯瞰的映像伝送、パンチチルトズームによる遠隔オペレーションを行う。魚の目カメラは可搬型カメラ(手持ち)による任意の場所からの映像伝送を行う。虫の目カメラは安価なカメラの多数点設置による域内映像伝送の網羅性が向上した。鳥の目カメラは河川監視、火山噴火、火災探知に、虫の目カメラは交通モニタリング、農業向け。魚の目カメラは河川氾濫、火山、牛の出産―に役立つ。『レジリエント自然環境計測プロジェクト 自然環境計測技術体験』であ、2022年1月15日トンガ大規模火山の噴煙映像を即日報道機関に提供したことを紹介した。報道機関のクレジットでは『海面から噴煙が姿を表したのは15日午前4時ごろ(世界標準時)で、その後2時間足らずで半径数百キロの規模まで拡大した。情報通信研究機構(NICT)と、米海洋大気局(NOAA)の静止衛星GOES―17の画像を基に作成した』などと紹介されている。鳥の目カメラ…等一連の映像デバイスのひとつ『ひまわりリアルタイム』がとらえた噴火現象の可視光、長波長赤外(夜間)映像を提供した。ひまわりリアルタイムWebはNPO太陽放射コンソーシアムの協力により実験的運用を行っているひまわり衛星画像のリアルタイム配信システム。ひまわりリアルタイムWebの安定運用実験のため、NICT、京都大学、千葉大学はL2VPN網を活用した負荷分散システムを構築し、実運用実験を開始したもの。
 NICTと国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研、NIED)、国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府相楽郡精華町〈けいはんな学研都市〉)は、『「ダイハードネットワーク」レジリエントな情報通信基盤を目指して/「ダイハードネットワーク」の適用例』を紹介した。「ダイハードネットワーク」とは、様々な手段を駆使し、切れにくく、しぶとく生き残り続けるネットワークシステムのこと。たとえ通信が途切れても通信装置を持ち運ぶことで情報を自動共有、装置単体でも継続利用が可能だ。その装置でダイハードネットワークノード(SIP4D代行機能)、LACS(SIP4D活用システム)の筐体を展示した。SIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第1期で開発した先進的情報基盤。現場と各機関をつなぐ「パイプライン」を実現し、国全体としての災害対応の効果最大化につながる。大規模災害時、通信途絶環境下でも使える可搬型ローカル通信システム「LACS」は電話もインターネットも使えない状況下で、近隣の人同士で連絡を取り合ったり情報を共有するための簡易な通信ツール。大規模災害時だけでなく、イベント時などローカルな通信需要が急増する様々な場面での活用が期待される。LACSは小型コンピュータ、バッテリー、無線LAN(Wi―Fi)装置を可搬型ケースに収容した通信システム。LACSとダイハードネットワークノードは、イーサネットもしくはWi―Fiで接続されている。特性の異なる様々な通信技術を組み合わせることで通信環境に応じてアプリケーションサービスを制御し、たとえ通信が途切れても通信装置を持ち運ぶことで認証を含む接近時高速通信・データ同期により情報の自動共有でき、更にアプリケーションサービスは装置単体でも継続利用可能だ。
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 NHKテクノロジーズは、「未来への記憶 ~震災3DによるCSR活動について~」で「東日本大震災 津波の傷跡」として、2011年3月11日の発災以降の被災地を定点観測的に3Dで記録している。展示会では来場者がその映像を3Dメガネで観賞していた。「未来への記憶」のねらいは、被災地の〝いま〟を、定点観測的に継続して3D撮影し、発災から現在に至るまで、どのように故郷の風景が変わってきたかを記録として残すことで、災害を経験していない子や孫、さらにはその先の世代にも、この災害とその後を〝体感〟してもらい、防災・減災意識の醸成につなげてもらえるよう、活動を続けている。紹介した「東日本大震災 津波の傷跡2020」を一部紹介すると「宮城県・南三陸町」は、阪神・淡路大震災を教訓に整備された3階建ての防災対策庁舎を越える大津波が町を襲い、多くの人々が犠牲になった。2017年かさ上げ工事が終わった旧庁舎の周辺には商店街が戻り、2020年には震災復興祈念公園が整備された―という内容。
 「岩手県・陸前高田市」は、大規模かさ上げ工事が終わり、整地された高台にはショッピングセンターや市民会館が建ち、暮らしが戻ってきた。かつて町の誇りだった松原周辺の整備も進み、新たな防潮堤が完成。東日本大震災津波伝承館が整備され〝記憶〟を伝えている―という内容。
 「宮城県・気仙沼市」は、2019年気仙沼大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋が完成。三陸自動車道の工事が大詰めを迎え、人や物の流れが大きく変わろうとしている。お店も再建され、暮らしも大分戻ってきたが、いまだ帰らぬ人々に思いを寄せる多くの人がいる―という内容。
 「岩手県・宮古市田老地区」は、津波に備え建設された二重の防潮堤。想定を大幅に超える大津波で破壊され、町は大きな被害を受けた。住宅は高台に移転し、浸水した地域は商業地区として整備が進み、新たな防潮堤が建つ。津波の〝記憶〟を後世に伝える取り組みが続く―という内容。
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 フォーラムエイトは、出展テーマを「デジタル田園都市構想 ~デジタルツインを可視化するVRCGソフトとF8VPS、震災対策を支援するUC―1、FEM、3D・VRソフト~」として、次の内容の出展を行った。
 〈3DVRシミュレーション UC―win/Road適用事例〉では、VRによる災害シーン作成及び洪水シミュレーションの解析データ表示(国家災害防救科技センター)、交通シミュレーション解析による土砂運搬計画(前田建設工業)を紹介した。
 同社は、デジタルシティ、デジタルガーデンシティの構築を支援するデジタルツイン技術、VRCGソフトツール、開発環境の提供、システムサービスと技術サービスの提供により実現基盤を短期間で構築支援する。
 防災・レジリエンス先行型ソリューションの提供で、国土強靭化に資する耐震構造、津波、洪水対策等のデジタルによる強靭化の強力な推進とデジタル多様化する災害時の対応に最適なサービスやデータ連携基盤の設計から、緊急時に強い生活サービスの改善・再設計を目指す。
  防災対策(地震/津波/河川氾濫/土石流)では、UC―win/Roadを活用した各種シミュレーションを見せた。外部ソフトの解析結果をVRで可視化する。
 地震シミュレータは、VR上で建物内の地震の揺れをシミュレーション。VRモーションシート・HMDと連携し地震体験ができるシステム構築も可能だ。VR上で建物内の地震による揺れの状況をシミュレーション。VRモーションシート・HMDを連携することでより没入感のある地震対策ができるシステムの構築が可能だ。
 3次元リアルタイム・バーチャルリアリティソフト「UC―win/Road Ver.15」は、各種プロジェクトの3次元大規模空間を簡単なPC操作で作成でき、多様なリアルタイム・シミュレーションが行える先進のソフトウェア。柔軟な開発環境、高度なシステム開発に適用できる。具体的には、大規模な空間をリアルタイムに表示。64bitネイティブ対応。1㌢㍍のサイコロも数百㌔㍍の道路構造も同空間で作成可能。広大な地形や高精細かつ多数のモデルもスムーズに処理し、LOD機能も動的表示をサポートする。標準データ/オープンデータ/CADデータの活用可能。Visual Options Toolによる各種表示が可能。道路障害による交通シミュレーションも可能だ。ここでは、リアルタイムでの時間、天候、ライトなどの制御や、フェイクライト機能による昼夜間表現、影の投影も可能。交通量、車輌プロファイル、信号処理に基づく交通流生成や災害、事故による道路通行障害もシミュレートが行える。
 3Dデジタルシティ・国土強靭化ソリューションで様々なソリューションを紹介した。
 除雪シミュレータは、NEXCO中日本グループと共同開発「車両操作シミュレータ」を見せた。
 3DVR浸水ハザードマップサービスは、浸水・氾濫、避難・交通などの解析結果と連携した3DVRシミュレーションによる浸水ハザードマップを構築・提供する。平面のマップから3DVRを構築し、同社の浸水氾濫・津波などの高精度なリアルタイムシミュレーションと連携して可視化することで、わかりやすい避難誘導説明が実現し、防災教育や避難訓練などで有効に活用できる。
 BCP支援webシステムは、被災時に、社員の配置を倒壊危険や火災危険度、地震リスクなどのハザードマップと重ね合わせて地図上で確認、緊急時の配置計画に利用可能だ。
 そして、〈DX時代の切り札、IT企業への経営革新に!〉に役立つ「F8VPS」(フォーラムエイトバーチャルプラットフォームシステム)は、あらゆる空間のバーチャルシステムを構築、現実世界同様のコミュニケーションを実現する。業界最先端の技術によって、ユーザーのオープンプラットフォーム化を強力に推進する。最小限のコストで、クラウド上での開発・背景から、テレワーク、商品PR・広報まで、DX時代に必須のバーチャルプラットフォームシステムを構築する。導入事例として国土交通省国土技術政策総合研究所(国総合研)の「VR国総研」がある。国総研旭庁舎の空間全体を再現。官民連携によるインフラDX推進のための研究開発のみならず、企画・広報のプラットフォームとしても広く活用可能なシステムだ。
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 ビット・パークは、第26回「震災対策技術展」横浜に出展し、避難所や防災庫の鍵を保管するボックスを、緊急時にパソコンやスパートフォンからリモート解錠できる「ココBOX」をメインに展示した。その他、避難所運営で課題となるトイレ問題を解決する移動式「バイオトイレカー」を模型展示にて紹介した。
 遠隔操作ができる自動解錠ボックス「ココBOX」は、災害発生時に避難所指定された公共施設、学校の体育館などの入口付近に設置、重要避難施設の鍵を収容する。災害発生時には遠隔操作で「ココBOX」を解錠できるので、各避難所の鍵を安全かつ即時に開けることができる。端末と自治体などの管理センター間は『常時監視』され、停電時は電池駆動により6時間以上動作する。「ココBOX」と同社のデータセンター間とはドコモ社携帯網によるデータ通信を行っている。データセンターとインターネットで自治体などの管理センターやクライアント端末と結ばれる。管理センタでは、位置情報と解錠情報をWEB上に表示する。複数の設置ポイントも一元管理して、解錠・施錠情報と連動しているので、これらの動作確認が行えるのが魅力だ。
 製品特長は次の通り。
 ▽遠隔操作可能=パソコンやスマホ、タブレットから遠隔で解錠▽専用回線不要=設置したその日から利用可能▽簡単設置=重さ約2㌔㌘でどこにでも簡単に設置可能▽定期監視機能=定期的に「ココBOX」が確認信号を送信し、正常性の確認が可能▽一括解錠機能=管理画面上からすべての「ココBOX」の一括解錠が可能▽開錠確認機能=解錠信号を受信した「ココBOX」が開錠されたことを確認通知信号で送信可能▽雨雲レーダー連動(オプション)=管理画面上に雨雲レーダーの情報を表示可能▽振動検知で自動解錠(設定震度の変更可能)=強い地震を検知すると自動で開錠できるモードを標準搭載。
 ビット・パークが取次店となっている優成サービス(神奈川県海老名市)は移動式「福祉バイオトイレカー」、深紫外線UVC―LED空間殺菌装置「モバキル V―TypeD」を紹介した。
 優成サービスが販売・レンタルしている日本初の公道を走行できる自己完結型「福祉バイオトイレカー」は、避難所や工事現場、障がい者イベントですでに数多く利用されている。特長は▽公道を走行できる▽水を使わず「おがくず」で処理できる(おがくずは有機堆肥として再利用)▽冷暖房完備▽車いすに対応、車椅子用パワーリフト搭載(荷重量300㌔㌘)▽おむつ替えシート・ベビーチェア完備▽救急セットやAED、緊急用呼び出しボタン完備▽屋根には太陽光パネル付き、発電機を搭載(トイレのおがくず熱処理に使用)▽災害時の避難所、復旧作業現場でも活躍。搭載設備(3㌧車の場合)は障害者用トイレ1基(80回/日利用可)、健常者用トイレ1基、シャワー室1基、冷暖房、昇降用リフト。
 同社は「道路工事現場でトイレが無くて困っていた社員のために、『臭わない・水を使わない・冷暖房完備』移動式トイレを開発した。障がい者の方・高齢者の方が、気軽に屋外イベント等に参加するには、まずトイレの心配がないこと。そんな全員参加型社会に貢献していく。災害時は断水、すぐにトイレで困ります。そんな場面でぜひ活用してほしい」としている。
 優成サービスの「モバキル V―TypeD」は、同製品は対面会議や飲食店などのテーブルに設置し深紫外線C波を照射することで空間ウイルスを殺菌できるモバイル式の殺菌カーテン装置。コロナウイルス感染を予防するとされる軽量・簡単操作の装置。深紫外線(UCV―LED)は直視すると人体に悪影響を及ぼすが、赤外線センサーを合わせて実装することで安全性を向上させた。人の有無を赤外線検知し、人が離れると紫外線を空間照射。光でエアゾル内のウイルス殺菌するため、消毒しにくい隙間や壁なども簡単に殺菌できる。紫外線のカーテンでウイルスを短期間で不活性化するとみられており感染拡大阻止に役立つ。マイティ・テクノロジー(神奈川県厚木市)との共同開発品。
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 中央開発は、同社独自技術の「感太郎」「観測王」などの技術紹介/展示を行った。
 いち早く斜面の危険を察知する斜面崩壊感知センサー「感太郎」に注目だ。自然及び人工斜面は、緩みやすべり等を要因として、徐々に傾斜変動していく。「感太郎」は、この
傾斜変動を捉えることを目的として開発された傾斜センサー(計測機器)。従来の計測機器と比較して、設置の簡素化と多点化が可能になり、自動監視システムとの組み合わせによって、斜面災害に対する迅速な情報提供を可能にする。地上に無線モジュールを建て、地中に固定治具を利用してセンサーモジュールを埋設して設置する。センサーモジュールに内蔵された傾斜計によって、急激な傾斜角度の累積や、傾斜角速度の増加といった変動の前兆を把握し、警戒・避難等の評価を行う。災害予知を感知し防災減災の実現につなげる。
 同社監視システム「観測王」は、現地の計測機器から自動的に伝送されるデータを同社のサーバ上でグラフ化し、インターネットを介して配信するとともに、現地計測機器を遠隔地から制御することができるシステム(双方向の監視・制御)。「感太郎」を「観測王」と組み合わせることで、リアルタイム遠隔自動監視が実現でき、最大3段階に分けて警報メールを配信することができる。
 「感太郎」の崩壊および不安定化の実績に基づき、「傾斜角速度」と「崩壊までの時間または再安定までの残余時間」との関係に着目し、警戒レベル1~3の管理基準値(しきい値)を作成し推奨している。同社推奨の管理基準値に基づき、道路を通行止めにした実績がある。

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