スカパーJSAT、衛星画像から抽出した「地球の色」からカラーブランド

 スカパーJSAT(東京都港区、米倉 英一代表取締役執行役員社長)は、人工衛星から撮影した衛星画像をもとに、「地球に実在する色」をクレヨンにした「SATELLITE CRAYON PROJECT(サテライト クレヨン プロジェクト)」を展開している。このほど、同プロジェクトの新たな試みとして、衛星画像から生まれた「宇宙から見つけた地球の色」をテーマにしたカラーブランドを発足した。その第一弾として、セーラー万年筆(東京都港区、田村光代表取締役社長)から、コラボレーション製品『海の万年筆』および『万年筆用ボトルインク』を、6月21日(土)より世界同時・数量限定で発売する。

 スカパーJSATは、人工衛星によって撮影された地球の色に着目し、「色を通じて地球に興味を持ち、好きになってもらう」ことを目的に、2022年にSATELLITE CRAYON PROJECTを始動した。これまで「海のクレヨン」「山のクレヨン」「湖のクレヨン」を制作、計36色を生み出し、その地点の自然の多様性や美しさ、そしてその「色」の背景にある地球の営みや物語を伝えてきた。今回発足したのはそんなクレヨン制作で培った色と緯度・経度とストーリーをコンセプトとしたカラーブランド。

 スカパーJSATはこれまでも、ブランド理念に共感する企業との連携を試みてきた。2023年にはタイガー魔法瓶から、地球の海の色を再現した真空断熱ボトルが発売された。今回のセーラー万年筆との共同企画『海の万年筆』『万年筆用ボトルインク』は、それらの知見をもとに本格始動するカラーブランド第一弾となるプロダクトだ。

 宇宙から見た〝本物の海の色〟を、セーラー万年筆の卓越したクラフトマンシップが、筆記具とインクとして再現した。使用される色は、「海のクレヨン」シリーズの12色の中からバハマのエルーセラ島西部の海を再現した「Eleuthera Island」、日本の奄美大島の海の色である「Amami Oshima」、黒海の北端アゾフ海の西岸に広がる浅い干潟の腐海を再現した「Syvash」の3色を選定し、万年筆とインクに落とし込んだ。

 この3色はバハマ・エルーセラ島、日本・奄美大島、ウクライナ・アゾフ海・腐海でクレヨンシリーズのデザインを踏襲し、それぞれの色には名称を付けず、色を採取した地点の緯度・経度を刻んでいる。日常の筆記体験を通じて、地球の色を感じることができる。

 「プロフィットジュニア+10 SAILOR/SATELLITE CRAYON PROJECT」は、万年筆/コンバーター/10mlボトルインクのセット。初めての方も安心のイラスト入り説明書付き。
 スカパーJSATは今後も、「宇宙から見つけた地球の色」を通して、文具、教育、アパレル、インテリア、ライフスタイルといったさまざまな領域の企業やブランドとともに「地球に興味を持つきっかけ」を世界に広げて行く予定だ。
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 ※「SATELLITE CRAYON PROJECT」について:「宇宙から見つけた地球の色を通して、地球をもっと知りたくなるきっかけをつくる」をコンセプトに、スカパーJSATの有志がクラウドファンディングから立ち上げたプロジェクト。2022年「海のクレヨン」を皮切りに、「山のクレヨン」「湖のクレヨン」を企画・発売。同商品は世界三大デザイン賞やグッドデザイン賞、キッズデザイン賞など国内外で数々の賞を受賞。現在は、クレヨン制作で生み出した36色と緯度・経度およびその色の背景にある場所のストーリーなどをもとにカラーブランドを発足し、様々な企業・団体へのライセンス展開を予定している。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。