
NHK 2026年度 ラジオ2波体制へ再編 ラジオ第2の廃止を正式決定 総務相へ認可申請
NHKは9月30日、現在AMで放送中のラジオ第2を2026年3月末に廃止することを正式に決めたと発表した。同日に開催された経営委員会で廃止の方針を議決した。免許上はラジオ第2を放送している波を廃止することになり、今後は総務大臣への認可申請を速やかに行うという。
NHKは現在発表している「経営計画2024―2026年度」の中で「事業支出改革」の一環として、「コンテンツの総量削減、設備投資の大幅削減等による収支改善(事業支出削減の実現)」「コンテンツDXの推進、クラウド時代のワークフロー見直し等での実現」とともに、「メディアの整理・削減」の取り組みとして2026年3月末に音声波の再編を行うことを掲げており、現行のラジオ第1、ラジオ第2、NHK―FMの3波体制を、2026年度からAMの一波とFM波一波の2波にする方針を明記している。
再編後、AM波(新 NHK AM)は、安全・安心を担う音声基幹波として生放送中心のニュースや生活情報、福祉番組を放送する。命と暮らしを守る情報をいち早く届けることをサービスの根幹とし、多様なジャンルの番組を通じて暮らしに役立つ情報を提供するとしている。一方、FM波(新 NHK FM)は、高品質な音楽・芸能番組とともに学びの機会を届ける音声波となる。具体的には、音楽、伝統芸能、語学・教育番組を編成する。リスナーの興味・関心に深く応える音楽番組を中心に、多様な学びに役立つ教育番組を提供する。現在、ラジオ第2で放送されている語学番組や教育番組の多くは原則としてFMに移行する方向で検討されている。
なお、災害発生時は「新 NHK AM」「新 NHK FM」ともに、これまでと同様、災害の規模や状況に応じ、ニュース、ライフライン情報、帰宅困難者向け情報などを放送する。新たなチャンネルの名称を決定次第公表される予定だ。
今回のラジオ再編に伴う取り組みの一つとして、9月28日までNHK―FMで放送されてきた「ラジオ深夜便」は翌日29日から、ラジオ第1のみの放送となっている。NHKでは音声波再編の情報について「今後、テレビ、ラジオ、デジタル、番組テキスト、イベント会場など、あらゆる手段を通じて、視聴者の皆様にしっかりお伝えしていきます」としている。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当