
NHKと民放5局、温暖化対策特集番組を共同制作 最新技術で「ガマンしない」未来を提示
NHK総合テレビで28日放送
NHKと民放キー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)の計6局は、9月28日(日)午前10時5分から、共同キャンペーンの特集番組「1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために『最新技術でガマンしない!みんなが得する温暖化対策』」を総合テレビで放送する。この取り組みは、国連「SDGメディア・コンパクト」加盟メディアによる気候危機対策キャンペーンとして今回で4年目を迎える。
今年の日本は観測史上もっとも暑い夏を記録し、熱中症や線状降水帯の増加に加え、コメや野菜の生産への大きな影響が出るなど、地球温暖化は私たちの暮らしを直撃している。温暖化対策はとかくネガティブで、ガマンを要求されがちだ。しかし、番組では「みんなが得する温暖化対策」をテーマに掲げ、最新技術の力で明るい未来を切り開くさまざまなヒントを紹介するという。
ライバル局アナがバディを組み現場取材
出演するアナウンサーは、NHKの高瀬耕造アナ、日本テレビの後呂有紗アナ、テレビ朝日の佐々木快アナ、TBSテレビの日比麻音子アナ、テレビ東京の佐々木明子アナ、フジテレビの上垣皓太朗アナの6人。番組では、各局のアナウンサーが2人ずつバディを組み、温暖化対策の現場を取材する。ふだんはライバル局同士であるアナウンサーたちの貴重なロケ先での対話も見どころだ。
【チーム再エネ】日比麻音子アナ(TBSテレビ)と佐々木快アナ(テレビ朝日)が、太陽光発電の新技術を体験する。窓がカギとなる可能性を探る。
【チーム海】後呂有紗アナ(日本テレビ)と佐々木明子アナ(テレビ東京)が、CO2を吸収する海を守る、おいしくて役立つ究極の食材に迫る。
【チーム万博】高瀬耕造アナ(NHK)と上垣皓太朗アナ(フジテレビ)の関西人バディが、万博の脱炭素技術を目撃する。CO2を空気から回収する技術や、オランダ館の再利用の取り組みなどを紹介する。
番組には、モナコ公国の国家元首であるアルベール2世公や、ポツダム気候影響研究所所長のヨハン・ロックストローム博士らがVTR出演する。また、世界を襲う異常気象の報告や、氷に起きている異変に関する科学者の警告、6人のアナウンサーによるポジティブなアクションへの本音トークも放送される。
共同制作動画も公開
6局は今回のキャンペーンのため、共同で1分のオリジナル動画を制作し、公開している。この動画は各局および国連広報センターのHPで公開され、キャンペーンの主旨に賛同すれば営利目的以外の使用(研修等)が可能だ。さらに15秒のショートバージョンは28日(日)まで、全国約60か所に設置されたデジタルサイネージにて配信される。
今回のスペシャル番組は、制作時にも環境への負荷低減に努めている。出演者とスタッフは「グリーンメモ」でサステナブル・プロダクションへの意識を共有し、LEDスタジオでの収録を実施した。また、美術セットにはバーチャルやリユース・リサイクル素材を取り入れ、番組後も活用できるものを選定した。BBCが開発したCO2カリキュレーター(アルバート)を用いて制作に伴うCO2排出量を測定し、番組内で紹介する取り組みも続けている。
なお、このスペシャル番組はNHKプラスでの見逃し配信とともに、TVerでも9月29日(月)午後2時から10月5日(日)午前11時まで配信される。NHKでは、今後も国際会議COP30(11月開催)の時期を中心に、「1.5℃の約束」キャンペーンに参加する予定だという。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当