情報・通信

NICT、SecHack365成果発表会を開催

2019312日】

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挨拶する佐藤副大臣

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、3月8日にアキバ・スクウェア(東京都千代田区)で、NICTナショナルサイバートレーニングセンターのセキュリティイノベーター育成プログラムである「SecHack365」(セックハック365)成果発表会を開催した。プレゼンテーション、デモ発表、ポスターセッション、修了式を開いた。平成30年度SecHack365に参加したトレーニー46人が、約1年をかけて取り組んだプロジェクトや作品を発表した。またその中から特に優れた作品6点をプレゼンテーションを交えて紹介した。作品ごとにトレーニーが直接説明する、ポスターやデモの展示エリアも設けた。
 SeckHack365は1年を通して、25歳以下を対象に、若手セキュリティイノベーターを発掘、育成する取り組み。具体的には、NICTのナショナルサイバートレーニングセンターでは、未来のサイバーセキュリティ研究者・起業家の創出に向けて、若手を対象に、セキュリティ関連技術の研究・開発を一年間をかけて本格的に指導するプログラム「SecHack365」を平成29年度から開講している。集合イベント及び通年の遠隔開発実習を行っている。今回の成果発表会では平成30年度に参加した学生達が作品を発表した。
 冒頭、NICTナショナルサイバートレーニングセンターの衛藤将史氏が概要説明を行った。衛藤氏は「NICTナショナルサイバートレーニングセンターは、情報通信分野を専門とするわが国唯一の公的研究機関である。NICTの技術的知見、研究成果、研究施設等を最大限に活用し、実践的なサイバートレーニングを企画・推進している。具体的には、セキュリティオペレーター(実践的運用者)の育成、セキュリティーイノベーター(革新的研究・開発者)の育成を行っている。『SecHack365』とは、セキュリティマインドを有した創造的人材の育成を目的とした25歳以下の若手対象の長期ハッカソンである。今年の『SecHack365』では、モノづくりへのアプローチ・開発等の進め方の差異に合わせて表現駆動コース、思索駆動コース、開発駆動コースの3つのコースを設置した。345件の応募があって、受講決定数は50件。参加者の年齢は12歳から24歳。男性46人、女性4人だった。所属分布では大学院生が全体の22%。大学が40%、社会人が12%、高等学校、高等専門学校がそれぞれ10%だった」と概要を述べた。
 佐藤ゆかり総務副大臣が挨拶を行った。「サイバーセキュリティ人材の育成がますます重要になっている。本日はこうしたこれからのわが国を背負って立つ将来有望な若手の皆さんの成果が見られるということで、楽しみにしていた。46名のトレーニーの皆さん、この1年間、おつかれさまでした。トレーナーの皆さんの指導や全国各地の集合イベントを通じて、皆さんのアイデアを具体的な形にするために一所懸命に取り組んだと思う。同じ志を持った仲間たちと一緒に取り組んだ経験は何事にも変えがたいと思う。今後の貴重な経験になる。トレーナーの皆さんもほんとうにご苦労様でした。展示などを見て、皆さんのアイデアを形にする際、技術的な側面からではなく、世の中で実際に使われるためにはどのような課題を解決しなければいけないのか、こういった視点から検討された様子がよく伝わった。トレーニーの皆さんには1年間の取り組みを通じてセキュリティマインドを持って新たな製品・サービスを作り出すセキュリティイノベーターの第一歩を踏み出された。今回の経験をステップにしてさらに大きな世界へ羽ばたいてほしい。皆さんのさらなる飛躍を期待している」と述べた。
 佐藤副大臣は徳田英幸NICT理事長らと展示エリアを視察した。
 優秀作品のプレゼンテーションが行われた。優秀作品は次の通り(敬称略、順不同)。▽組込み向けハイパーバイザを用いたCPU命令疑似拡張によるセキュリティ機能の開発(朱義文)▽プライバシーに配慮したTwitterクライアント〝PEACE〟~安心・安全なSNSを目指して~(臼崎翔太郎、片山源太郎、平田秀平、安浪涼花)▽ExGDB ―GDBを用いた動的なバイナリ解析の効率化―(宮川大星)▽QEMUによる自動バイナリ防御機構の開発(宮口誠)▽CanSatをはじめよう(山本悠介)▽マイナンバーカードで描くCivicTechの未来~Webで使える認証機構を作ってみた~(藤田優貴)。このほか、33の作品展示があった。
 また、トレーナーによるパネルディスカッションを行われた。
 続いて修了証書授与が行われた。
 閉会挨拶を門脇直人NICT理事が行った。「この『SecHack365』は文字通り365日、モノづくりを行っていくという、たぶん、こういう期間で行うプログラムはないと思うが、お互いに切磋琢磨しながらあるいは協力しながら成果を出していくという若い皆さんにとっては非常に良い経験になるのではないかと思う。また、集合イベントということで日本のあちらこちら場を変えながら集まってディスカッションするということもあって、これもオンラインの関係ではなくて実際に集まっていろいろなディスカッションする。それからほかのプロジェクトを行っている皆さんとも関わり合いができるということで、『SecHack365』の全体の雰囲気を盛り上げるという意味でもとても良い経験をされたのではないか。今年の2期生は非常にレベルの高い成果を出されたと思う。今年は3つのコースを設定してアプローチの仕方をより明確にしたあるいは開始の時期を早めて開発にかかる期間を長めにとるなど工夫したことでよりよい成果が出たようだ。皆さん、セキュリティイノベーターとしてどんどん羽ばたいてくださるのではと非常に大きな期待をしている」と述べた。

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