
RØDE、大型ファームウェアアップデート~「ロードキャスタービデオ」に無償のNDI対応など
RØDE Microphones(ロードマイクロフォンズ)は、オールインワン映像制作スイッチャー「ロードキャスタービデオ」のファームウェアアップデート(バージョン1・2)を公開した。
同アップデートは、コンテンツクリエイター、配信者、プロの映像制作現場のワークフローを劇的に向上させるもので、無償のNDI対応やPTZカメラコントロールといった画期的な新機能が含まれている。これにより、小規模な配信から放送品質が求められる現場まで、より柔軟で強力なワークフローを実現する。
同ファームウェアは、RØDEのコンパニオンアプリ「RØDECaster App」経由で、現在無償でダウンロード可能。
アップデートの主な新機能と強化点は以下の通り。
▽NDI対応
イーサネット接続を介して、最大4つのNDI入力と1つのNDI出力を利用できる低遅延のビデオ・オーバーIP機能を追加する。これにより、カメラやiOSスマートフォンなどのNDI対応ソースを同一ネットワーク上で簡単かつ高品質に接続でき、専用の映像ケーブルが不要になるなど、ストリーミングやライブプロダクションのワークフローがかつてないほど効率化される。
▽RØDE CaptureアプリのNDI対応アップデート
iOSアプリ「RØDE Capture」もアップデートされ、NDI機能とiPhoneのフロント・リアカメラを同時に使用するデュアルカム・ストリーミングに対応。iPhoneをワイヤレスのマルチアングル映像ソースとして、より柔軟に活用できる。
▽PTZカメラコントロール機能
互換性のあるNDI対応PTZカメラのパン、チルト、ズームをロードキャスタービデオから直接リアルタイムで制御できる。指定したカメラをプリセットに保存し、シーンボタンに割り当てることで、ボタン一つで特定のアングルを呼び出すことが可能。
▽ルマキー機能
輝度(明るさ)に基づいて映像をフィルタリングし、入力ソースの黒い背景を透過させる機能。暗い部分ほど透明になるため、グリーンバックを使わずに、テロップ、タイトル、ロゴ、アニメーションなどを簡単にオーバーレイできる。
▽キーマスクとレイヤーストレッチ
キーイング領域を正確にクロップし、不要なエッジを削除する。グリーンバックがフレーム全体を覆いきれない場合に最適。ソフトエッジやシャドウコントロールと組み合わせることで、クリーンでプロフェッショナルな合成が実現する。また、シーン内のレイヤーを伸縮させることも可能になった。
▽映像入力のオーバーレイ化
あらゆる映像入力をダウンストリームキーとして使用可能になり、よりシンプルな操作で高度な映像表現を実現する。常時表示のピクチャー・イン・ピクチャーを設定したり、外部グラフィックジェネレーターからの映像をプログラム出力に直接オーバーレイしたりできる。
▽ロードキャスターシリーズ製品との連携強化
ロードキャスタープロⅡまたはロードキャスターデュオの個別の音声チャンネルと、ロードキャスタービデオの特定のカメラアングルを連携させることができる。これにより、マイクで話している人物のカメラに自動で映像を切り替える 「オートスイッチング」が実現する。
▽角丸機能
ユーザーから最も要望の多かった機能の一つ。すべてのシーンレイヤーとオーバーレイに角丸を適用できるようになり、円形のピクチャー・イン・ピクチャーなど、より洗練されたデザインが可能になる。
▽UI(ユーザーインターフェース)の強化
オーディオメーターの改善により、ミュート中のチャンネルでもメーターがグレーで表示され、音声が入力されているかを常に視覚的に確認できるようになった。また、HDMI出力とNDI出力で個別のオーディオミックスを設定できるなど、ユーザー体験を向上させる数多くの改善が施されている。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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