
第50次ソマリア沖派遣隊が帰国報告
海上保安庁は、8月7日午前10時から東京・霞が関の海上保安庁会議室において、「第50次ソマリア周辺海域派遣捜査隊帰朝報告」及び派遣捜査隊への長官表彰授与式を行った。派遣捜査隊員たちは、海上自衛隊の第50次派遣海賊対処行動水上部隊・護衛艦「あさひ」(艦長:髙城正太2等海佐)に乗艦し、アフリカのソマリア沖・アデン湾において、海賊行為の監視・情報収集を行ったもので、派遣期間は令和7年2月2日から8月2日までの182日間。
帰国報告では、徳永省吾(とくなが・しょうご)隊長から瀬口良夫(せぐち・よしお)長官に「第50次ソマリア周辺海域派遣捜査隊は182日間の業務を終え無事帰国した」旨、元気に報告。
瀬口長官は「非常に過酷な環境の中で、海上自衛官とともにソマリア周辺海域の安全を確保し、非常に精悍な顔つきで帰ってきたことに大変嬉しく思う。ソマリア周辺海域では8件の海賊事案があったと聞いている。一時は終息状態にあったが、また増加傾向にある。加えて、武装勢力が周辺海域で攻撃する中、重圧・過酷な環境下で皆さんが立派に任務を終えて帰国したことを誇りに思っている。長期にわたり海上自衛官と寝食をともにして、お互いの理解と信頼を更に進めたことは、今後の海上自衛隊との連携の礎になると思う。今般得た知識・経験をもとに一皮むけた業務遂行を楽しみにしている」などと労いの言葉をおくった。
表彰された派遣捜査隊員は、隊長の徳永省吾(本庁)、副隊長の髙山浩二(たかやま・こうじ/三管区)、隊員の田中雅基(たなか・まさき/本庁)、太田元(おおた・はじめ/三管区)、西井絢太朗(にしい・けんたろう/五管区)、平井隆棋(ひらい・りゅうき/六管区)、小林怜史(こばやし・さとし/七管区)、川上恵太(かわかみ・けいた/九管区)の各氏。
防衛省統合幕僚監部によると、海賊対策のために派遣された海上自衛隊・水上部隊の護衛艦「あさひ」の活動状況について、直接護衛は0回、護衛隻数0隻(海賊対処法に基づく護衛開始以来の累計3955隻)と発表。内訳は▽日本船籍なし(累計26隻)▽わが国運航事業者が運航する外国籍船0隻(累計701隻)そのうち日本人が乗船する外国籍船0隻(累計51隻)▽その他の外国籍船0隻(累計3228隻)そのうち日本人が乗船する外国籍船0隻(累計31隻)。なお、海上警備行動に基づく護衛(第1回~第41回)の実績は含まれていない。
ゾーンディフェンスは、実施日数16日(累計2971日)、確認した商船数32隻(累計35449隻)。事案への対処等を行った事例は特になし。