NHK インターネット必須業務に伴う受信契約・解約の概要をメディアに説明

NHKは6月13日、東京・渋谷のNHK放送センターで、メディア向け説明会「イチからわかる受信料制度」を開いた。説明会には、NHK経営企画局主管の荻野友和氏と視聴者局専任部長の山野井清氏が登壇し、受信料制度の基本や今年10月に必須業務となるインターネット配信について、受信契約の具体的な方法や受信契約の解除の手続き等について説明した。

 

2024年5月に成立した改正放送法により、NHKのインターネット配信が今年10月から放送と同様の「必須業務」に格上げされる。これにより放送に加え,放送番組の「同時配信」「見逃し(聴き逃し)配信」「番組関連情報の配信」が新たにスタートする。これに伴い、NHKは放送受信規約を一部変更するが、変更にあたってはテレビ等の受信機を設置した人と配信の受信を開始した人の締結する受信契約の内容について、公平性が担保されるよう規定するとしている。

 

 

テレビ受信機を持たず、スマートフォン・タブレットやパソコンなどでNHKのインターネット配信を利用する場合、受信契約の締結と受信料の支払いが必要となるが、スマートフォンやパソコンを持っているだけでは受信契約の対象とはならない。一定の操作を行い、NHKのウェブサイトやアプリにサクセスして配信の受信を開始した人が受信契約の対象となる。なお、すでにテレビを設置して地上契約・衛星契約を結んでいる人はインターネット配信について追加の負担はない。

 

 

配信のみを利用する場合の受信料は、地上契約と同額の月額1100円。6か月前払は6309円、12か月前払は1万2276円(沖縄県は月額965円、6か月前払は5539円、12か月前払は1万778円)。なお、衛星放送については当面ネット配信は行われない。

 

 

契約単位は現行におけるテレビ等の受信機と同様、原則として「世帯」ごとにする。また、事業所の契約単位については、テレビ等の受信機と同様に「設置場所」ごととする。

 

配信サービスの利用イメージとして、配信の受信を開始した人に対しても、受信料の公平負担の徹底および配信の適切な利用確保のため、識別情報を付与し、それをもとに受信契約の確認のために必要な情報の提供や手続きを促す「メッセージ等の表示」や「同時利用数の制限」ができることを新たに規定するとしている。

 

サービスを利用する人は、まずサービスアカウントを登録、受信契約をしている人は契約情報を入力する。一方、新たに受信契約を結ぶ場合は新規に契約情報を入力することで契約確認勧奨メッセージが表示されなくなる。

 

 

一方、配信サービスの受信契約を解約する際には、アプリやブラウザで継続的に視聴や閲覧をしなくなること、本人と家族が今後どの端末でも配信を受信しないこと、テレビ等の受信機の設置がないことなどを記した書面を解約届けとして郵送で提出する。それに伴い「サービスアカウント」の登録があれば削除され、解約が成立する。インターネット配信では、テレビ放送の解約とは違い、スマートフォンやパソコンの廃棄は求めない。解約方法の手続き方法について、一部の解約事由についてはインターネットで受付することも検討するという。

 

 

今回の放送受信規約や放送受信料免除基準の素案については、4月23日から5月22日に意見募集を実施した。今後は寄せられた意見を参考にして案を取りまとめ、議決後、総務大臣に認可申請する予定。