
電波の日・情報通信月間表彰に個人・団体計21件
総務省及び情報通信月間推進協議会は、令和7年度の「電波の日」(令和7年6月1日(日))及び「情報通信月間」(同年5月15日(木)から6月15日(日)まで)に当たり、電波利用又は情報通信の発展に貢献した個人及び団体を表彰した。
「電波の日」総務大臣表彰は個人4件と団体2件、「情報通信月間」総務大臣表彰は個人7件と団体3件を表彰。また情報通信月間推進協議会会長表彰として、「志田林三郎賞」に個人1件、「情報通信功績賞」に個人3件と団体1件を表彰した。概要は次の通り。
◎「電波の日」総務大臣表彰
【個人(4件)】
▽井伊雅子(一橋大学国際・公共政策大学院教授/経済学研究科教授):長年にわたり日本放送協会経営委員会委員を務め、同協会の経営に関する基本方針の審議等に当たり広い知識と経験をもって公共の福祉に関し公正な判断を行うなど、健全な民主主義の発達と我が国の放送行政の発展に多大な貢献をした。
▽大野英男(東北大学総長特別顧問):半導体の消費電力を大幅に低減することにより、電池や電源を必要としないIoT端末等の新たな無線システムを実現する基盤となるスピントロニクス技術の実用化に尽力し、我が国における電波利用の発展に多大な貢献をした。
▽長谷山美紀(北海道大学副学長/同大学院情報科学研究院教授):長年にわたり総務省が行う電波利用料による研究開発等の評価に携わり、公正かつ適正な評価を通じて電波有効利用技術の実用化及び社会実装に寄与し、国民共有の財産である有限希少な電波資源の拡大に多大な貢献をした。
▽林秀弥(名古屋大学大学院法学研究科教授):電波監理審議会委員及び同審議会有効利用評価部会部会長として、電波及び放送に関する事項を審議するに当たり、公共の福祉に関し公正な判断を行うとともに部会の円滑な運営に尽力するなど、我が国の電波・放送行政の発展に多大な貢献をした。
【団体(2件)】
▽一般社団法人電波産業会(島田太郎会長):長年にわたり電波の利用に関する調査研究や開発、標準規格の策定、コンサルティングや普及啓発活動等を推進し、新たな電波利用システムの実用化やその普及促進に尽力するなど、我が国における電波産業の発展に多大な貢献をした。
▽モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(安田靖彦会長、MCPC):ワイヤレスネットワークの黎明期から長年にわたり標準化活動、普及啓発活動、人材育成などを通じ我が国におけるモバイルサービスの普及発展に多大な貢献をした。
◎「情報通信月間」総務大臣表彰
【個人(7件)】
▽上原哲太郎(立命館大学情報理工学部教授):長年にわたりシステムセキュリティやデジタル・フォレンジック等の研究に尽力するとともに、政府のセキュリティ関係会議の構成員や地方公共団体の最高情報統括責任者補佐官等の要職を歴任するなど、我が国のサイバーセキュリティの強化に多大な貢献をした。
▽オードリー・プロンク(経済協力開発機構科学技術イノベーション局次長):経済協力開発機構科学技術イノベーション局次長として、広島AIプロセスの議論の推進及び報告枠組みの取りまとめに際して、経済協力開発機構を代表して主導的な役割を果たすなど、AI分野における国際的な制度枠組みの構築や我が国と経済協力開発機構との協力関係強化に多大な貢献をした。
▽小木曽健(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員/著述業):情報モラル教育の実践者として、全国での官民主催の情報モラル教育等に関するセミナーへの登壇や執筆活動等を通じ、情報リテラシーやフェイクニュースへの対策も含め幅広く情報発信するなど、我が国の情報通信リテラシー向上に多大な貢献をした。
▽小野宏二(KDDI株式会社カンパニーエグゼクティブダイレクター海底ケーブルネットワーク担当):近年、安全性や信頼性がますます求められる海底ケーブルの敷設や保守等に長く尽力したほか、国際電気通信連合に設置された海底ケーブルレジリエンスのための国際諮問委員会のメンバーとして尽力するなど、我が国の海底ケーブルインフラの構築や国際的なプレゼンス向上に多大な貢献をした。
▽坂本世津夫(元愛媛大学社会連携推進機構教授):長年にわたり地域情報化アドバイザーとして、全国の地方公共団体におけるICTの利活用に尽力するとともに、四国情報通信懇談会の副会長として、産学官の連携による防災や農業の課題解決に取り組むなど、地域における情報通信技術の活用に多大な貢献をした。
▽竹内和雄(兵庫県立大学環境人間学部教授):長年にわたり青少年とインターネットの問題についての研究と実践に尽力するとともに、スマートフォン時代に対応した青少年のインターネット利用に関する連絡会の座長として青少年のインターネット・リテラシーの向上に多大な貢献をした。
▽原山優子(東北大学名誉教授/GPAI東京専門家支援センターセンター長):2024年7月のGPAI東京専門家支援センター立ち上げより初代センター長を務めるほか、国連教育科学文化機関AI倫理原則や欧州評議会AI条約の議論に我が国を代表して参画するなど、我が国の国際場裏でのプレゼンス向上に多大な貢献をした。
【団体(3件)】
▽国立研究開発法人情報通信研究機構未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター(北澤茂センター長):平成23年の設置以来、脳と情報通信を融合した脳情報通信という新たな研究分野を開拓し、国際的にも注目される研究成果を創出し続けるとともに、当該成果の社会実装を産学連携で推進するなど、我が国の情報通信技術の発展・普及に多大な貢献をした。
▽一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構(小俣栄一郎常務理事):利用者のICTリテラシーの向上に資する取組の推進やソーシャルメディア上の誹謗中傷などの課題への対処を通じ、インターネットの安心・安全な利用環境の整備に多大な貢献をした。
▽一般社団法人デジタルメディア協会(襟川惠子理事長):設立以来30年にわたり優れたコンテンツやサービスを表彰するAMDアワードを主催するとともに、人材育成やグローバル展開の支援・シンポジウムの開催・政策提言等を通じて我が国のデジタルコンテンツの発展・振興に多大な貢献をした。
◎情報通信月間推進協議会会長表彰・志田林三郎賞
【個人(1件)】
▽藤原幹生(国立研究開発法人情報通信研究機構量子ICT協創センター研究センター長):量子暗号通信技術に関する研究開発等の取り組みを牽引し、世界最先端の技術の確立や産学官連携の下その社会実装に尽力し、我が国における量子暗号通信分野の発展に多大な貢献をした。
◎情報通信月間推進協議会会長表彰・情報通信功績賞
【個人(3件)】
▽猪俣敦夫(大阪大学D3センター教授CISO):長年にわたりセキュリティ人材の育成推進に尽力するとともに、政府の発行する各種ガイドラインの策定に有識者として参画することで情報通信やサイバーセキュリティに関する普及啓発に寄与し、我が国のサイバーセキュリティの強化に多大な貢献をした。
▽砂原秀樹(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授):長年にわたり計算機アーキテクチャ、インターネット、センサネットワーク等の研究に従事し情報通信技術の発展や普及に寄与するとともに、多くのセキュリティ人材育成プログラムを牽引し、我が国のサイバーセキュリティの強化に多大な貢献をした。
▽宮地悟史(KDDI株式会社先端技術統括本部先端技術研究本部長):国際電気通信連合電気通信標準化部門第九研究委員会の議長を2016年から8年間にわたり務めた他、2024年世界電気通信標準化総会では第三委員会の議長を務めるなど、ケーブルテレビ技術をはじめ電気通信に関する国際標準化活動に多大な貢献をした。
【団体(1件)】
▽一般社団法人量子フォーラム(富田章久代表理事):長年にわたり産学官連携の下量子暗号通信技術の国際標準化を主導し我が国の技術の社会実装や国際展開につなげるとともに、装置の評価・認証制度の整備に取り組むなど、情報通信技術の健全な発展・普及に多大な貢献をした。
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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