
ビット・パーク、「ココBOX」が佐渡市で28台活躍中
避難所向けリモート鍵収容箱
ビット・パーク(東京都目黒区、野口修代表取締役)は、リモート鍵収容箱「ココBOX」「ココBOXⅡ」を展開している。災害発生後、学校や公民館などの避難所が開設されるが、従来は自治体職員や自治会長らが直接避難所に行って鍵を開けていたが現地に行くのに危険なケースがあったり、鍵の所有者が被災して開けられなかったり支障が起こるケースがあった。ココBOXには避難所や防災倉庫の鍵が入っており、震動感知ですぐ解錠して鍵を取り出せる。また遠隔で離れた所から解錠することもできる。新潟県佐渡市は4年前、ココBOXを28台導入した。2024年1月1日に発生した能登半島地震で佐渡市は震度5強を観測したが設置されているすべてのココBOXは地震検知や職員によるリモート操作で解錠され、避難施設はスムーズに開設できたという。「電波タイムズ」は、佐渡市への導入やシステム構築を担当したNECネッツエスアイ新潟支店のご協力で佐渡市総務部防災課担当者にインタビューして、ココBOXの導入効果について話を聞いた。
ビット・パークのリモート鍵収容箱「ココBOX」「ココBOXⅡ」は、避難所や防災倉庫の鍵を保管するボックスを、緊急時にパソコンやスマートフォンからリモート解錠できるソリューション。「ココBOXⅡ」は、「ココBOX」の新タイプでJアラートに対応している。多様なセンサーのインターフェースも装備し、さまざまな災害情報・防災情報システムとの連携(オプション)を可能とした。災害発生直後の避難所開設情報や近隣住民へのメール通知など、スムーズな避難所開設を支援する。〝令和時代の防災DX〟を実現する。
なお、4月22日にイイノホール(東京都千代田区)で開かれた「第11回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)2025」(主催・一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会)の授賞式で、ビット・パークの「ココBOXⅡ」は優秀賞を受賞した。
2024年1月1日に発生した能登半島地震で佐渡市は震度5強を観測した。佐渡市には4年前にココBOX28台が導入されていた。地震発生(16時10分)後、市内設置のすべてのココBOXが地震検知や職員によるリモート操作で速やかに解錠された。その状況は管理画面で逐一、確認することができた。
新潟県佐渡市総務部防災課課長補佐の佐々木美幸さんにオンラインでインタビューした。
――ココBOXを知ったきっかけは何ですか
「私は2020年当時、担当係長として新たな防災システムの導入サポートの仕事に従事していました。2020年2月6日~7日にかけてパシフィコ横浜で開催された『第24回「震災対策技術展」横浜 ―自然災害対策技術展―』を訪れた際、出展していたビット・パークのブースでココBOXを初めて見て、避難所の鍵が災害時に自動解錠すると説明を受けて『これは導入効果がありそうだ』と思いました」
――能登半島地震での、佐渡市の島内設置ココBOX28台の自動解錠、リモート解錠について、発生時からの動きをお聞かせください
「佐渡市は震度5強を観測しました。地震発生で自動的に解錠する、併せて遠隔で解錠できるというココBOXの仕組みは承知していましたが、別の担当者が実際に現地に行って当初はココBOXが開いているところと開いていないところがあったと聞きました。ココBOXが設置してある避難場所がすべて震度5強を観測したわけではなかったのです。開いていなかったところについては災害対策本部の方から、遠隔で解錠作業を行いすべての避難所のココBOXが解錠しました」
写真は 能登半島地震の際に避難所となった佐渡中央文化会館(アミューズメント佐渡)に設置のココBOXの前で当時の様子を語る。左は佐渡市総務部防災課 佐々木氏と右はビット・パーク野口氏
全文は6月1日付5面に掲載
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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