無線局の免許状等を紙からデジタルへ 総務省が10月1日から、インターネット上で内容閲覧も可能に

 総務省は、電波法及び放送法の一部を改正する法律(令和7年法律第27号、改正法)に基づき令和7年10月1日、無線局の「紙の免許状」等を廃止し、無線局の免許状等を全てデジタル化するとともに、免許人等が免許等の内容をインターネットで閲覧できる仕組みを導入する。
 近年、政府では全体として、個々の行政手続やこれに関する行政機関の事務が一貫してデジタルで完結する「デジタルファースト原則」を推進している。これに伴い、電波法に基づく行政手続についても、免許人等及び行政機関の双方の業務の更なる迅速化や効率化、コスト削減に資するデジタル化を更に推し進める必要があるという。
 ここでいう免許等は、無線局の免許、無線局の登録、高周波利用設備の許可を指す。また免許状等は、無線局の免許状、無線局の登録状、高周波利用設備の許可状。免許人等は、無線局の免許人、無線局の登録人、高周波利用設備の設置者。免許記録等は、免許記録、登録記録、高周波利用設備の許可記録を含む。
 改正法に基づき、無線局の「紙の免許状」等を廃止し、無線局の免許状等を全てデジタル化するとともに、免許人等が免許等の内容をインターネットで閲覧できる仕組みを導入する。具体的には、次の通り。
 ▽免許人等は、その免許等の内容が記録された、免許記録等を下記のウェブサイトで閲覧できるようになる(利用は無料。利用するための機器や通信料等は、利用者負担となる)。
 総務省電波利用電子申請(https://www.denpa.soumu.go.jp/)
 ▽電子申請を行い、改正法の施行日(令和7年10月1日)以後に、免許等や許可等を受けた場合は、特段の手続を行わなくても、免許記録等が閲覧に供される(書面の委任状により申請を行うなど、申請方法により手続が必要となる場合がある)。また、施行日より前に免許等を受けている場合、または書面申請を行った場合であって、免許記録等を閲覧したいときは、電子申請により閲覧請求をする必要がある(手数料は無料)。
 ▽紙の免許状等は交付されなくなる。紙の証明書(免許記録等に記録されている事項の証明書)が必要な場合は、書面申請または電子申請により請求することができるが手数料が必要となる。
 ▽既に発行済みの免許状等は、施行日以後、紙の証明書(それぞれ免許事項証明書、登録事項証明書または高周波数利用設備の許可事項証明書)とみなされるため、特段の手続を行わなくても従前どおり無線局等を運用できる(免許記録等との変更がない場合に限る)。
 ▽無線局の免許等の手続等の手数料は施行日に改正されるため、申請等の際は注意が必要となる。新手数料は、総務省電波利用ポータルで確認できる。併せて、登録検査等事業者の登録証を廃止し、その登録事項をインターネット上で公表する。
 詳細については、総務省電波利用ポータル(https://www.tele.soumu.go.jp/)「免許状等のデジタル化」ページで確認できる。
 総務省総合通信基盤局電波政策課の伊藤健課長補佐は電波タイムズの取材に対し、「無線局免許状等のデジタル化により、免許までの迅速化・利便性の向上が実現する。手数料が約40%お得だったり、免許になったらすぐ運用、備付けがスマートなどメリットがたくさんあるので是非、ご活用をお願いしたい」と話していた。

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。