
富士フイルム、広角撮影と22倍ズームを実現~4K対応の放送用ズームレンズ
富士フイルムは、機動性に優れ、広角から望遠までを1本でカバーする汎用性の高い4K対応放送用ズームレンズ「FUJINON UA22x4・8BERD」を開発した。
「UA22x4・8」は、2/3インチセンサーを搭載した放送用カメラに対応し、全長約252mm・質量約2・2kgの小型軽量ボディで、広角撮影と高倍率を実現した。機動力が求められる報道現場や、スタジオ撮影のほか、臨場感が求められるスポーツ中継など多彩なシーンで活躍できる機能性を備えている。
広角4・8mmによるダイナミックな撮影から、106mmの望遠域をカバーする、高倍率22倍ズームレンズ。1本で多彩なシーンを撮影でき、報道・スタジオ撮影・スポーツ中継などさまざまな撮影現場で威力を発揮する。
全長約252mm・質量約2・2kgと軽量コンパクト設計を実現。持ち運びしやすく、カメラを肩に担ぎながら撮影する「肩担ぎスタイル」での負担を軽減する。
同社独自の光学シミュレーション技術を活用し、画面周辺の解像力低下と色のにじみなどあらゆる収差を抑えることで、ズーム全域で高品位な4K画質を実現。また、同社独自の多層コーティング処理「HT―EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」により、光の透過率や色再現性を高めています。これらの特性を生かし、黒つぶれや白飛びを抑え、肉眼で見たときに近い「HDR(ハイダイナミックレンジ)」での撮影が可能。夕暮れ時のスタジアムなど、明暗差の激しい撮影シーンでも、豊かな階調を再現する。
ズーム全域で最至近撮影距離0・4mによるクローズアップ撮影が可能。広角4・8mmと合わせて限られたスペースでの撮影の幅が広がる。ズームやフォーカスの位置情報などのレンズデータを高分解能で出力できる16bitエンコーダーを標準装備。CG映像とライブ映像を合成するバーチャルスタジオなど、さまざまなシステムと連携できる。
同社は、「UA22x 4・8」を4K対応の放送用ズームレンズの新たなラインアップとして、2026年春に発売する予定。また、2025年9月12日~9月15日に、オランダのアムステルダムで開催される国際放送機器「IBC2025」にて「UA22x4・8」を参考展示する。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。