ケーブル技術ショー開催レポート 住友電気工業(3)

 このほかデモンストレーションで紹介したのが『STBリモートアシスト(遠隔保守)』(参考出展)。これは、ユーザーの〝お困りごと〟をSTBリモートアシストでスムーズに解決する。コールセンターの応答時間を短縮して、より充実したサポート環境を提供する。端末状態を把握しながら応対できるため迅速、的確な回答が行える。具体的には、クラウドサーバーと事業者/管理者、事業者/オペレータ、ユーザー宅とやり取りを行う。事業者/管理者では▽オペレータのアカウント管理▽統計情報の閲覧(ファーム浸透率の推移、録画機能利用率、アプリ利用率ほか)を行う。事業者/オペレータでは▽ユーザーの表示画面をリアルタイムで閲覧▽STB状態の確認(リモコン電池残量表示、電波状態表示)▽STBの操作を一部代行(リモコン操作、STBリセットほか)を行う。そしてユーザー宅では対話ロボットによるユーザー操作支援(オペレータの負荷軽減)を行う。デモンストレーションでは「テレビのリモコンが効かない」と困っている時に対話ロボットが『『電池切れてるよ』と呼びかけるシーンを見せた。
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 住友電気工業は7月17日、次世代高速PONに対応する製品を2026年から順次販売開始すると発表した。段階的かつ経済的に将来の50G PONへの移行を可能とする製品を2028年より順次提供する。同社は「ケーブル技術ショー2025」において、25GのPON装置を参考出展した。
 同社は、既存のIEEE規格をサポートしながら、ITU―T規格のPONにも対応可能なOLT製品の開発を進めている。2028年より新OLT製品(IEEE規格の1G/10G対応)の提供を開始し、2030年に新OLT製品に搭載可能なITU―T規格の50G PON回線カードを提供する。これにより、既存サービスを継続しながら段階的かつ経済的に50Gサービスへ移行することが可能となる。
 直近の通信高速化ニーズに応えるため、2026年より同社がシステムインテグレーターとして、米Harmonic社製の25GのPON製品を提供する。住友電気工業は長年にわたり同社との協業関係を築いている。

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。