クインティア、日本テレビ『モノマネMONSTER』にAI採点技術を提供
放送技術×AIを核としたソフトウェア開発を行うクインティア(東京都中央区、占部竣平代表取締役)は、自社の音声解析エンジンを活用した「歌声モノマネ採点AI」が、日本テレビ放送網のバラエティ番組『モノマネMONSTER』に採用されたと発表した。
同システムは番組の本番収録において実運用され、技術協力として番組エンドクレジットにも掲出された。クインティアが保有する既存の音声解析エンジンを活用することで、開発着手からわずか1ヶ月で構築を実現している。
これまで歌モノマネ番組における「似具合」の評価は、審査員や観客の経験や感覚に依存する主観的なものが主流だった。今回の取り組みでは、クインティア独自の音声解析技術を用いることで、「似ている」という感覚を客観的なスコアとして提示。審査員による採点に加え、AIスコアを客観指標として提示することで、番組演出に新たな深みと説得力をもたらした。
一般的なカラオケ採点が音程やリズムといった「歌唱力」を測定するのに対し、本AIは「歌声がどれだけ本人に似ているか」に特化した分析を行う。主な特徴は以下の通り。
▽多角的な特徴量分析
声質(timbre)、しゃくり(pitch scoop)、ビブラート、抑揚(ダイナミクス)、波形特徴量などを総合的に解析。
▽DTW(Dynamic Time Warping)の活用
歌い出しのタイミングやテンポの違いを吸収し、演者ごとの歌唱スタイルに差があっても正確な比較を可能にする。
▽放送現場仕様の最適化
・音源分離:観客の歓声や残響がある複雑な環境下でも、精度の高い歌声抽出を実現。
・高速処理:収録の進行を妨げない迅速なスコア出力。
・演出連動:収録現場のモニターへのGUI表示や、演出用データ形式への対応。
同システムは実際の番組収録で安定稼働した。今回の開発を1ヶ月で完遂できた背景には、クインティアが保有するモジュール化された音声解析エンジンがあるという。音源分離、特徴量抽出、類似度算出などの機能を即座に再構成可能。また、アプリケーション構築において、開発パートナーであるクロノキャストと連携。制作現場が求める高度なUI/UXと安定性を短期間で担保した。
今回の導入を通じて、AI技術は単なる業務効率化だけでなく、視聴体験に新たな客観指標を加える「演出の拡張」に大きく寄与することを実証した。
クインティアは今後も日本テレビをはじめとする放送局・メディア事業者とのパートナーシップを強化し、音声・映像解析、字幕生成、視聴者参加型コンテンツなど、放送領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくとしている。
なお、クインティアは、2021年9月に設立され、東京の銀座に本社を置く、AI・DX導入支援、放送システム開発、技術顧問サービスを展開する技術企業。AI技術やAWS環境構築に強みを持ち、放送局の効率化など、最先端の技術で企業のDXを支援するプロフェッショナル集団。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。


