古野電気が「Sea Japan 2024」に出展

〝船と海のプロフェッショナル、集う。〟日本最大の国際海事展「Sea Japan 2024」および併設展「Offshore&Port Tech 2024 in Sea Japan(オフショア・港湾技術展)」が4月10日(水)から12日(金)までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)において、出展規模620社・団体、出展国32ヵ国・地域と過去最大規模で開催された。主催はインフォーマ マーケッツ ジャパン。「Sea Japan 2024」は30周年。1994年横浜にて誕生した「Sea Japan」は、その初開催以来、造船・船主・船舶機器など海事業界関係者のための国際ネットワーキング・イベントとして開催されており、新製品の発表、既存顧客との商談、新たなパートナーの発掘、業界ネットワークの構築の場として、国内外の業界関係者の皆様に広く活用されている。28の国と地域580社を超える出展社と2万人の来場者が一同に会する展示会に加え、90セッションを超える業界セミナーなど多彩な業界イベントが併催されていた。

古野電気(兵庫県西宮市、古野幸男代表取締役社長執行役員)は、国際海事展「SEA JAPAN 2024」(シージャパン2024)に出展した。
同社は、「自律航行システムと陸上からのモニタリングによる次世代運航支援」をテーマに、自律航行ソリューション/テクノロジーと陸上からのモニタリングソリューションを展示した。また、AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「ARナビゲージョンシステム(型式:AR―100M)」や、VR(仮想現実)技術を用いて3次元表示し、自船周囲状況を俯瞰しながら中・長距離操船計画の立案を支援する「VRナビゲーションシステム(旧:3D Bird Viewシステム)」、船体と岸壁との位置関係を高精度に計測して安全に離着岸を支援する「離着岸支援システム」などを紹介した。
また、本船データを船陸間で共有することで船舶運航・管理を支援するクラウドサービス「FOP」や、カメラ画像で本船状況を把握する「カメラモ」、船舶に搭載した同社の航海機器や通信機器のデータを船内のサイバーセキュリティを担保した上でリアルタイムに陸上から収集・保存、監視できるサービス「HermAce」など、船陸両面での運航支援システムを紹介した。さらに、一つの大型画面に航海計画から監視にまつわる情報を集約表示するプランニングステーション「型式:PS―100」や航海日誌を電子化することで船員業務の負荷軽減、作業記録の効率的収集・解析に貢献する電子ログブック「型式:EL―100」を出展した。
「ARナビゲージョンシステム(型式:AR―100M)」は、「拡張現実(AR:Augmented Reality)技術」を活用した船舶向けの航行、操船支援システム。船舶の前方に向けて設置したカメラの映像をディスプレイ上に映し出し、その映像上にAR技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する。悪天候下や夜間など目視では確認しにくい状況でも、ディスプレイ上に自船のルートや他船情報を表示するため、ストレスの少ない操船・航行を可能にする。

航海用電子ログブック「型式:EL―100」は、〝手書きからデジタルへ!〟DXで船員業務の負荷を軽減する。船舶運航に関する事項を記録するログブック(航海日誌)は海難事故が発生した際の証拠として保全される重要書類。現在は多くのログブックが手書きで記入されており船員の作業負担は大きく、記載内容の正確性も課題となっている。
EL―100は、記録や計算といった業務の多くを自動化すると共に航海計器から得られたデータを自動入力することで効率的なデータ収集と解析が可能だ。
小型の制御部と簡単な接続設定で既存船にも容易に導入でき、効率的な運用ができる公開用電子ログブック。各船舶や船主の運用状況にあわせて作業記録のテンプレートやレポート様式をカスタマイズすることが可能だ。

写真は 電子ログブック「EL―100」(古野電気)

(全文は4月19日付け4面に掲載)

投稿者プロフィール

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。