
令和8年度予算に19兆884億円要求 総務省所管一般会計総額は前年度比1・5%減
総務省は令和8年度所管予算の概算要求概要を公表した。一般会計総額は19兆884億円で、前年度比2977億円減(1・5%減)となった。情報通信関連では、「AI社会を支えるデジタルインフラの整備等」(625・0億円)や「サイバーセキュリティ対策の強力な推進」(54・7億円)、「デジタルインフラの中核となる技術・システムの国際競争力の強化、経済安全保障の確保等」(576・3億円)等を盛り込んだ。
総務省は令和8年度所管予算の概算要求概要を公表した。一般会計総額は19兆884億円で、前年度比2977億円減(1・5%減)となった。情報通信関連では、「AI社会を支えるデジタルインフラの整備等」(625・0億円)や「サイバーセキュリティ対策の強力な推進」(54・7億円)、「デジタルインフラの中核となる技術・システムの国際競争力の強化、経済安全保障の確保等」(576・3億円)等を盛り込んだ。
概算要求における情報通信関連の主な事業は次の通り。
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【Ⅰ活力ある地域社会の実現と健全で持続可能な地方行財政基盤の確立】
『AI社会を支えるデジタルインフラの整備等(625・0億円+事項要求) 』
▽データセンター、海底ケーブルの整備やワット・ビット連携関連実証事業(27・0億円+事項要求)▽5G、光ファイバ等の通信インフラ整備(50・6億円)▽低軌道衛星コンステレーションを活用した衛星通信の自律性向上(事項要求・新規)▽自動運転の社会実装に向けた通信環境の確保(20・5億円)▽電波の有効利用促進(525・8億円)▽情報通信インフラのエンジニアの持続的な人材確保(1・0億円・新規)
『地域DXの推進( 866・9億円+事項要求)』
▽AI等のデジタル技術と通信インフラを活用した地域課題解決策の創出・実装を支援(21・1億円)
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【Ⅱ信頼できる情報通信環境の整備】
『デジタル空間の健全性の確保等(80・5億円)』
▽インターネット上の偽・誤情報の流通・拡散に対応するため、対策技術の開発・実証・社会実装及び意識啓発を推進(29・2億円)▽電気通信サービスの不適正利用対策等の推進(7・4億円)▽デジタル時代における放送制度の検討(43・4億円)▽没入型技術における安全・プライバシー確保に関する利用環境の整備(0・6億円・新規)
『サイバーセキュリティ対策の強力な推進(54・7億円+事項要求)』
▽行政機関や重要インフラ事業者等を対象とした高度セキュリティ人材の育成(17・5億円)▽政府端末やネットワーク観測を通じたサイバーセキュリティ情報の収集・分析(23・2億円)▽総合的なIoTセキュリティ対策の強化(13・0億円)▽地方公共団体のサイバーセキュリティ対策の強化(0・9億円+事項要求)
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【Ⅲ防災・減災、国土強靱化の推進による安全・安心なくらしの実現】
『林野火災や大規模災害に備えるための消防防災力・地域防災力の充実強化(114・0億円+事項要求)』
▽林野火災や大規模災害に備えるための消防防災力の充実強化(4・4億円+事項要求・新規)▽消防防災分野の新技術・DX推進(5・0億円+事項要求)▽緊急消防援助隊の充実強化(67・6億円)▽消防団等の充実強化(8・5億円+事項要求)▽常備消防等の充実強化(15・9億円)▽火災予防対策の推進(2・7億円+事項要求)▽自治体の災害対応能力・国民保護体制の強化(6・3億円+事項要求)▽消防防災分野における女性や若者の活躍推進(0・8億円)▽被災地における消防防災体制の充実強化(1・8億円)▽特別行政相談の大規模広域災害時の対応力強化(1・0億円・新規)
『通信・放送インフラの強靭化(70・9億円)』
▽通信ネットワークの強靱化、携帯電話基地局の強靱化や通信復旧体制の拡充、官民連携による通信確保支援等(35・1億円) ▽放送ネットワークの強靱化、地上波やケーブルテレビ等(35・7億円)▽Lアラートによる災害情報の確実な伝達の推進(0・2億円)
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【Ⅳ国際競争力の強化・経済安全保障の確保】
『デジタルインフラの中核となる技術・システムの国際競争力の強化、経済安全保障の確保等(576・3億円+事項要求)』
▽オール光ネットワーク技術等の次世代情報通信基盤の研究開発・国際標準化・社会実装・海外展開の加速(138・3億円)▽宇宙通信分野における先端技術開発・技術実証の推進(10・0億円)▽AI開発力の強化(20・0億円)▽量子暗号通信の研究開発・社会実装の推進や基礎・基盤技術の研究開発の推進(365・6億円)▽デジタルインフラの海外展開支援(30・2億円)▽政府端末やネットワーク観測を通じたサイバーセキュリティ情報の収集・分析(23・2億円)▽ICT分野におけるスタートアップ育成の推進(3・0億円)
『国内外におけるAIガバナンスの実現(4・7億円)』
▽AI事業者ガイドラインの更新・周知(0・4億円)▽広島AIプロセスの推進等による国際的なルール作りへの貢献(4・3億円)
『放送・配信コンテンツの製作力強化・海外展開推進(16・3億円)』
▽コンテンツの企画開発及び4Kなど先進的技術を活用した高品質のコンテンツ製作の支援(5・0億円)▽製作取引の適正化と製作環境のDX化(7・3億円)▽配信プラットフォームや国際見本市を通じた海外展開支援(4・0億円)
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このほか総務省の主な税制改正要望及び財投要求事項は次の通り。
【税制改正要望】
▽株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の法人事業税の資本割に係る課税標準の特例措置の創設(新設:(地)事業税):通信・放送・郵便分野における我が国事業者の海外展開を支援するJICTの財務基盤の確保のため、法人事業税の資本割に係る課税標準額から政府の出資の金額を控除する特例措置を創設。
【財投要求】
▽株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)のリスクマネー供給強化による我が国事業者の海外展開支援:JICTのリスクマネー供給を強化し、通信・放送・郵便分野における我が国事業者の海外展開を持続的・安定的に支援(産業投資680億円、政府保証120億円)。
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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