NHK大阪放送局 2026年度後期連続テレビ小説『ブラッサム』主演会見に石橋静河が登壇

自由を求め続けた作家・宇野千代氏をモデルにした物語

 

NHK大阪放送局は5月29日、大阪市中央区の同局スタジオで2026年度後期連続テレビ小説『ブラッサム』の制作発表・主演会見を開いた。会見には、主演を務める俳優の石橋静河が登壇した。

 

連続テレビ小説第115作の『ブラッサム』は、明治から大正、昭和の時代を駆け抜け、自由を求め続けた作家・宇野千代氏をモデルとした物語。好奇心旺盛で即行動するパワフルでチャーミングな小説家の生涯を描く。

 

物語は明治30(1897)年、山口・岩国に生まれたヒロイン葉野珠が、幼い頃の夢を諦めず、故郷の山口・岩国を飛び出し魅力的な人々との出会いによって、夢を手繰り寄せ、大正・昭和の激動の時代へと突き進んでいく。大正から昭和にかけて、関東大震災と戦争、結婚と離婚、倒産そして借金など、様々な困難に直面しながらも、自由を求めて小説家として花を咲かせていく姿が描かれる。
 

タイトルの「ブラッサム」には「咲き誇れ」という思いが込められており、主人公が自分を肯定し奮い立たせる言葉を意味する。また、チェリー・ブラッサムの「桜」は宇野千代氏のトレードマークでもあり、小説やファッションによって人々に幸せを運んだ「花咲かおばあちゃん」のような生き方にも重なるという。

 

「〝晴天の霹靂とはこのことか!〟と思いました。いまだにびっくりしています」

 

ヒロイン・葉野珠(はの・たま)を演じるのは石橋静河。連続テレビ小説への出演は2018年の「半分、青い。」以来2回目。2017年の初主演映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」では、ブルーリボン賞のほか多数の新人賞を受賞した。また昨年のドラマ10「燕は戻ってこない」(NHK)では、東京ドラマアウォード2024主演女優賞を受賞した。テレビドラマでは「東京ラブストーリー」「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ)大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)など数多くの話題作に出演してきた。

 

発表会見で石橋は「このたび『ブラッサム』の主人公、葉野珠を演じさせていただくことになりました。声をかけていただいたときはびっくりして、〝晴天の霹靂(へきれき)とはこのことか!〟と思いました。いまだにびっくりしています」とオファーを受けた際の心境を語った。

 

モデルとなる宇野千代氏については「本当にたくさんのエッセイや小説を残されている方で、読み切れないぐらいの量があるんですが、いろんな本を読んでいくうちに〝なんて素敵な方なんだ!〟と思うようになりました。こんな素敵な方をこれから1年以上、長い時間をかけて、キャスト・スタッフの方と掘り下げていけるのかと思うと、とてもうれしいです」と喜びを表現した。

 

そして「先日読んだ本にあった秘書の方の言葉ですが、宇野さんに毎朝〝きょうの調子はいかがですか〟と聞くと、〝最高です!〟と答えていたそうです。私もまずはそこから、毎朝起きたら〝最高です!〟と言おうかなと思っています。朝、全国の皆さんが、テレビを見て〝きょうもいいもの見たな、よし!〟と思ってもらえる作品にしたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」と意気込みを語った。

 

脚本を担当する櫻井剛氏は「宇野千代さんは、小説家、着物デザイナー、雑誌の編集と、さまざまな花を咲かせた人物。宇野さんをモデルにした本作の主人公・葉野珠もまた、たくさん書いて書いて働いて、そして華やかに恋もして、色とりどりの花を咲かせてくれると思います」とコメント。
 
制作統括の村山峻平チーフ・プロデューサーは「どんなにつらく苦しいことがあっても〝生きること〟を選択してきた、およそ100年の生き様に心を動かされました。同時に、目の前にある一日の大切さにも気づかされました。一日を迎える自分の心や気分、そして相手にかける言葉や表情次第で、その日がたのしいものに変わりうる。そんな一日をちょっとずつ積み重ねていくことが、愉快で幸せに思える人生につながる、のだと。珠が生きる一日一日は目まぐるしく、時に苦しみや悲しみに襲われることもありますが、戸惑い悩みながらも、愉快に痛快に前に突き進んでいく珠の姿によって、見ている皆さんの一日一日に、ぱっと花を咲かせるようなドラマを半年間お届けできればと思っています」と制作に向けての意気込みを語っている。

 

石橋静河と脚本を担当する櫻井剛氏㊨

 

2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』は2026年秋からNHKで放送予定。