パナソニック 感染症拡大防止を支援する映像監視システム

 パナソニックiーPROアイプロセンシングソリューションズ(福岡県福岡市、尾崎祥平社長)は、感染症の拡大防止対策を支援する映像監視システムを開発し、パナソニック システムソリューションズ ジャパン(東京都中央区、片倉達夫社長、PSSJ)を通じて販売すると発表した。同システムにより、オフィスや商業施設、工場、病院などの人が集まる現場において熱が疑われる者の特定や動きの把握、マスクを着用しない者の発見、特定・発見した対象者への注意喚起や入場管理を支援し、感染症の拡大防止に貢献するという。 同システムは、「発熱者の検知」(2020年11月発売)および「マスク非着用者の検知」(2020年12月発売)の2つの用途から構成されている。このうちの「発熱者の検知」(2020年11月発売)は、i―PROと、サーマルカメラをはじめとする先進的な映像セキュリティを提供するコニカミノルタが連携して開発した。i―PRO製のネットワークディスクレコーダーを、コニカミノルタのグループ会社であるMOBOTIX AGの「MOBOTIX ネットワークサーマルカメラ」とコニカミノルタが開発したMOBOTIXサーマルカメラアプリケーション「Temperature Screening App(テンパーチャー スクリーニング アプリ)」に連携させ、非接触で人間の体表面温度を計測するとともに、MOBOTIXサーマルカメラで撮影した可視映像とサーマル映像をネットワークディスクレコーダーに記録する。発熱者を検知した場合、管理担当者へ通知、もしくはデジタルサイネージの画面案内を行うことで、対象者への声がけや誘導といった入場管理の契機とすることができる。遠距離からの体表面温度測定が可能で、スループット性能が高く、人の流れを妨げることなく測定でき、測定する・測定される側双方の負担を軽減できる。また、ネットワークディスクレコーダーに記録された映像は、発熱者を検知した場合、Temperature Screening Appが発信するアラーム情報を元に確認することもできる。この確認によって、発熱者の動きの把握や、濃厚接触者を特定する手がかりを得ることも可能になる。 一方、「マスク非着用者の検知」は、i―PROが開発した「AIマスク非着用検知アプリケーション」をAIプロセッサー搭載ネットワークカメラで稼働させ、カメラ単体で映像内の人物を特定し、その人物の顔にマスクが装着されているかどうかをAIテクノロジーにより判定する。複数の人のマスク非着用を一つの映像内で同時に検知することができるため、人の流れを妨げることなくマスクの着用をチェックできる。マスク非着用者が検知された場合、検知時のネットワークカメラの映像をネットワークディスクレコーダーに記録。また、デジタルサイネージを接続して画面案内によって対象者への注意喚起を行うこともできる。 i―PROでは、2019年の設立以来、オープンなパートナーシップによる協業・連携の方針に基づいて、幅広い分野でパートナー各社との協業開発や連携を進めている。昨今の新型感染症の拡大を受け、コニカミノルタとの連携で、映像監視のテクノロジーにより「発熱者の検知」を支援するシステムを実現した。I―PROは、さらにコニカミノルタとの連携を深め、両社の製品や技術の連携を通じた、様々な市場のニーズに応えていく。 PSSJは、同システムを通じて、2020年7月に発表した「現場センシングソリューション」の事業戦略のうち「エッジデバイスのさらなる進化」および「AI画像センシング技術の先鋭化」を加速させることで、今後も多様な「現場」に寄り添い、「現場」の安心安全を提供し続けていくとしている。