第8回日本オープンイノベーション大賞 総理大臣賞に東京医歯学総研等、総務大臣賞に日本郵船等
政府は、産学官の垣根を越えたオープンイノベーションの優れた取組みを表彰する、第8回・日本オープンイノベーション大賞を決定、内閣総理大臣賞を「『もう一度、話す喜びを!』ニッチだがアンメットニーズに対峙した臨床家のオープンイノベーションの挑戦」(東京医歯学総合研究所、東京科学大学等)、総務大臣賞に「デジタルインフラと地球環境の両立する洋上データセンター」(日本郵船、NTTファシリティーズ等)、国土交通大臣賞には「共同輸送データベースの普及による持続可能な物流~フィジカルインターネットの実現」(運輸デジタルビジネス協議会等)が受賞した。表彰式は東京都港区虎ノ門の虎ノ門ヒルズフォーラムホールBにて2月9日(月)に行われた。
日本インフライノベーション大賞は、わが国の未来を担うイノベーション創出の加速を目指し、産学連携、企業とベンチャー企業との連携、自治体との連携など、組織の壁を越えて新しい取り組みに挑戦する「オープンイノベーション」の模範的なプロジェクトを政府が表彰するもので、政府各府省の担当分野ごとに大臣表彰するとともに、経済団体、学術団体の会長賞の表彰を行い、各賞の中で最も優れたものを総理大臣賞として表彰した。 内閣総理大臣賞は、プロジェクト「『もう一度、話す喜びを!』ニッチだがアンメットニーズに対峙した臨床家のオープンイノベーションの挑戦」=(株)東京医歯学総合研究所(山田大志代表取締役)、国立大学法人東京科学大学摂食嚥下リハビリテーション学分野・戸原玄教授、三洲電線(株)医療機器開発プロジェクト、富士システムズ(株)営業第二部一課=が受賞。
▽大学の知と企業の技術が声の自由を取り戻し、未来を切り拓く:喉頭癌に伴う喉頭・声帯摘出施術などにより発生能力が失った人が再び声を取り戻すには、従来手法(電気式人喉頭、シャント発声、食道発生)が適応外な場合もあり、また適応でも音質や習得の困難さなどの障壁があリ、この障壁の解消を目的とした。
大学・大学発スタートアップ・民間企業群(電機、電線、医療機器)が連携し、口腔内の動きのみで発生が可能となるマウスピース型人工喉頭「Voice Retriever」を開発。口唇・舌が動き、マウスピースさえ装着できれば、装着初日から会話が可能。2025年7月時点の使用者は200人、2030年は2万人を想定。
総務大臣賞は、プロジェクト「デジタルインフラと地球環境の両立する洋上データセンター」=日本郵船(株)イノベーション推進グループ、(株)NTTファシリティーズデータセンターエンジニアリング事業本部、(株)ユーラスエナジーホールディングス国内事業企画部・技術企画部、(株)三菱UFJ銀行運輸セクター部事業共創投資部、横浜市港湾局=が受賞。
▽「陸から海へ」の前提変更で、データセンターが抱える課題を根本から解決:クラウド普及や生成AIの登場でデータセンター(DC)需要が高まる一方で、DCの運用における様々な課題(電力消費の増大と脱炭素の両立、DC建設期間の長期化、建設費の高騰、耐災害性の確保等)の解決を目的とした。
DCを洋上で建設することで、上記課題の根本から解決を狙う。日本郵船がプロジェクト全体を推進・運営、NTTファシリティーズがデータセンターの設計、ユーラスエナジーが再エネ発電の技術検証、三菱UFJ銀行が金融面からの協創を担う。コストが陸上DCと比べ圧倒的に安価。2025年中に横浜港大桟橋で省エネ100%で稼働する浮体式DCの実証実験を実施予定。
国土交通大臣賞は、プロジェクト「共同輸送データベースの普及による持続可能な物流~フィジカルインターネットの実現」=(一社)運輸デジタルビジネス協議会事務局、(株)traevo=が受賞。
▽物流の需給問題解決へ・共同輸送マッチングシステム:物流の需給逼迫に対し、トラック輸送での積載効率向上として、複数の荷主が車両を共有して同じ納品先へ荷物を運ぶ「共同輸送・」が有効とされている。共同輸送で生じる、他の荷主や車両を探す膨大な労力の解消の実現を目的とした。
運輸デジタルビジネス協議会で運輸事業者、荷主企業、サポート企業が参加した分科会を立ち上げ、動態管理プラットフォーム(traevoPlatform)を元に中長期の共同輸送相手を検索できるユニバーサルシステムを構築。利用各社が共有する物流データは、出発地と到着地の市町村、車種、車格のみで、それを匿名加工した情報で共同輸送をマッチングする。
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内閣総理大臣賞、総務大臣賞、国土交通大臣賞以外(関係分)の各賞の賞名及び取組・プロジェクト名称、機関名は次の通り。
◎科学技術政策担当大臣賞:「ロボット手術で血管テーピングを安全・円滑に行う革新的デバイス「ヴァスガイド」の開発とその臨床応用」(佐々木雄太郎徳島大学病院泌尿器科助教)。
◎文部科学大臣賞:「地方創生を加速する双方向循環型産学共創モデルー技術知と人材の好循環を生み出す地域共創の新機軸ー」(国立大学法人広島大学の山本透副理事(産学連携担当/大学院先進理工系科学研究科教授/デジタルものづくり教育研究センター部門長、脇谷伸大学院先進理工系科学研究科准教授/一般社団法人デジケーション代表理事、木下拓矢大学院先進理工系科学研究科准教授、坂元康泰デジタルものづくり教育研究センター副センター長(特任教授)。
◎厚生労働大臣賞:「産学官連携による世界初の歯周病治療器『ブルーラジカルP―01』・行動変容アプリ『ぺりミル』の社会実装」(Luke(株)、国立大学法人東北大学大学院歯学研究科)。
◎農林水産大臣賞:「スカブター:AI・AR技術による非接触型体重推定デバイスの社会実装」(国立大学法人宮崎大学の川末紀功仁工学部教授、Khin Dagon Win工学部特別助教、徳永忠昭農学部准教授、金子政時医学部教授、助川慎日本ハム(株)中央研究所リーダー)。
◎経済産業大臣賞:「アカデミアと企業の連携による抗COVID-19薬の開発研究と社会実装」(国立大学法人北海道大学の澤洋文ワクチン研究開発拠点卓越教授/拠点長、大場靖子人獣共通感染症国際共同研究所教授、佐々木道仁同研究所准教授、佐藤彰彦塩野義製薬(株)主席研究員/北海道大学客員教授、佐名木孝央塩野義製薬(株)主任研究員/北海道大学客員研究員)。
◎日本経済団体連合会会長賞:「ビジョン共有で社会課題を解決する新たな産学協創モデル『日立東大ラボ』」((株)日立製作所研究開発グループ、国立大学法人東京大学)。
◎日本学術会議会長賞:「分野も組織も世代も越える研究ポスター発表形式(通称:100人論文)による本質対話とマッチング創出」(国立大学法人京都大学学際融合教育研究推進センタ)。
◎選考委員会特別賞:①「産学官連携による防災研究『ウォーターチェンジャー』の社会実装プロセス~能登半島地震被災地で活躍した新潟県企業から生まれたトイレカー『リバイオ』の誕生~」(渡利高大国立大学法人長岡技術科学大学環境社会基礎工学分野准教授、監物秀樹ユニトライク(株)代表取締役、吉澤厚文東京電力ホールディングス(株)フェロー、Nur Adlin Binti Abu Bakar AQVANA(株)CEO、荒井和孝(株)ニットク取締役)、②「民間から実務家教員を登用する新しい産学連携人材育成モデル~最先端の知見を伝え、デジタル人材不足の解消へ」((株)ビズリーチみらい投資プロジェクト、独立行政法人国立高等専門学校機構本部事務局学務課)、③「北の大地を拓く!JAつべつ×北見工業大学オホーツク地域を潤すスマート農業イノベーション」(津別町農業協同組合、国立大学法人北海道国立大学機構北見工業大学オホーツク農林水産高額連携研究推進センター、NTTドコモビジネス(株)、(株)キュウホー)。