A-PAB、若年層ではオンライン動画サービスのポジティブ評価はテレビを上回る

 一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A―PAB)は、「テレビ視聴動向リサーチ」市場調査結果 (2025年9月調査)を発表した。
 「テレビ視聴動向リサーチ」は、テレビ放送の評価やテレビコンテンツの視聴状況、4K8K衛星放送ならびにその関連事項について、人々の認知・理解度などを測る調査を2016年より定点的に実施している。今回は、放送だけに限らない、4Kコンテンツについても併せてより詳しく確認した。
 結果概要としては、テレビ放送の必要度は各動画サービスより高く、生活の基盤メディアとして高い支持を維持している。一方、動画共有サービスのポジティブ評価はテレビ放送と同水準まで高まっている。若年層ではオンライン動画サービスの利用が進み、ポジティブ評価はテレビを上回る結果となった。また、テレビ受像機を「利用していない/持っていない」が約2割みられ、テレビ受像機を持っているが利用していない人は「見たい番組がない」、持っていない人は「他で情報が得られる」が、それぞれ上位の「持っているが利用していない/持っていない」理由になった。
 4Kコンテンツの現在利は全体の12%だったが、接触者では「高画質だと視聴意欲が高まる」が69%と、高画質体験が利用拡大の後押しになっていることが見えてきたとしている。
 テレビ放送、動画サービスの位置づけは、テレビ放送について、「なくてはならない」と捉えている人は4割弱で、「あった方がよい」と回答した人と合計した
 ポジティブ計は7割強。いずれの放送・サービスも前回から大きな変化はない。 
 テレビ放送の「なくてはならない」は引き続き最も多く、トップを維持しているものの、「動画共有サービス」も増加傾向にあり、ポジティブ計では「テレビ放送」と「動画共有サービス」が前回と同様にほぼ同水準となっている。
 必要度がほぼ同水準となった「テレビ放送」と「動画共有サービス」を性年代別でみると、「テレビ放送」は高齢層ほど必要と感じる割合が高く、男女とも60代では8割以上になっている。一方、「動画共有サービス」は若年層ほど必要と感じる割合が高く、男女とも20代で8割を超えている。また、男性20~40代、女性20~30代では「動画共有サービス」が「テレビ放送」の必要度を上回っている。
 テレビ受像機で行っていることについては、前回と同様に「テレビ番組の視聴」が7割を占め突出している。一方、前回増加が見られた「テレビを持っていない/何もしていない」も前回とほぼ同じ割合の約2割となった。今回調査から内訳を聴取しており、「テレビを持っているが利用していない」が9%、「テレビを持っていない」は10%となっている。
 「テレビを利用していない/持っていない」人にその理由を確認した。テレビ受像機を持っているが利用していない人のその理由は、「テレビ放送で見たい番組がない」が最も多く、「もともとテレビをつける習慣がない」「番組の内容が似たりよったりで飽きた」が上位の項目となった。コンテンツ関連や環境面が主な理由となっている。
 性年代別でみると、男性20代は「スマホやタブレットなどでテレビ番組以外の動画を見ている」が4割強で最も多く、「スマホやタブレットで見ることに慣れている」「スマホやタブレットのサイズで十分」が全体より高い割合となっている。
 続いて、テレビ受像機を持っていない人の所有しない理由は、「他で情報を得ることができる」が最も多く、「PC・スマホやタブレットなどで見られる」「NHKの受信料を払いたくない」が上位の項目となった。別のメディア・デバイス利用を理由とする割合が高い。性年代別でみると、「見たいテレビ番組がない」が男性若年層と女性中高年層で上位項目となっている。
 4Kコンテンツの視聴(利用)状況については、視聴(利用)者は全体の12%だあった。性年代別では、60代を除いて若い年代ほど利用が高い傾向にあった。これは、50代までは主に配信やゲームなどの影響で若い層ほど視聴(利用)率が高くなり、60代は放送視聴の影響から平均並みの割合となったとしている。特に男性の20代~30代はゲームの影響もあり、全体と比較しても4Kコンテンツの利用が高く出た。
 4Kコンテンツ視聴(利用)者における、視聴(利用)コンテンツの種類をみたところ「動画共有サービス(YouTubeなど)の4Kコンテンツ」(43%)、「BS4K放送/ケーブルテレビ4K放送」(40%)、「動画配信サービス(Netflix、Amazonプライム・ビデオなど)の4Kコンテンツ」(39%)が上位で、いずれも4割前後となっている。
 性年代別にみると、男女ともに20代~40代では「動画共有サービス(YouTubeなど)の4Kコンテンツ」と「動画配信サービス(Netflix、Amazonプライム・ビデオなど)の4Kコンテンツ」が1位または2位で、50代以上では「BS4K放送/ケーブルテレビ4K放送」が1位となっており、年代によって主な視聴(利用)コンテンツに異なる傾向がある。
 また、映像が高画質(4K映像)だと、コンテンツを見たい(利用したい)という意欲が高まるかと尋ねたところ、全体では「高まると思う(合計)」が24%となった。
 4Kコンテンツの視聴(利用)状況別にみてみると、視聴(利用)していない人の「高まると思う(合計)」が18%だったのに対し、4Kコンテンツの視聴(利用)者は69%と、非常に高いことがわかりる。また、視聴(利用)しているコンテンツ別にみても、いずれも7割~8割強と高く、現在4Kコンテンツに接触している人ほど、高画質映像への関心や視聴意欲が高い傾向がうかがえるとしている。
 4K8K衛星放送については、まず4K8K衛星放送に関する認知度は、「現在、衛星放送で4K放送が見られる」は44%、「現在、衛星放送で8K放送が見られる」は30%、「『4K(8K)ボタン』を押すと見られる」は28%という結果だった。いずれも前回より5pt程上昇したが、2024年2月からみるとそこまで大きな変化はない。
 4K8K衛星放送の視聴経験は1割半ばとなっており、前回をわずかに上回る結果となった。過去からの推移をみてみると、緩やかな増加傾向がみられる。また、視聴経験者の「画質・臨場感」の満足度は86%と、放送に対する評価は高水準をキープしている。