[NHK]6月放送 特集ドラマ『天城越え』主人公・大塚ハナ役の生田絵梨花が役どころを語る

松本清張ミステリーの真骨頂

 

NHKは15日、NHK BSで6月14日に放送する特集ドラマ『天城越え』の取材会を東京・渋谷の放送センターで開いた。会見には、主人公・大塚ハナ役を演じる俳優/歌手の生田絵梨花さんが出席し、撮影を振り返るとともに役への思いなどを語った。

 

これまで何度も映像化されてきた松本清張の短編小説が原作。脚本は映画「フラガール」や連続テレビ小説「ちむどんどん」などを手掛けた羽原大介さんが担当した。

 

大正末期、伊豆の天城峠で起き、その後迷宮入りになった殺人事件。その真相を30年以上も追い求める老刑事と、真実を記憶から抹殺した男が30年越しに邂逅。そこから人間の業と運命を一大悲劇へと昇華させる、松本清張ならではの人間ドラマが展開する。

 

 

生田さんが演じる大塚ハナは、伊豆・修善寺の遊郭にいた遊女。ある日、店を抜け出し、天城峠を越えようとする途中で、下田から家出してきた望月次郎少年と運命的な出会いを果たす。次郎の純粋な気持ちに胸を打たれるハナだが、殺人容疑で逮捕されてしまい、警察での強引な取り調べに殺害を自供してしまう。だが、その態度には不自然な様子があった…。

 

「少しでもハナの心情を身近に感じていただけたら嬉しいです」

 

 

本作が初の時代劇出演となった生田さんは遊女という役どころについて「最初は私に務まるのかな…という不安もありましたが、当時の遊女の方々がどのように生活をしていたのか、また、どういう時代だったのかを調べたり、実際に天城トンネルへ行き裸足で歩いたりするなかで、自分事としてハナを生きることができるんじゃないか、と思うようになっていきました」と心境の変化を語り、「物語の舞台となる時代は現代とは全く違いますが、観てくださる皆さんに少しでもハナの心情を身近に感じていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。

 

役作りについては「遊女としての妖艶さや色っぽさをどう表現するかが大きな課題でした。撮影に入る前に所作指導の方に入っていただいて、着物ではどう動いたら色っぽく見えるのか、どのように動いたら色っぽく見えるかなど、引き出しをいっぱいいただき、撮影ではそれらを実践しました」と明かし、「また、話し方が軽くならないように落ち着いたトーンだったり、話すスピードなど深みのある発声を意識しました」と振り返った。

 

会見の最後、視聴者に向けて生田さんは「この時代は生まれた家や環境で運命が決められてしまうことがあったそうです。自由を求めても得られない、そういう人生を今、観ることによって何か心に刺さるものがあるんじゃないかと思いますし、自分はこれからどのように生きていくかを改めて考えていただける機会になるんじゃないかと思います」とメッセージを送った。

 

作品概要

特集ドラマ『天城越え』
【放送予定】NHK BS 6月14日(土)午後9時~10時29分
【原作】松本清張 『黒い画集』より
【脚本】羽原大介
【音楽】fox capture plan
【出演】生田絵梨花、萩原聖人、奥野瑛太、若村麻由美、岸谷五朗ほか