
広島放送局 音楽特番「いのちのうたフェス2025~平和がいいに決まっている!~」8/7全国放送
NHK広島放送局は、昨年11月から展開している「被爆80年プロジェクト わたしが、つなぐ。」の一環として、音楽特番「いのちのうたフェス2025~平和がいいに決まっている!~」の公開収録を7月18日、平和記念公園内の国際会議場フェニックスホールで実施した。
音楽を通して「平和」と「いのち」の尊さを伝え、広島・長崎の被爆の事実、世界の戦争の現状を一人でも多くの人に知ってもらうことを目的に開催。司会は南こうせつ、イモトアヤコ、広島放送局の小野文惠アナウンサーが務め、=LOVE、さだまさし、ナターシャ・グジー、HIPPY、ポルノグラフィティが出演し、平和への思いを込め、渾身のパフォーマンスを届けた。
番組のサブタイトル「平和がいいに決まっている!」は、1986年に始まったチャリティーイベント「広島ピースコンサート」の合言葉。このコンサートのメンバーだった南こうせつが、1992年に「広島ピースコンサート」のテーマ曲として作った「いつまでも夏になれば」を歌い、軽快なメロディーでコンサートの幕開けを演出した。
毎月6日に「被爆者の声を聴く会」を主催している広島出身のシンガーソングライターHIPPYは、広島の日常風景をつづった「きんさいや」で会場を盛り上げた。また、全国の中学・高校から「被爆者の声を聴く会」の話をしてほしいという依頼に応え、講演する姿に密着した映像も紹介する。
1987年から20年間“無料”のコンサート「夏 長崎から」を開催してきたさだまさしはこのコンサートの知られざる出発点と南こうせつとの浅からぬ縁を明かし、2009年に発表した「いのちの理由」を届けた。
今年「被爆80年プロジェクト」のテーマソング「言伝-ことづて-」を制作した広島・因島出身のポルノグラフィティは、被爆の実相を伝える活動をする人々のもとを訪れ話を聞き、この曲を作った。観客の前で初披露となるパフォーマンスは、歌の一節を観客と一緒に歌うスペシャルバージョンで届けた。また、作詞の新藤晴一がタイトルに込めた思いや、作曲の岡野昭仁が今回のステージに臨む思いも紹介する。さらにヒット曲「アゲハ蝶」では、会場が一つになる迫力のパフォーマンスで盛り上げた。
ウクライナ出身の歌手で民族楽器バンドゥーラ演奏家のナターシャ・グジーは、さだまさしが作詞・作曲した「防人の詩」をバンドゥーラの弾き語りで届けた。2022年にウクライナ侵攻が始まってからまもなく人道支援を行うようになった彼女は、どのような思いで活動に取り組んでいるか、そして平和への切実な思いを語った。
アイドルグループ=LOVEのリーダーで広島県出身の山本杏奈と大場花菜、髙松瞳は、地元・広島で被爆した人々を取材している崇徳高校新聞部の活動に密着。そこで感じた思いを語り、今SNSを中心に人気を集める「とくべチュ、して」を披露した。
司会を務めた南こうせつは、「緊張感もあったが、とにかく楽しかった」と語り、広島の方々が被爆から80年のこの年に、平和記念公園の中からコンサートを届けていること自体が素晴らしいことだと述べた。アーティストたちが「いろんな方の思いを背負っている感じがした」とし、「見てくださる方とアーティストとのかけあいが生まれて、よりステージが輝いて見えた」と感想を述べた。
同じく司会のイモトアヤコは、音楽番組の司会は初めてだったものの、「観覧に来てくれたみなさまがとにかくあたたかかった」と述べた。番組については「音楽番組ではあるけれど、それだけではなくて、平和を願う方々の思いや人間のストーリーを感じた」と語り、ステージの最後に広島の高校生たちと歌った「上を向いて歩こう」では、「みんな笑顔で楽しい雰囲気のはずなのに、なぜか見ていてちょっと泣きそうになってしまった」と明かし、今回の番組への参加が「平和について考えるきっかけにもなった」と述べた。
■番組概要
「いのちのうたフェス2025~平和がいいに決まっている!~」
放送:2025年8月7日(木)午前1時25分~2時37分(8月6日深夜)〈総合/全国放送〉
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当