[NHK]NHKスぺシャル ZeebraとZORNが新たな歌を紡ぎ出すまでの知られざる舞台裏と葛藤の日々を記録

NHKは、日本を代表するラッパーのZeebraとZORNが、現代の戦争と戦後80年の記憶をテーマにした新たな楽曲制作に取り組む様子に密着したNHKスペシャル「戦火の時代 いまに紡ぐ歌 PASS THE MIC」を8月18日の夜、総合で放送する。番組では、東京大空襲で孤児となり、苛烈な戦後を生きた人々の元に通い続けるZORN、ガザやウクライナなど戦火の只中に生きるアーティストとの交流を重ねたZeebra、それぞれの舞台裏と彼らが最後にたどり着いた境地と覚悟に迫る。

 

Zeebraの挑戦:戦火に生きる声と響き合う

 

キングギドラのフロントマンとして1995年にデビューして以来、日本のヒップホップ界に旋風を巻き起こしてきたラッパーZeebraは、ライミング、フロウ、トラックメイキングに加え、社会的・政治的なメッセージを強く打ち出したリリックで知られている。今回、「同じ時代を生きる者として、現代の戦争に向き合いたい」という思いから、パレスチナやウクライナなど、実際に戦火の只中に生きるラッパーたちとのコラボレーションに挑んだ。作り上げた楽曲には、リアルタイムで戦争を経験している彼らが「戦争によって何を奪われたのか?」という切実な思いが込められ、人々が置かれた現実を可視化することを目指している。

 

 

Zeebraは「この楽曲が一人ひとりが戦争を自分事として捉えるきっかけとなり、明日の戦争を一つでも少なくすることにつながることを期待している」と述べている。
 

ZORNの挑戦:80年前の「声なき声」を未来へ

 

ZORNは、地元・葛飾での暮らしや3人の娘を育てる日々など、等身大で身近なテーマをリリックに紡いできたラッパー。80年前に地元で起きた「東京大空襲」と「戦災孤児」に強い関心を持ち、当事者の体験談を歌詞にする楽曲制作に乗り出した。

 

 

戦争体験者が年々減少する中「記憶の継承」が大きな課題となっている。ZORNは、ヒップホップアーティストとして、戦争を体験した人々の「声なき声」を未来につなぐことが自身の役割だと語る。また、この楽曲のトラックには、2010年に他界した世界的プロデューサー・Nujabesの楽曲が使用されている。Nujabesのトラックに日本語ラップが乗せられるのは今回が初めてのことで、遺族の了承を得て実現した画期的な試みとなった。

 

ZORNは「ヒップホップは元々“声なき声”を拾い上げてきた音楽。80年前の戦争の“声”が失われる前に語り継いでいきたいという思いで楽曲を制作した」とコメントしている。

 

番組概要

「戦火の時代 いまに紡ぐ歌 PASS THE MIC」

放送:8月18日(月)午後10時45分~11時34分(総合)