
Warp Driveに大型アップデート、NICT
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、徳田英幸理事長)サイバーセキュリティネクサスは、Web媒介型サイバー攻撃の実態把握と対策技術向上のためのユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive」の大型アップデートを行い、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界に没入しながらセキュリティの知識を習得できるゲーム機能を一新した。ゲーム内で出題されるセキュリティやITに関するクイズの問題数が3000問以上に大幅増加するとともに、体系的・継続的に学習できる様々な仕組みを導入した。
WarpDriveは、Web―based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE(Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発)の略称で、Web媒介型攻撃の実態把握と対策技術の向上のため、KDDI総合研究所、セキュアブレイン(2024年4月1日に日立システムズと合併し事業継続)、横浜国立大学、神戸大学、構造計画研究所、金沢大学、岡山大学がNICTから委託を受けて行う研究開発のプロジェクトとして行っており、PC版の実証実験は、2018年6月1日から開始した。
WarpDriveでは、アニメ「攻殻機動隊SAC_2045」シリーズに登場するキャラクター「タチコマ」をモチーフに、Web媒介型攻撃対策ソフトウェア「タチコマ・セキュリティ・エージェント (タチコマSA)」を開発。タチコマSAは、ユーザのWebブラウザの中でWeb媒介型攻撃の観測・分析を行い、攻撃検知時には悪性Webサイトの閲覧をブロックし、ユーザに警告やアドバイスを行う。さらに、インターネット上に分散したタチコマSAたちが、並列化(情報集約・横断分析・新機能展開等)を繰り返し、最新のWeb媒介型攻撃に対応する。またAndroidスマートフォン向けにはタチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル(タチコマ・モバイル)を無償配布し、参加ユーザーのWebアクセスの観測、分析、警告などを行ってきた。
今回の大型アップデートでは、タチコマSA及びタチコマ・モバイルに搭載されているゲーム機能「訓練プログラム」を一新し、ゲーム内で出題されるセキュリティやITに関するクイズの問題数を3000問以上に大幅増加した。また、セキュリティやITの技術分野別に学習できる『通常学習モード』と、情報処理関連の各種資格試験の出題範囲別に学ぶ『試験対策モード』の二つのモードを搭載し、参加ユーザーの関心や目的に合わせた体系的な学習が可能になった。
ゲーム内でユーザーは公安9課(通称、攻殻機動隊)の新人捜査員となり、訓練プログラムを受ける。訓練ではタチコマを操作しながら、セキュリティやITに関する3択クイズに挑戦。通常学習モードでは関心や苦手意識のある技術分野を重点的に学習でき、試験対策モードではIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施している13種の国家試験別に反復学習ができる。
また、継続的な学習をサポートするため、デイリーミッションやウィークリーミッションなどをクリアすることで報酬としてデータピース(攻殻機動隊のイラストの断片)が獲得できるイラスト収集機能を追加した。訓練プログラムを継続することで、セキュリティやITの知識が資格試験レベルで身に付いていく。
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- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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