観音埼灯台とミリエ灯台が姉妹提携、海保庁
 海上保安庁は、11月1日の『灯台記念日』にあわせ、12月にかけて全国各地の灯台で一般公開をはじめとした灯台に関する様々なイベントを展開している中、11月15日(土)に神奈川県横須賀市の観音埼灯台とフランスのミリエ灯台との姉妹灯台提携に関する協力覚書に署名し、「日仏姉妹灯台」として展示物の相互展示や関係者の相互訪問等の分野で協力していくと発表した。

 灯台は、船舶の安全な航行に必要不可欠な「海のみちしるべ」だが、近年においては歴史的、文化的価値を有する重要文化財に指定されるなど、新たな価値や役割を生み出すものと注目されている。『灯台記念日』は、日本初の洋式灯台である観音埼灯台の起工日(1868年11月1日)に因んで定められ、灯台一般公開の期間中は重要文化財に指定されている灯台も公開している。
 観音埼灯台とミリエ灯台による「日仏姉妹灯台」提携に関する協力覚書署名式は、11月15日12時10分から横須賀市のヴェルニー公園・小栗広場にて、日本から海上保安庁、横須賀市、(公社)燈光会が、仏国からはエコロジー転換・生物多様性・森林・海洋・漁業省海事・漁業・水産局(DGAMPA)、在日フランス大使館、ブゼック=カップ=シザン市、ブレスト市、ミリエ灯台協会が出席して行われる。
 観音埼・ミリエ灯台と関連する地域社会との間の歴史的及び文化的つながりの促進のために、両灯台の歴史に関する写真やビデオなどの相互展示、人的交流と情報交換を目的とした相手方が管理する灯台の訪問等を実施する内容の覚書に署名することを予定。署名式において、茨城県大洗町出身の武石尭画伯のミリエ灯台の油絵をフランス政府へ贈呈する。
 両灯台は、ともにフランス人技師によって設計された灯台で、灯台の形が初代の観音埼灯台と同じ家(メゾン)型の灯台になり、ともにフレネルレンズを使用している。
 ◎観音埼灯台:日本最初の洋式灯台としてフランス人技師フランソア・レオンス・ヴェルニー及びフロラン兄弟によって建設されたもので、明治元年(1868年)11月1日に起工、翌年の明治2年1月1日に初点灯。現在の灯台は3代目。
 ◎ミリエ灯台:ブゼック=カップ=シザン市にあるミリエ岬に位置し、フランス人技師アレル・ドゥ・ラ・ノエによって設計され、1881年3月に初点火。観音埼灯台の建設に携わったフランス人技師フロラン兄弟の地元に位置している。
 今後、この提携に基づく協力として協力として、展示物の相互展示や関係者の相互訪問を行うことにしているほか、国際航路標識機関の理事会においてもこの提携について報告の予定。