ケーブル技術ショー開催レポート ミハル通信(1)

 一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟(東京都中央区、今林顯一理事長)、一般社団法人日本CATV技術協会(東京都新宿区、中村俊一理事長)、一般社団法人衛星放送協会(東京都港区、滝山正夫会長)は、7月24日(木)・25日(金)に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で「ケーブルコンベンション2025」及び関連イベント「ケーブル技術ショー2025」を開催した。「ケーブル技術ショー2025」は、ケーブルテレビ業界の技術革新とビジネス拡大に必須の「モノからコト、そしてヒト」との出会いを提供するイベントで、コンセプトは、「POTENTIAL! ~ケーブルテレビがもたらす地域課題解決への力~」。事務局発表によると「ケーブル技術ショー」の7月24日(木)の来場者数(速報値)は5283名、7月25日(金)の来場者数(速報値)は5784名だった。両日合計の来場者数(速報値)は1万1067名となった。

 ミハル通信は「ケーブル技術ショー2025」に出展し、「つながるとこんなに広がる!ケーブルテレビの新たな可能性」をテーマに、各ケーブルテレビ局が持つネットワークを活用し、「つながり」による新たなビジネスチャンスのきっかけとなるソリューションを紹介した。また、ブース内には同社独自のサウンドヤード「ELL Soundyard」を設置し、イマーシブな映像音響空間を再現した。
 「ELL Soundyard」(サウンドヤード)内には、22個のスピーカを設置して、22・2chサラウンドを実現したイマーシブな立体音響空間を再現した。正面のスクリーンにはプロジェクターで映し出した4K映像を投影し、祭りや花火などの映像を見ることができた。まるでその会場にいるような音響で、圧倒的な臨場感を体感できた。
 同社は、2025年6月1日に開催された「第20回湘南よさこい祭り」を主催者である「第20回湘南よさこい祭り実行委員会」および湘南ケーブルネットワークの協力のもと、撮影収録してきた。この映像もサウンドヤード内でブース来場者に見せた。ミハル通信が開発した22chマイク(通称ウニマイク)を使用した。このマイクで収録した音を、22・2chスピーカー1本1本と1対1で出力することで、サウンドヤード内で立体音響を再現している。
 Soundyardの特長は▽ホテル、飲食店、クラブ、公共施設などでコンサート、花火大会、スポーツ中継などのイマーシブライブ・ビューイングを体感できる▽伝送システムから音響設備構築までトータルソリューションを提案する▽Soundyardスピーカー、スクリーン、プロジェクター、吸音パネルなどを要望に合わせてカスタムする▽ミハル通信で開発した22・2chのマイクで収録した音をSoundyard内で立体音響を再現することができる。なお、ミハル通信の鎌倉本社では、Soundyardの体験ルームを常設している。
 このシステムで重要な役割を示すのが「極」超低遅延HEVCエンコーダー・デコーダー「ELL Lite」。同機は多チャンネルPCM音声に対応した2K/4K HEVCリアルタイムコーデック。高品質な映像と音声を、超低遅延で伝送する。
 同社は「ELL Lite」を用いた次世代リモートプロダクションを提案している。ケーブルテレビ局の制作現場におけるリモートプロダクションに加え、2025年7月3日にNHKテクノロジーズ主催で実施したビルボードライブ東京(東京都港区)における伝送実験といった次世代リモートプロダクションを紹介した。ここでの特長は▽「極」超低遅延の2K/4K対応HEVCエンコーダー・デコーダー▽フレッツ光等の公衆回線による伝送が可能▽多ch(64ch)の非圧縮デジタル音声を伝送(MADI/Dante)▽1台でエンコード・デコードの両方に対応。

 

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。