〝原音探究〟のビクターブランドを再定義 事業戦略およびオーディオ機器2製品を発表 JVCケンウッド

 JVCケンウッドは10月18日に都内で記者会見を開催し、ビクターブランドの事業戦略説明を行ったほか、同ブランドのインナーイヤーヘッドホン「HA―FW10000」を11月上旬より発売すると発表した。 ビクターは2017年に復活を遂げたブランドで、発足時はイノベーションや時代をつくるブランドとして定義づけしていたが、同社ブランド戦略部の山本耕志氏によると「社内でもブランドの再定義を行う必要があった」と振り返り、ロゴマークのニッパーをはじめとする既存のイメージの活用方法も含めて、ブランドの性格を掘り下げていったという。 6月14日にはビクターブランド90周年を記念して限定発売した「RJ―3000MK2」を機に、JVCケンウッドとして多くの事業領域がある中で、「音」の領域についてのブランド戦略を新たに策定。 音の領域に関しては同社が掲げる「原音探究」の思想を再定義して音に関連するサービス・ソリューションにビクターブランドを活用するほか、同社が運営する「VICTOR STUDIO」が培ってきた音質・調整・チューニングなどのノウハウを活用して、プロデュースした製品にビクターブランドを付与していく。また、同ブランドの海外展開については音の価値観や環境は各国によって異なることから、段階的な展開を予定しているという。 競合他社のコンテンツは、時代のニーズによりハードウェアやソフトウェアからネットワーク関係にシフトしているが、同社はハードウェア・ソフトウェアに継続して重要視している特性を活かして「〝原音〟が分かる会社」としてブランディングを進めるとしており、山本氏は「ハード・ソフト・スタジオ以外にもライブハウスを渋谷に設けるなど、バリューチェーンにおいても音については徹底的に追求します。お客様のライフスタイルのあり方も含めて、原音に対してこだわったブランドとして活用していきたい」と話している。 「HA―FW10000」は、新開発した薄さ50μmの軽量ウッドドームをカーボンコーディングしたPET振動板に組み合わせる新開発のウッドドームカーボン振動板を搭載しており、MMCX端子を独立したポッドに収納することで、ハウジングから分離する構造を採用。 また、ハウジング部とウッドスタビライザーには、追い求めた響きの実現に最適だった日本産の楓を採用し、本来の響きを引き出すために無垢材から精密削りだし加工が施され、硬度の高い多層漆塗りを施すことで、クリアで自然な響きが実現されている。市場想定価格は税別18万円前後。別売のワイヤレスオーディオレシバーを使用することで、ワイヤレスでの使用も可能となる。 ほかにも、会場には2019年2月に発売予定の「スピーカーは楽器でありたい」との思いを込めて開発したという、木製の振動板を採用する「WOOD CONE」も公開された。