第94回「放送記念日式典」開催

 NHKは3月15日、「第94回放送記念日」の記念式典を東京都渋谷区のNHKホールで開催した。式典では主催者を代表して上田良一NHK会長、NHK経営委員会の石原進委員長があいさつしたほか、来賓として出席した総務副大臣の佐藤ゆかり氏、日本民間放送連盟会長の大久保好男氏が、それぞれ祝辞を述べた。また、続いて第70回日本放送協会放送文化賞の贈呈式が行なわれ、落語家の笑福亭鶴瓶氏ら9人に同賞が贈呈された。 式典冒頭、主催者を代表して登壇した上田良一会長は、「今回の日本放送協会放送文化賞は放送文化の向上に功績があった9名の方々に贈呈します。受賞される皆さまには、心からお礼とお祝いを申し上げます。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本に対する世界の人々の関心はさらに高まることが予想されます。NHKは国際発信を強化に努めるとともに、視聴者・国民の皆様の期待と信頼にしっかりと応えていきます。 私は会長に就任以来、民間放送の皆さんとのコミュニケーションを心がけ、お互いに切磋琢磨しながら、協調できるところは協調するように努めてきました。NHKは放送と通信の融合時代においても、放送において培った二元体制を堅持し、さらなる放送文化の発展に貢献していきます。 そして、広く受信料によって支えられる放送局としての基本姿勢を守りつつ、公共メディアとして信頼される情報の社会的基盤の役割を果たし、公共的価値の実現を追求してまいります」と挨拶した。   ◇ 続いて来賓が祝辞を行い佐藤ゆかり総務副大臣は、「これまで、我が国におきましては、公共放送と民間放送の二元体制の基で、互いに切磋琢磨しながら、多様な放送番組を通じて豊かな文化をはぐくむとともに、国民生活の向上に寄与してきました。改めて、関係各位の皆さまのこれまでのご尽力に深い感謝と、心からの敬意を表するしだいでございます 近年、インターネットの急速な普及により、特に若い世代を中心にテレビ離れの傾向が見られます。また、国民の情報収集の手段についても、世代や目的により多様化が進んでいます。 しかし、このような環境にあってもNHKは世代を問わず、全ての国民に対して、豊かで良い放送番組を提供し、文化水準の向上や新たな文化の育成の役割を果たしています。昨年12月新4K8K衛星放送が開始され、これまでとは別次元の立体感、臨場感溢れる視聴環境が可能となりました。今後、国民・視聴者の期待に応える4K・8Kならではの魅力的な番組を充実させることが重要です。是非ともNHKには普及に向けて先導的な役割を果たしていただきたいと考えています。 一方、世界に目を向けますと、目まぐるしく世界情勢は変化を続けています。我が国の重要政策や国際問題に対する公式見解、国内の動向を正しく国際社会に発信する重要性も高まっています。インターネットとも連携しながら、NHKワールドジャパンの一層の充実が図られることを期待します。 放送を取り膜社会環境が大きく変化する中で、総務省としましても放送行政の着実な推進に努めてまいりますので、関係される皆様には引き続きのご支援、ご協力をお願いします」と述べた。 続いて式典では、日本放送協会放送文化賞の贈呈式、職員表彰(会長賞)受賞者紹介、営業功労賞受賞者紹介も行われた。