ブラックマジックデザイン、国府町CATVがワークフローに採用

 ブラックマジックデザインは、徳島県のケーブルテレビ局である国府町CATVが、スタジオのサブコントロールルームをBlackmagic Designワークフローで運用していると発表した。同局では、ATEMスイッチャーやVideohubルーターなど、多数のBlackmagic製品を活用し、スタジオ収録や生放送を行っている。
 国府町CATVは徳島県徳島市の国府町を中心とするエリアでテレビ放送およびインターネット接続事業を手掛けるケーブルテレビ局。地域情報専門チャンネルとして、暮らしに役立つ情報、季節行事やイベント、行政・学校情報などを取材・放送している。
 同局では、Blackmagic DesignのコンバーターやDeckLinkカード、UltraStudioキャプチャー・再生デバイスを導入したことをきっかけに、機材の拡充を進めてきた。ATEMスイッチャーは予備を含め、ATEM Constellation HDシリーズやATEM 4 M/E Broadcast Studio 4Kなど計5台を導入。コントロールパネルとしてATEM 1 M/E Advanced PanelおよびATEM 2 M/E Advanced Panelを1台ずつ所有し、番組収録や生放送、自主放送の送出時に活用している。
 ルーターはSmart Videohub 12G 40×40が3台、予備としてBlackmagic Videohub 40×40 12Gも導入しており、コントールパネルのVideohub Smart Control ProやMaster Control Proも多数導入している。
 また、ポストプロダクションにはDaVinci Resolve Studioを使用しており、DaVinci Resolve Editor KeyboardやDaVinci Resolve Mini Panel、Fairlight Desktop Consoleといったハードウェアも併せて使用している。
 「2015年にスタジオのスイッチャーを更新する際、ATEMスイッチャーを導入しました。そこから徐々にHyperDeckなどの機材を増やしていきました。3年前に新局舎に移転したときに、番組の送出システムを含め全体をBlackmagic Designで統一したいと思ってVideohubルーターなどを導入しました。低価格で高品質であることはもちろんですが、SDKが公開されていることも大きな魅力でした。VideohubルーターやBlackmagic MultiView 4やMultiView 16をプログラムで制御して運用しています」と国府町CATVの森岡篤氏は語る。
 同局ではコミュニティチャンネルの番組制作を行なっており、スタジオに設置された3台のカメラで、アナウンサーがニュース原稿を読んだりコメントしたりする様子をATEM 4 M/E Broadcast Studio 4KとATEM 2 M/E Advanced Panelでスイッチングしながら収録している。また、スタジオへのリターン映像にはMultiView 4を使用し、Smart Videohub 12G 40×40経由で信号を送っている。
 「カメラは定点撮影で、ニュースのVTRは後からDaVinci Resolveで編集するので、スタジオ収録のオペレーションは私1人で行っています。入社して1年目で、それまで映像機器に触れたことがなかったのですが、実際に使いながら覚えていきました。Blackmagic Designの機材は、初心者でも使いやすく、多機能で自由度が高いのが魅力ですね」と、スタジオ収録を担当する佐々木登夢氏は話す。
 また、国府町CATVでは、徳島県内にある16局のケーブルテレビと合同制作する番組を、毎月1本、同局のスタジオから生放送している。生放送を担当する長尾学氏はこう話す。「生放送ではカメラ7台を使用し、ATEMスイッチャーでスイッチングやテロップ出しを行います。事前にシナリオで決まっているところは、マクロを組んでHyperDeck StudioからVTRを再生することもあります。例えば、HyperDeck Studio Miniでカウントダウンの映像を流して、HyperDeck Studio 4K ProからVTRを再生する、という一連の操作をマクロで実行しています。また、ほかの局からの映像素材はSSDで持ち込まれるので、Cloud Podに接続して共有しています。それらは、最終的に弊社でDaVinci Resolveを使って色や音声のバランスを調整します」。
 さらに同局では、UR SA Mini Pro 4・6Kを地域の風景や記録映像を美しく残すために活用している。「ほかのカメラでは出せないような色が再現できるので、映像で残しておきたいようなものを撮る時に使っています。」と長尾氏。(全文は6月9日号3面に掲載)

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。