シャープがケーブル技術ショーに空気清浄機(2)

 また「空気清浄機は、日常的に使われる生活家電です。一般的に部屋の中のいつもいる場所とかに置かれます。一番身近にいる場所で使うので、より情報を伝えやすくなってくるのではと思っています。もちろん緊急用のためだけの端末ではなく日常的に使うもので、日常的に機器が動くことを意識してもらえている、何よりも日常時にも使うことができる機器ですので、平時でのご利用、非常時には地域情報の防災情報発信というフェーズフリーなIoT家電で地域防災をサポートします。幅広く活用していただけると思っています」という。
 ケーブルテレビは、地域の公共施設(社会福祉施設の共有スペース、保育園・幼稚園の教室、公民館・役場のオフィス・ロビー)と親和性があると話す。「そういう施設の人が集まる空間に空気清浄機を置くことで、いざという時の情報も伝えやすくなります。自治体も空気環境を良くするという衛生対策にも使えますし、そして非常時にはこの情報発信を伝えます。自治体もケーブルテレビも、災害時に様々な情報発信手段を持たれていますが、例えば空気清浄機で注意喚起をして、テレビやスマホで見ていただくという複数の手段を組み合わせることでより詳細な情報を伝えられると思っています」と述べた。
 シャープは『災害時はAIoT家電のネット接続率データを収集し、地域の異常(停電・通信断状況など)を見える化する』実証実験を行った。「もともと家電というのは通常お住まいのお部屋にあっていつでも日用品で使っていて、誰でも使えるものなのです。今や全国の一般家庭で幅広くこのIoT家電が使用されています。そのデータは例えば天気予報と組み合わせて、より空気浄化に使っていただいたり、洗濯機の洗濯情報とか、エアコンとかのより快適な空気制御とかに使っています。様々なデータを個人のサービスにだけ使うのではなくてこういう社会課題解決に使えるのではないか、そういう取り組みから防災への取り組みを始めました。そしてこのネット家電は常に全国でこうした接続をしています。停電があるとその接続、通信ができなくなってしまうのでその接続率の変化っていうのを見ることによって、停電が起きるとそこの地域の空気清浄機がシャープのクラウドと一時的に切断されてしまう、通信ができなくなってしまうことがわかります。その数の変化を地域ごとに取りまとめることによって、地域の異常・停電とか、そういう状況がわかるような実証を行っています。すでにシャープのAIoT家電で『ヘルシオ』や冷蔵庫、エアコン、洗濯機などは発話機能を備えていますが、やはり、空気清浄機は施設などでも日常的に使われる機種なので、今回は空気清浄機でご提案させていただいた」と述べた。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。