
「デジタルインフラ整備計画2030」と「デジタル海外展開総合戦略2030」を公表、総務省
総務省はこのほど、2030年頃を見据え、必要となるデジタルインフラの整備方針とその実現に向けた具体的な推進方策を整理し、一体的・効率的に我が国デジタルインフラ整備の推進を図るために策定した「デジタルインフラ整備計画2030」の概要を公表した。
同省では、デジタル田園都市国家構想の実現のためには光ファイバ、5G、データセンター/海底ケーブル等のデジタル基盤の整備が不可欠であることを踏まえ、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」(2022年3月策定、2023年4月改訂)を策定。本計画に基づく取組を進め、進捗を図ってきた。
他方、人口減少により地域や社会の課題が多様化・複雑化する中、日本の成長力を維持していくためには、生成AIをはじめとするデジタル技術を徹底的に活用し、DXの加速化を図ることが必要であり、その実現に不可欠となるデジタルインフラの重要性が高まっている。また、今後の災害等に備えるためには、サイバーセキュリティの確保を含む通信インフラの強靱化も必要となるなど、特定のデジタルインフラの分野によらず横断的に取り組むことが必要とされている。
公表された計画の概要によると、地方創生と国土強靭化、国際競争力の強化に向けて、「AI時代の新たなデジタルインフラ整備の推進」「新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワーク環境の構築」「特定のデジタルインフラ分野によらず横断的に留意し取り組むべき事項」の3つの柱を設定。各柱に紐づく9つの重点分野を策定した。
具体的には、「AI時代の新たなデジタルインフラ整備の推進」に対しては、ワット・ビット連携によるデジタルインフラの一体的な整備の推進としてデータセンターや海底ケーブルの地方分散や整備、オール光ネットワーク(APN)や次世代情報通信基盤等の早期実現を目指すとした。
このほか、「新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワーク環境の構築」に対しては、光ファイバの未整備地域の解消や5G基地局等のモバイルネットワーク整備推進、非地上系ネットワーク(NTN)の高度化などを挙げた。
「特定のデジタルインフラ分野によらず横断的に留意し取り組むべき事項」については、通信インフラの強靭化やインフラ整備とソリューション創出・普及の一体的推進、官民の役割分担の整理などを挙げた。
同省では、今後、公表した計画に基づいて、AI時代の新たなデジタルインフラとして、ワット・ビット連携によるデータセンター等の地方分散、オール光ネットワークを中核とした次世代情報通信基盤(Beyond 5G)や量子暗号通信の研究開発・社会実装等を推進し、新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワーク環境の構築に向けて、光ファイバの未整備地域の解消や維持管理の確保、「5Gならでは」の実感を伴う高品質な通信サービスの普及拡大、非地上系ネットワーク(NTN)の展開支援等に取り組むとしている。
また同省では、この「デジタルインフラ整備計画2030」と共に「DX・イノベーション加速化プラン2030」の推進に向けた事項や基本的な考え方を整理した「デジタル海外展開総合戦略2030」も公表した。
デジタル分野における国際競争力強化や経済安全保障の確保に向けた各種政策を進めるに当たっての基本的考え方(グローバルファースト、マーケットイン、同志国との連携強化、戦略的な自律性・不可欠性の確保等)を定めている。
この記事を書いた記者
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