
放送コンテンツ製作取引実態調査結果を公表、放送事業者と製作会社間で隔たり
総務省は、令和7年1月6日(月)から同年2月21日(金)までの間、放送コンテンツ製作取引実態調査(旧称:「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」フォローアップ調査)を実施。これに伴い調査結果を公表した。発注書の交付や取引価格の決定について、放送事業者側と製作会社側とで認識に隔たりがあることが分かった。
総務省では、放送コンテンツ分野における製作環境の改善及び製作意欲の向上等を図る観点から、平成21年に「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」を策定。これまで、放送事業者及び番組製作会社との間の、放送コンテンツの適正な製作取引を推進してきた。
この一環として、当該ガイドラインのフォローアップとして、放送コンテンツの製作取引の状況に関するアンケート調査を定期的に実施。最新の放送コンテンツの製作取引の状況の把握を目的として、令和7年1月6日(月)から同年2月21日(金)までの間、1713社(内訳:放送事業者520社、番組製作会社1193社)を対象に調査を実施。回答社数は861社(内訳:放送事業者520社、番組製作会社341社。回答率50・3%)だった。
このうち「番組製作会社に放送コンテンツの製作を委託する際、下請法の対象となる取引で発注書面を交付していたか」については、放送事業者側の回答では「常に交付していた」と「おおむね交付していた」が併せて96・3%だったのに対し、番組制作会社側の回答は「常に受けていた」「おおむね受けていた」が77・2(放送事業者からの委託)~70・3%(番組製作会社からの委託)と開きがあった。
また「放送番組を製作委託する際に下請代金(取引価格)について、番組製作会社と事前に協議していたか」についても、放送事業者側の「全て協議していた」「おおむね協議した」を併せた96・6%に対し、番組製作会社側は「全て協議していた」「おおむね協議した」が71・0%となるなど、主張に隔たりがあることが分かった。
このほか「『完全製作委託型番組』の製作委託をした際、番組製作会社が著作権保有を希望したのに関わらず、番組製作会社から著作権譲渡を受けたことがあったか」については、放送事業者側の2・5%に対し、番組制作会社側は19・9%が「あった」と主張した。
総務省では、放送コンテンツの適正な製作取引を一層推進するため、「放送コンテンツの適正な製作取引の推進に関する検証・検討会議」(座長:舟田 正之 立教大学名誉教授)を定期的に開催しており、本調査結果は、ガイドラインの改訂や、同省の放送コンテンツの適正な製作取引の推進のための施策に活用していくとしている。また放送事業者及び番組製作会社に対し、民間の取組と連携して改訂後のガイドライン普及・定着を図るとしている。
この記事を書いた記者
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