NECと東京 医科歯科大、AIで慢性腰痛のセルフケア支援する技術を開発

NECと国立大学法人東京医科歯科大学(TMDU、田中雄二郎学長)は、3月19日にNEC本社(東京都港区)で共同会見し、AI(人工知能)によりスマートフォンやタブレット端末で撮影した映像や問診データを解析して、慢性の非特異的腰痛(慢性腰痛)のセルフケアを支援する技術を開発したと発表した。これにより、慢性腰痛を持つ人が、時間や場所の制約なく自身で手軽に腰の状態を確認し、推定される原因と推薦される改善運動を参照できるようになるという。
NECバイオメトリクス研究所ディレクターの久保雅洋氏、同研究所主任研究員の小阪勇気氏、東京医科歯科大学オープンイノベーションセンター医療デザイン部門(運動器機能形態学兼務)教授の藤田浩二氏が説明した。
久保氏は「NECのヘルスケア・ライフサイエンス事業はこの領域でライフスタイルサポート(検査・健康増進サービス)、メディカルケア(電子カルテ・病院DX)、ライフサイエンス(AI創薬)の3つに注力している。AIの研究開発のポイントは、AIのアルゴリズム技術、AIの計算環境/サーバー環境などでNECはこれらで国内随一の開発環境、研究基盤の持っている。こういったものを活かして同事業に貢献していきたいと思う。今回はライフスタイルサポートでの紹介。ライフスタイルサポート事業で目指していく姿は〝意識せずに健康でいられる〟。例えば、高頻度に通院するわけではなくて、サービスを受けられる方が自ら自宅でケアできる〝セルフケア〟の社会を目指していくもの。今回の発表もこちらに沿ったものだ」と述べた。
さらに「3つの注力ポイントを強化していくための技術ポートフォリオのなかで、今回の発表は高精度姿勢認識、治療計画最適化、原因推定を応用したソリューション。運動機能のケアを実現するために活用するもの」とした。

写真は デモの様子。左はNECバイオメトリクス研究所主任研究員の小阪勇気氏

(全文は4月1日付け2面に掲載)