
BeeLabがBlackmagic Design製品を使用して配信
ブラックマジックデザインは、イタリアのヴァッレ・ダオスタ州にあるアイススケートリンクであるThe Courmayeur Sport Centerで、ヨーロッパで最も長い歴史を持つ格闘技の祭典の一つ、Oktagonの第28回大会が開催された。
クライアントの要求は野心的なものだった。日常業務を中断することなく、稼働中のアイスアリーナを、冗長性を備えた信頼性の高い放送環境に変換してほしいという依頼だった。制作会社のBeeLabは、販売店のMancoによるサポートの下、Blackmagic Designワークフローを搭載した2台の中継車で、この難問に立ち向かった。
屋内と屋外の温度差が15度あったため、結露の危険を常にはらんでいた。BeeLabのテクニカル・ディレクターであるエンリコ・ベルトラーモ氏は、「ケーブルは高い位置に設置するか、カバーが施され、信号と電源は分離されてショートを防止しました。地面が滑りやすく、頭上のトラスがなかったため、カメラの配置、リグ組み、動きも影響を受けました」と語る。
同社は、この制作を行うにあたって2台の中継車を配備した。各中継車は完全に同期された状態で、異なる役割を果たした。メインの中継車はカメラの撮影、切り替え、ルーティング、オーディオを担当し、2台目の中継車はグラフィック、リプレイ、再生、DAZN以外のセグメントの配信を担当した。
このシステムの中核となったのは、ATEM 1 M/E Advanced Panel 10と組み合わせたATEM 4 M/E Constellation 4Kライブプロダクションスイッチャーだった。4つのマルチビューフィードが、ディレクター、ビジョンエンジニア、リプレイ担当者、照明デザイナーに送信された。
冗長性が得られるように、重要な信号すべてをSDIとIPのハイブリッドでバックアップした。伝送にはLiveU LU800が使用され、バックアップとしてLU600を配備し、EIタワーサーバーを経由してDAZNにルーティングされた。リプレイは同社の社内システムで管理され、DeckLink Quad 2キャプチャー・再生カードを介して4つのSDIフィードが収録され、瞬時の再生に使用された。LEDコンテンツはATEM Mini Extreme ISOライブプロダクションスイッチャーを介してResolume Arenaに送信され、静止画像の再生はHyperDeck Shuttle HD放送デッキが行った。前座試合は別のvMixセットアップを使用して配信された。
プログラム出力とクリーンフィードは、SSDを用いて、HyperDeck Studio 4K ProにProRes 422で収録された。同時に、ATEM SDI Extreme ISOがH.264でバックアップの収録を行うと共に、DaVinci Resolveプロジェクトを生成し、事前に同期されたマルチカムタイムラインに全カメラアングルがリンクされた。「イベント終了直後にResolveプロジェクトを開いたのですが、全カメラアングル、カット、タイムコード、オーディオがすべてそのまま保存されていました。
これにより、番組のハイライトやSNS用のコンテンツを非常に迅速に作成できました。このレベルの即時性は、堅牢で拡張性があり、機敏なワークフローを確立したからこそ可能となりました。これにより、固定インフラのない会場を完全に機能する放送スタジオに変身させることができました」(エンリコ氏)。
電波タイムズの取材に対し、エンリコ氏は「弊社の中継車はすべてBlackmagicの機材で作られているので、弊社の制作するもののほとんどにBlackmagicの機材を使用しています。
格闘技の世界では、他にもDAZN TVのイベントをプロデュースしています。『The Arena』と『ペトロシアン・マニア・ゴールデン・エディション』を2回プロデュースしました」と答えた。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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