
長野朝日放送、番組制作にBlackmagic Cloudワークフローを使用~遠隔のスタッフとタイムラインを共有し制作を効率化
ブラックマジックデザインは、長野朝日放送が制作・放送する情報番組「藤森慎吾の信州観光協会」において、Blackmagic CloudおよびDaVinci Resolve Studioを活用し、ポストプロダクション作業の効率化に成功=画像=したと発表した。
長野朝日放送は、長野県を放送対象地域とするテレビ局。「藤森慎吾の信州観光協会」は、SNSに寄せられた情報を頼りに、長野県の各地を長野出身の芸人・藤森慎吾氏がロケに行き、その魅力を伝える人気番組だ。
「番組では、X(旧Twitter)で募った情報を基にロケを行います。通常、月1回、1泊2日の撮影で2つの市町村を巡り、30分番組を4本分作ります。ただし、撮れ高が多いときには6本分になることもありますね。カメラマン2名のほか、車載カメラや、私自身も含め、ほかのスタッフもアクションカメラを持って撮影するので、6台〜7台のカメラを回します」と同番組の総合演出を担当する村井洋太郎氏は説明する。
「台本はなく、SNSの情報のみを頼りにアポなしで取材を行うので、予定していた店が休みで撮影できないこともあります。そういう部分や、藤森さんと村井さんが番組の進行に関して議論するような場面もしっかり見せます」と、外部ディレクターの永田太郎氏は付け加える。
撮影素材は、1回のロケで1TBに達し、これをプロキシデータに変換し、Blackmagic Cloudにアップロード。クラウドにアップされた素材は、社内スタッフや外部ディレクターに共有される。「私自身も編集しますが、社内のディレクター2名では、4週分の番組の編集をこなすのは厳しくて、外部のディレクターに仕事を依頼する機会も増えました。」と村井氏は話す。
「外部ディレクターに編集をお願いしたときは大体1週間後にタイムラインを共有してもらって確認します。Blackmagic Cloudのチャット機能を使ってフィードバックや修正指示を出して、ディレクターがそれを元に変更、というのを3回くらいやり取りします」。
Blackmagic Cloudを導入以前は、別の編集ソフトウェアを使用し、Dropboxで素材を共有していた。しかし、プロキシ素材のアップロードとダウンロードにそれぞれ1日くらいかかっていた。プロジェクト共有はXMLデータ経由で行い、試写の度にXMLデータをコンフォームする必要があったという。
村井氏はこう説明する。「試写の時に共有されたXMLを展開すると、ズレが発生することが多かったんです。また、素材のリンクが切れてしまってオフラインの状態になることもありました。そのトラブル対応に半日近くかかることもあって、ずっと課題になっていたんです。
Blackmagic Cloudを試してみたら、今までの苦労は何だったんだ(笑)というくらい画期的で。リアルタイムでお互いが同じタイムラインを共有でき、チャット機能を使ってDaVinci Resolve上でやり取りができます。マーカー情報なども共有できるので、修正して欲しい部分にマーカーを打って指示を出すこともできて、使いやすいですね」。
(全文は6月20日号3面に掲載)
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。