パナソニック、CMをAIで審査!?~審査時間50%削減目指す

 パナソニック コネクトは「映像メディア事業説明会および新製品発表会」で、Inter BEEで参考出展予定の広告の審査業務をAIにより効率化する「AI広告審査サポートサービス」も紹介した。
同サービスは放送局のような広告配信媒体を持っているメディアの中で行われている審査業務で使用される。審査業務は、代理店から入稿されてきた広告素材を、法律や各社ごとに決められたレギュレーション等を照らし合わせて、放送しても問題がないかどうか、違反していないかどうかといったところをチェックする業務。
 現状は、審査担当が一つ一つ映像を再生しながら、「視聴者に誤解を与えるような言い回しがされていないか」、「不適切な表現がないか」といった観点から審査業務を行う。
 特に放送局では、インフォマーシャル(「インフォメーション(情報)」と「コマーシャル(広告)」を組み合わせた言葉で、商品やサービスの詳細を詳しく紹介して購買行動を促す長尺のテレビ広告)や、ショッピングチャンネルのような長尺のものに対しても審査対象となるので、かなり業務負荷が高いとされている。そのような審査業務を、AIを活用してできるだけ効率化、省力化するもの。
 具体的には、入稿されてきた広告素材を審査担当者が同サービスに投げて処理を行う。まず最初にAI でこの広告素材の映像にどういった情報が含まれているのかというメタデータを抽出する。
例えば、テロップだったり音声などをメタデータを抽出するが、このメタデータとあらかじめ設定しておいた審査基準、法律だったり各社のレギュレーションといったものを含んだ審査基準と比較して照らし合わせることで、違反リスクがある部分だけを抽出する。
 今まで審査の担当者が全部見て、自分でリスクをチェックしたところを、リスク検出までをこのサービスで行うことで、担当者がする業務としては、そのリスク抽出されたものを見ながらチェックし、これはOKなのかNGなのかを判断するだけなので大幅に省力化できると考えている。
審査の結果、見解というところは、最終的には人で判断してもらう必要が出てくるので、そういった見解を入力するともに、審査結果を登録してもらい、それを代理店に返すという流れになる。
 この登録した結果だったり、見解については、サービスの方でノウハウとして蓄積することができるようになっている。ノウハウとして蓄積することにより、各社ごとに合わせた審査基準が出来上がり、精度が向上する。
 審査時間を50%ぐらいの削減をめどに開発を進めているという。
 現場ソリューションカンパニー ヴァイスプレジデント 映像メディアサービス本部 マネージングダイレクターの梶井孝洋氏は、「競合製品は存在しますが、ここまでシステム化されているものはありません。
 我々はインターネット広告はターゲットにしておらず、あくまでも放送局向けに展開していく予定です」と語った。