NHKエンタープライズ、メトロポリタン美術館と超高精細3DCGを共同制作
世界三大美術館の1つと言われるニューヨーク・メトロポリタン美術館(MET)が、「METの代表的な収蔵品9作品について、NHKとの共同制作によって超高精細3DCGを制作した」と発表した。
共同制作は、近年NHKグループが積極的に手がけている国宝や有名美術品の3DCG化について、そのクオリティの高さをMETの担当者が知り、実現した。
この日米共同プロジェクトにおいて、日本側から実際の制作作業に参加したのが、NHKエンタープライズ(NEP)の3DCG制作チーム。今回は、天才画家ゴッホや印象派の巨匠モネの名画、壮麗なヨーロッパ彫刻、エジプト文明を象徴する石像、16世紀フランス王の甲冑、江戸時代の貴重な屏風や襖絵などの3DCG制作に挑んだ。
NEP3DCG制作チームは、これまでに、写楽や歌麿の浮世絵(東京国立博物館)や国宝「油滴天目茶碗」(大阪市立東洋陶滋美術館)やゴッホ「ひまわり」(SOMPO美術館)などの超高精細3DCG化を手がけてきた。
現場では、貴重な作品にダメージを与えない独自の機材と手法で、細心の注意を払いながら3Dスキャナで形状を記録、同時にあらゆる角度から何百枚もの画像を撮影する。その後は、データを処理してモデリング作業を行うことで3Dモデルを作成、現場で撮影した画像をテクスチャとして貼りつけて完成させる。出来あがるのは、色も質感も驚くほど本物に近い3DCGとなる。
またNEPは、去年1年でも、3DCG を活用した東京国立博物館の「イマーシブシアター 新ジャポニズム」や「ゴッホ展~家族がつないだ画家の夢~」などの没入型展示映像を制作、さらにロサンゼルスで半年に渡る3DCG展示会を開催、オーストリアのアルスエレクトロニカフェスティバルでも発表するなど、完成度の高い卓越した制作力を国内外で披露してきた。
3DCG化すると有効なのは、文化財や美術品に限りらない。〝形あるものは全てが対象〟となり得る。例えば、企業が生産する「スニーカー」や「食器」や「バッグ」や「服」や「アクセサリー」や「家具」や「商品パッケージ」。歴代商品のデザインと色と質感の変遷を未来へと伝えるデジタルアーカイブ化が可能。
また、超高精細なデータは、3Dプリンターに出力して超高精細なレプリカを作成することが可能。美術館・博物館での補助資料やワークショップの教材として、また、教育現場への出張展示等にも活用できる。また、超高精細かつ正確無比なデジタルデータは、収蔵品の2次利用を目的としたデジタルコンテンツサービスなどへの利用が期待できるという。
3DCGを体感できるイベントを東京で3月3日(火)から開催する。概要は以下の通り。
▽イベント名:「メトロポリタン美術館×NHK アート新体験プロジェクト~ゴッホ、モネから江戸の屏風まで~」
▽期間:2026年3月3日(火)~3月29日(日)
▽場所:NHK放送博物館 1階・2階 愛宕山8Kシアター
・開館時間 午前9:30~午後4:30
・休館日 月曜日

この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
最新の投稿
放送2026.03.06NHKエンタープライズ、メトロポリタン美術館と超高精細3DCGを共同制作
放送機器2026.03.06高知さんさんテレビ 春の高校バレーにBlackmagic Replay使用
放送機器2026.03.06Inter BEE 2026、出展者募集開始
放送ルネサンス2026.03.06【放送ルネサンス】第49回:境 治さん(コピーライター/メディアコンサルタント)