
日本ケーブルラボが第16回定時社員総会 (7)
◇2024年度事業報告(抜粋)
5)「有線」
13、アクセス回線におけるインフラシェアの検討「技術委員会」
ケーブルテレビ事業者が持つネットワークのインフラの一部をモバイル事業者の基地局のアクセス回線として貸し出すビジネスの実現性について検討を行った。
基地局の各種アクセス回線(フロントホール/ミッドホール/バックホール)の技術要件を情報通信技術委員会(TTC)の技術資料を参照した結果、ミッドホールで必要な帯域は4Gbps、遅延特性は10ms以下であること、またバックホールでは技術要件の規定がないことから、これらの用途では、現状の10G-PON回線が利用可能であることが判明した。
さらに将来に向けて、帯域や遅延特性が良好なXR-Opticsの採用や貸し出しする回線をデータのルーティングにより区別するSR-v6などの技術による対応の可能性について調査を行うとともに、モバイル事業者のニーズ調査結果を取りまとめ、「DOC-109 アクセス回線のインフラシェア調査報告書」を2005年5月に発行した。
14、集合住宅における棟内配線方式のガイドライン「技術委員会/事務局」
集合住宅各戸へのFTTH化は極めて重要なインフラ戦略であるが、特に、棟内の配管が無い(利用できない)場合、光ケーブルの配線や各戸への引き込みが大きな課題となっている。その技術課題の把握とその解決策の事例収集を目的に先進的なケーブル事業者5社の現地視察を実施した。その工法として、外壁の美観を損ねない露出配線や外壁穴あけによる引き込み、棟内用の小型スプリッタの採用などの情報を収集した。これらの情報はFTTH化を断念し、同軸や電話線により対応せざるをえない物件に対して有効な対策と考えられる。
また、集合住宅デジタル高度化協議会に賛助会員として参画し、通信事業者やマンションISPの施工情報や、工事会社の工法や製品情報を収集した。
以上をケーブル事業者向けにまとめた「DOC-110 集合住宅 FTTH化に関する調査報告書」を2025年5月に発行した。
15、E-PON相互接続運用仕様(SPEC-027)改定「事務局WG」
日本ケーブルラボ仕様書JLabs SPEC-027 1.2版「E-PON相互接続運用仕様」について、異ベンダ機器間(OLT-ONU)の相互接続性を高めることを目的に、仕様改定を検討するWG(正会員9社と賛助会員6社)を2024年5月に設置した。本相互接続仕様はベンダーロックイン回避のために極めて重要である。
2024年度は、WGを13回および作業班を8回開催し、異ベンダ間相互接続における課題抽出を図り、その解決手段を協議して仕様書案にとりまとめた。また、本仕様書案に基づく関連メーカおよびベンダによる相互接続試験を完了後、2025年7月に既存のSPEC-027とは別の改訂仕様書を発行する予定である。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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