文化放送 石川県輪島市の臨時災害放送局に2番組を無償提供 復興支援と制作負担軽減へ

文化放送はこのほど、能登半島地震で被災した石川県輪島市町野地区の臨時災害放送局「まちのラジオ」に、人気コンテンツ「大竹発見伝~ザ・ゴールデンヒストリー」と「アーサー・ビナード ラジオぽこりぽこり」の2番組を、10月から無償で提供すると発表した。この取り組みは、いまだ復興過程にある現地聴取者への応援、および「まちのラジオ」スタッフの番組制作負担軽減の一助となることを願うものとして、同局が決めたもの。

 

臨時災害放送局

 

臨時災害放送局は、自然災害などの被災地にラジオ局を臨時開設できる制度を利用した放送局。ごく限られた予算で少人数運営されるため、放送コンテンツの制作が大きな負荷となっている現状がある。

「まちのラジオ」の運営スタッフ

 

「まちのラジオ」は、令和6年能登半島地震及び令和6年9月能登半島豪雨で甚大な被害を受けた輪島市町野町に、FMラジオ局として2025年7月7日に開局した。能登半島地震では唯一の臨時災害放送局で、北陸3県(富山・石川・福井)で初の開局となった。開局には、町野復興プロジェクト実行委員会(町プロ)と、東日本大震災の際に臨時災害放送局を運営した一般社団法人オナガワエフエム(運営支援)が関わっている。放送地域は、輪島市町野地区全域および周辺地域(輪島市・能登町・珠洲市の一部等)。

 

提供番組について

 

文化放送が今回提供する2番組は、生きるためのヒントや勇気を感じられる内容として人気が高く、能登の人々を励ますものと期待されている。

 

一つ目は、平日ワイド「大竹まこと ゴールデンラジオ!」内の人気コーナー「大竹発見伝~ザ・ゴールデンヒストリー」。「日々、黄金の歴史あり」をコンセプトに、史実や市井の人々の体験談を紹介する内容。「まちのラジオ」では、10月6日(月)より、月曜から金曜の13時30分頃に放送が始まる。

 

二つ目は、アメリカ人の詩人、アーサー・ビナードによるトークコラム番組「アーサー・ビナード ラジオぽこりぽこり」。ビナードは、能登半島地震後、度々能登に足を運んでおり、2025年9月にも町野町を訪れている。「まちのラジオ」では、10月11日(土)より土曜日の13時30分に放送され、再放送も行われる予定だ。

 

災害時のラジオの役割を重視

 

文化放送は、2011年の東日本大震災の際にも「女川さいがいエフエム」などの震災被災地の臨時災害放送局に対し、読み聞かせ番組「おはなし玉手箱」などを提供した実績を持つ。今回の番組提供は、「まちのラジオ」の運営協力をしている一般社団法人オナガワエフエムからの相談を受け、決定に至ったという。

 

文化放送は、災害時にリスナーの安心・安全を守る役割を果たすラジオの役目を重視しており、今後も垣根を越えた協力やさまざまな取り組みを行っていく方針を示している。