5G時代を見据えたxR技術提携を発表 羽田空港でスマートグラスの貸し出しを実施 KDDI

 KDDIはこのほど都内で記者会見を開き、Osterhout Design Group(ODG)と日本国内におけるAR・VRなどxR技術を活用したスマートグラスの企画・開発を共同で推進する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。 両社が締結したパートナーシップは、ODGが開発したスマートグラス「R―9」をベースにKDDIが国内利用に向けた対応をサポートするもので、日本人が着用しやすいデザインへカスタマイズを行い、日本国内向けのスマートグラスとしての可能性について実証実験を通じて追求していくという。 今後両社は現在「R―9」に搭載しているWi―Fi通信機能に加えて、スマートグラスでセルラー通信を可能とするモデム機能の搭載に向けてクアルコムと検討を進めていくといい、実証実験ではスマートグラス向けの映像サービスの提供を目指して2018年の夏季限定で日本航空(JAL)と連携して羽田空港国際線ターミナルのJAL国際線サクララウンジ・スカイビューにて希望するユーザーにスマートグラスを貸し出し、複数種類の映像を楽しめるサービスを提供する。 また、KDDIは5G普及による新たなビジネスモデルの創出を目的に、バーチャルキャラクターとxR技術等を活用したビジネスの開発を開始し、5月以降にクリプトン・フューチャー・メディアやフィールズグループ、パソナテック、長野県飯田市といったパートナー企業や自治体とともにビジネストライアルを実施すると発表した。 パートナーシップ締結にあたり、KDDI理事兼商品・CS副統括本部長の山田靖久氏は高速・低遅延・大容量が特徴の5G通信やAR・VRといったxR技術について「当社が通信とライフデザインの融合を推進し、お客様のワクワクをご提供するために必要不可欠な技術」と説明し、今回のパートナーシップ締結については「当社は音のVRや遠隔地とのVR英語レッスンなど、様々なパートナーと様々な形でxRというものに取り組んで参りました。通信とモバイルの世界はデバイスの進化と共に世の中のライフスタイルを変革してきたということもあり、これからの5Gの時代にはスマートフォン以外のデバイスの進化が考えられます。当社は5Gを見据えて、xRの取り組みを加速させ、様々なライフイベントにおいて時間と空間を越える体験の創造を今後も全力で取り組んでいきます」と話している。 ODGのCOOのピート・ジェイムソン氏は「当社の変わらぬビジョンは、このスマートグラスが次世代のモバイルプラットフォームとなることです。スマートグラスではスマートフォンやタブレットの体験に加えて、デジタルの情報と現実世界を掛け合わせることで新たなワクワクする体験や、より没入感の高いインタラクティブな体験を実現します」とスマートグラスの優位性について語り、締結したパートナーシップについては「本日の発表はこのビジョンを現実にする大きな一歩です。このパートナーシップにより、日本におけるモバイルのメディア消費とモバイルコンピューティングの姿を変革して参りたいと考えています」と期待を語っている。 また、クアルコムのSenior Director,Product Management /Global Head of XRのヒューゴ・スワート氏は「将来のモバイルコンピューティングはスマートフォンからウェアラブルグラスに変わり、全ての遊びや仕事、教育の場でコンピュータとして使われると見ています。また、5G技術も期待をしており、大容量・安定接続・低遅延の5GはxR体験を実現するには必要です。5GとxRを掛け合わせることで、多くの可能性が通信業者に生まれてくるのではないでしょうか。当社はKDDIとODGとxRの未来を実現することを楽しみにしており、黎明期にあるxR市場を成功に導くよう、この先も鋭意取り組みます」と話している。