斉藤大臣会見/第2次岸田改造内閣続投で抱負語る/海保の救助・救急体制を強化

斉藤鉄夫国土交通大臣はこのほど、閣議後の記者会見で、第2次岸田改造内閣で続投(再任)となったことに伴う、抱負と今後の課題、岸田総理からの指示等への質問に答え、要旨次のように語った。          ◇ 今回は、これまでの国土交通大臣、水環境政策担当大臣の他に国際園芸博覧会担当大臣の任命を受けた。先ず抱負だが、昨年10月から10ヵ月間、国土交通大臣を努めた。国土交通省は、非常に多岐に広い分野を持ち、全力で取組んできたつもりだ。引き続き、頑張りたいと思っている点の一つは、統計不適切処理の問題。これは、国土交通省職員が長年にわたって築いてきた国土交通省への信頼だ。地方の首長、議員から「本当に国土交通省は頼りになる。災害があればすぐ駆けつけてくれ、色々な相談に乗ってくれる。地方創生に対しても一番熱心」こういう信頼を勝ち得てきた。 その信頼を一瞬にして失いかねない重大な事案だと認識した。検証委員会、遡及改定委員会、タスクフォース等、全力を挙げてきたつもりだが、遡及改定というところまできた。また、タスクフォースでも一定の結論を出させていただいた。引き続き、信頼回復のために全力を挙げていきたいと思っている。 もう一つは、知床遊覧船事故。安心して国民が船に乗り、観光を楽しんでもらう。その信頼を根底から覆しかねない事故だった。この問題もしっかりと法律改正、安心して乗ってもらうような体制にしていかなくてはならない。このように思っているが、この二つを引き続き頑張っていきたい。 内閣改造の時にコメントを出させていただいたが、課題の1本目の柱は、安心・安全、防災・減災、国民の生活、暮らしを守る安心・安全施策、防災・減災対策等。これにしっかり取組んでいく。2本目の柱は、経済対策、コロナ禍からの経済回復。これもいろいろな観光振興等、地方における建設産業の振興等々いろいろな側面があるが、この点についてもしっかり取り組んでいきたい。そして、3本目の柱が地方の活性化。国土に色々な機能を分散させて国土全体が均衡のある発展を図る、その仕組みを作り上げていく。 この3つにそれぞれ細かい政策があるが、しっかり行っていきたい。特に7月・8月にかけて地方の公共交通をいかに守っていくかが大きなテーマとなり、色々な有識者、懇談会から提案があった。この提案を真摯に受け止め、地方の公共交通を持続可能なものにしていく。そのことによって、地方活性化、観光振興を行い、そのサイクルで地方の公共交通も維持されていく。こういう良いサイクルを作り上げていかなくては行けない。海上保安庁の体制についても、大変厳しい状況にあるが、これもしっかりと取組んでいきたい。 岸田総理からは、国民の生命と財産を守るため、集中豪雨、気温上昇などの異常気象、地震などの自然災害に対応し防災・減災、国土強靭化のための5ヵ年加速化対策を推進し、災害に強い地域づくり進めるよう、指示があった。これに加えて、線状降水帯の予測精度向上を含む流域治水の取組みや、盛り土による防災、災害防止に向けた対策を推進する。また、観光については、ポストコロナ時代を見据え、観光の振興を通じた地域の活性化を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策をしっかり講じることと、ダメージを受けた観光業を支援するようにとの指示があった。 さらに、リニア中央新幹線をはじめとした高速鉄道、高速道路などの地方を結ぶインフラ整備が、経済圏の統合を促し、豊かな田園都市国家を支えることに留意しながら、道路・鉄道のミッシングリンクの解消、港湾などの交通網の整備に取組むこと、加えて北海道知床で発生した遊覧船事故を受けた、小型船舶を使用する旅客輸送における総合的な安全対策及び海上保安庁の救助・救急体制の強化や、建設工事受注動態統計調査における不適切な処理について、検証結果を真摯に受け止め、再発防止に取組むようにとの指示もあった。 その他、鉄道分野をはじめとするインフラシステム輸出や航空輸送の安定と安全の確保、航空産業の発展、わが国の主権と領土・領海等を断固として守るための海上保安庁の体制強化及び警戒警備、通学路等における交通安全の確保や飲酒運転の根絶に向けた使用者対策等の推進、中間層の拡大及び少子化対策の観点からの子育て世帯への住宅費の支援の強化、2027年に神奈川県において開催される国際園芸博覧会に向けた円滑な準備と運営等の指示があった。この総理指示を踏まえて、しっかりと職責を全うしていきたい。