インテリジェントウェイブ、「EoM Core」のPoC実施

 インテリジェントウェイブは、放送業界向けのIPパケット監視装置 「EoM Core」の無料PoCを実施している。
 EoM Coreは、映像伝送におけるIPストリームをリアルタイムにモニタリングする監視装置。100GbE/10GbE等の高速ネットワーク上のIPフローもFPGAのアクセラレーションによってリアルタイムな可視化と監視を実現する。
 IPマスターコントロールシステム、IPサブコントロールシステム、ライブ配信や回線システムなどの放送システムにおけるリアルタイムIPフロー監視を実現し、問題発生時の迅速な問題切り分けや、品質維持に貢献する。
 放送システムにおける問題は映像や音声等様々なものがあり、その原因の切り分け、特定も容易なものではない。また問題がネットワークやIPストリームに起因する場合、ネットワークの可視化が必要だが、無料ツールでは原因の特定が困難な場合が多く、課題解消に大幅な時間やコストがかかることもある。
 IPフローモニタリングソリューションは流れるIPストリームを可視化し、ネットワーク、IPストリーム、デバイスなどの問題に対して、発生原因の特定、課題解消に利用できる。解析データを標準で30日分保存可能なため、過去の傾向を含めた時系列の解析が可能。
 同ソリューションを利用することで、問題発生をリアルタイムに検知し、発生事象を迅速に解決できる。
大手放送局をはじめ、様々な現場での利用実績があるが、EoM Coreが採用されるのは3つの理由があるという。
 ▽IP映像配信業界における標準プロトコルをサポート
 放送業界における標準プロトコルに対応している。
 【対応プロトコル】
SMPTE ST 2110―20/30/40、SMPTE ST 2022―2/6/7、NMI(Networked Media Interface)
 ▽複合的な監視が可能
 監視項目、通知方法、各閾値は管理画面から自由に設定可能。パケットドロップ率、ジッター、レイテンシー等の単純なモニタリングだけでなく、様々な観点で複合的な監視ができるため、問題発生時の原因究明に寄与する。
 ▽カスタマイズ可能なUI
 要望に応じたUIにカスタマイズでき、DataMinerとの連携にも対応している。過去データの閲覧も可能。
 PoCでは、最大30日分の時系列データを閲覧、問題発生箇所を瞬時に特定、アラート発報機能でトラブルに即対応、フロー名称表示などのサポート機能で運用を支援などを体験できる。
 電波タイムズの取材に対し、「競合製品に対しての優位点としてはEoM Coreは解析項目を標準で30日分保存可能な他(パケット全量ではなく、EoM Coreとして取得している項目のみ)、ご要望に応じて保存期間の拡張が可能です。
 また、ドライブレコーダ型のパケットキャプチャ機能により、問題発生時の生パケット(PCAPファイル)を取得することが可能なため、アラートとなった原因に関する深い調査が可能です(アラート発生前後の数百ms)。
 費用については「パッケージ」「HW(サーバ、サーバパーツ)」「保守」で構成され、パッケージは買い切り販売がメインとなります。
 PoCの期間については特に定めておりません。ただし、将来的に有償となる可能性がございます」と答えている。

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。