「NIIウィークス2025」開催

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所 (NII、黒橋禎夫所長) は、2025年6月中旬から下旬にかけNIIの活動を紹介する「国立情報学研究所NIIウィークス 2025」を開催する。期間中は、「学術情報基盤オープンフォーラム 2025」(6月16日(月)―18日(水))「オープンハウス2025」(6月20日(金))「ジャパン・オープンサイエンス・サミット 2025」(6月23日(月)―27日(金))の三つのイベントを開催する。いずれも東京都千代田区の学術総合センター内の同研究所で開催し、一部プログラムはオンラインでも実施する。
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 学術情報基盤オープンフォーラムは、NIIが構築・運用するサービスについて、提供する側と利用する側の関係者が集まって、今後の発展のあり方を議論する場として毎年開いている。
 今年も、昨年に引き続き「各機関の図書館・情報サービスご担当者様に加え、研究者や大学執行部の皆様との対話、情報共有、議論を積み重ねること」がテーマ。初日の基調講演では、「データ基盤から知識基盤へ」と学術分野を横断する新たな知の創造を支援する知識基盤の構築について議論する。
 そのほか、オープニングギャザリング、ネットワーク、情報セキュリティ、認証基盤、研究データ基盤、クラウド、学術情報流通、人材育成など、あわせて25のトラックを開催する。
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 NIIオープンハウスは、NIIに所属する研究者や大学院生が最先端の研究成果を披露したり、NIIが行う国内の学術機関向けのネットワークやデータベース構築などの事業について紹介する年に1度の研究所公開イベント。企業や大学・研究機関の研究者はもちろん、高校生や大学生、一般でも、情報学に興味があれば誰でも参加できる。
 今年の基調講演のテーマは「医療生成AI」。日本の医療生成AIの研究・開発の現状や課題について、黒崎所長による研究活動報告をはじめ、4人の専門家が多角的に解説する。
 NIIの研究者が最新の研究成果を披露するデモ・ポスターセッションは、午前と午後あわせて5時間設定。展示を見たり、研究者から直接話を聞いたりすることができる。またNIIと企業が連携して取り組む研究を紹介する「産官学連携セミナー」では、「快適な音環境の実現に向けた音空間情報処理技術」をテーマに、空間的なノイズキャンセリング技術の実用化に向けた取り組みを産学連携の視点から紹介する。
 このほか、若手からベテランまで、NIIの10人の研究者がこれまで手掛けてきた10の研究を次々に紹介しながら、研究の面白さを伝える「NII研究100連発」、NIIが参画する総合研究大学院大学 先端学術院 情報学コースの「大学院説明会」もある。
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 オープンサイエンスをテーマとした日本最大のカンファレンス「ジャパン・オープンサイエンス・サミット2025(Japan Open Science Summit 2025、JOSS2025)」は、オンラインとのハイブリッド形式で開催する。イベントは、国立情報学研究所、科学技術振興機構、物質・材料研究機構、科学技術・学術政策研究所、情報通信研究機構(NICT)、学術資源リポジトリ協議会、情報知識学会、合同会社AMANEの共催で開催する。
 ジャパン・オープンサイエンス・サミットは、過去6回開催され、各研究分野の研究者、大学図書館員やURAといった支援者、IT基盤の研究開発者に加え、政策立案者や企業・NPO関係者、さらに市民科学者などが参加し、熱気にあふれたセッションを展開した。
 今年も、オープンサイエンスに関する新しい取り組みや成果を共有し、コミュニティ活動を広げる機会となるイベントを目指している。

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。