アストロデザイン、次世代ワンチップDLPプロジェクターを初披露~大画面の高品質表示を低コストで実現
アストロデザインは、新製品・イマーシブソリューション内覧会を開催し、日本初公開となる次世代HEP型1chip DLP+RGB独立型レーザー光源搭載機「E―Vision 10000i 4K+ RGB」を公開した。
「E―Vision 10000i 4K+ RGB」は、ダイレクトRGB独立レーザー光源を採用した次世代のワンチップDLPプロジェクター。
ブランドはDigital Projection、もともとはイギリスのプロジェクターメーカーだった。現在は台湾のDelta Electronicsの子会社になっている。
Delta Electronicsは、電源や電子機器の分野で非常に大きな企業で、実はプロジェクターに関しても多くのメーカーのOEM・ODMを行っている企業だ。そのDelta Electronicsが自社ブランドを持つ目的で Digital Projection を買収し、このブランドで製品を展開している。
なお、Digital Projection は欧米ではChristie Digital Systems、Barcoといったハイエンドプロジェクターメーカーと並ぶブランドとして知られており、評価の高いメーカーだ。ただし、日本ではまだ知名度が高いとは言えないのが現状という。
E―Vision 10000i 4K+ RGB特徴は、大きく分けて2点。
1つはレインボーエフェクトがほぼ発生しない点。一般的なワンチップDLPプロジェクターでは、カラーホイールを回転させてRGBの色を時間分割で表示する方式が多いが、その結果として「レインボーエフェクト(虹色ノイズ)」と呼ばれる、虹のようなチラつき現象が起きる。
しかし、E―Vision 10000i 4K+ RGBは、RGBのレーザー光源をそれぞれ独立して使用しているため、カラーホイールを使用しないので、時間分割の色生成がない。結果として レインボーエフェクトがほとんど発生しない。
もう1つは広い色域だ。従来のレーザープロジェクターの多くは、青色レーザー+蛍光体(フォスファー)という方式を使っている。仕組みとしては、青色レーザーを照射し、蛍光体に当てて黄色光を生成して白色光を作り、カラーホイールでRGBを作るもの。
同機種はRGBそれぞれのレーザー光源を独立して使用しているため、色純度が非常に高く、色域(Color Gamut)が広いという特徴がある。
さらに価格帯もポイントになるという。一般的にプロジェクターの価格は、ワンチップレーザープロジェクターモデルは約100万〜200万円程度で、3DLP RGBレーザープロジェクターモデルは約600万〜700万円以上で、レンズは別売となる。
今回のこのモデルは、そのちょうど中間の価格帯に位置する。輝度やレンズ構成にもよるが、おおよそ300万円台から導入可能という。
アストロデザインが同プロジェクターに注目した理由は、大画面の高品質表示を非常に低コストで実現できる点にあるという。
例えば同じサイズの表示をLEDディスプレイで構成すると、1000万円台以上になるケースも珍しくない。
それに対して、このプロジェクターを使えば、同等の大画面表示をLEDの3分の1〜5分の1程度のコストで実現することが可能になる。
これまでのプロジェクターでは色域、コントラスト、画質のどこかを妥協する必要があった。しかしこのプロジェクターでは、それらを我慢することなく、大画面の高画質表示が実現できるという点が大きなポイントになるとした。
用途は、研究機関や映像評価用途だけでなく、レビュールーム、カラーグレーディング、映像制作の色確認といったプロダクションワークにも十分対応できる。
この価格帯で制作現場でも使える品質のプロジェクターが登場したという点が、今回の製品の大きな意味になるという。
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今回のデモでは、その色域の広さをアピールするため、赤のプライマリーポイント(純度の高い赤)を強調した映像を表示した。特に鮮やかな赤や飽和度の高い色は、RGB独立レーザー方式のプロジェクターで特に違いが分かりやすいポイントになる。
また、青森ねぶた祭の映像も表示、明るい部分とやや暗い部分、暗い部分に分かれている被写体でも非常に自然で豊かな色表現を可能した。
さらに、エメラルドブルーや高彩度グリーンといった色は、従来のプロジェクターでは色域の外側にあるため表現が難しい領域という。その場合、色が白っぽくなる、彩度が落ちるなどの現象が起きます。
しかしこのプロジェクターはRGB独立レーザー光源を採用しているため、こうした色域の端の色までしっかり再現することができるという。

「E―Vision 10000i 4K+ RGB」



この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。



